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両親に報告
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ディアナは家に着くなり、両親に婚約破棄を報告する事にした。
婚約指輪は外した。
婚約指輪を外した方が婚約を破棄した事がわかりやすいからだ。
ちなみに、婚約指輪は後日、売りに行く予定だ。
両親は納得してくれるだろうか?
始末が悪い事に、ジョージは王侯貴族からも、そして、平民からの評判も良い。
なんでも、悩み事を親身に聞いてくれるから……だ。
本人いわく、カウンセラーをしているという。
悩める人を幸せを導く……それがジョージのアイデンティティだった。
一聴すると宗教臭いが、本人は宗教が大嫌いらしい。
それもあってか、聖女は最初から恋愛対象外だったようだ。
実際にパトシリアも聖女ではない。
ディアナはそんなジョージの裏の顔を見てしまったのだ。
人々を救済する……と豪語した男の姿を!!
それはまるで悪魔のようだった。
そのように、世間様から評判の良い人が二股をかけていたなど誰が信じようか。
ディアナは唾をゴクリと飲んだ。
そして、応接間へと入った。
中には青髪を後ろで束ね、青い瞳にメガネをかけ、もっさりとした髭をたくわえた大柄な男性がいる。
ディアナの実父、グレンだ。
その左側には肩まである紫がかった赤い髪、ルビー色の瞳、細く長く高い鼻に厚い唇をした女性がいる。
ディアナの実母、ステラだ。
ディアナは母親に似ていて、紫がかった髪をポニーテールして、緑のリボンで飾っている。顔は小顔で整っている……と言われている。
ちなみに、弟のセインは父親似。
「お父様。お母様。トーマスから聞いていると思いますが、私は今日報告したい事があります」
トーマスとは執事の事だ。
トーマスとは執事に多い名前だ。
「何だね? ディアナ。何があったんだ?」
ディアナは目を閉じて精神集中させた。
そして、大きく息を吸った。
「私は……。私はバス侯爵ご令息のジョージ様と婚約指輪破棄をしました」
「なぜに?」
グレンは怪訝な顔を浮かべた。
「はい。それについですが」
涙が溢れてきた。
ジョージの前では強がっていたが、実際は心に大きな穴を開けられたようなものなのだ。
「ジョージ様はゼンケ男爵令嬢のパトシリアと私と二股をかけていたようなのです。それで結局ジョージ様はパトシリアをえらんだのです」
「何!? ジョージ殿が二股を!? あのジョージ殿がなぁ。信じられん」
グレンは目を瞑り、頭を抱えた。
信じられないのも無理は無い。
「ジョージ殿がそんな事するとは思えないが」
グレンはパイプに火をつけた。
「そうなんです、お父様」
「ジョージ様は世間の評判も良いのよ。もしかしてディアナ、あなたがジョージ様を嫌いになったのでは!?」
疑われても仕方がない。
「しかし、パトシリア嬢がなぁ」
パトシリアは評判の良さではジョージに劣る。
楽器演奏ができるだけで、他には何も無い。
楽器演奏ができると言っても所詮並。
お世辞にも魅力のある女性とは思えないのだ。
「ジョージ様は歌のできる私より楽器演奏のできるパトシリアを選んだのです」
「そうなのかもしれないがなぁ」
グレンはパイプを吸い、吐き出した。
歌ができるという事で、ディアナは合唱団に入っていた。
パトシリアは合唱団にてピアノの伴奏を務めていた。
「パトシリアのピアノ演奏も大した事ないのにしんじられませんわ、お父様。お母様」
「うむ。でも、仮にそうだったとしても、彼は私に対して礼儀正しい。その上、王侯貴族や平民にまで親切にしているというぞ」
「はい。お悩み相談をしていた事は知っていますわ」
「それなのよ、ディアナ。お悩み相談をするような紳士的な人が浮気をするなんて思えないわ」
「いや待て、ステラ」
「どうしたのです? あなた」
「これはありうるかもしれないな。二重人格という事もありうる」
二重人格。まさにそれなのだ。
表では良い顔をして、裏ではとんでもない事をしでかしている。
「確かに、確かにだ。ジョージは世間の評判が良い。その裏で……というのも十分に考えられるはずだ」
今度はステラがパイプに火をつけた。
二人そろってパイプを吸い始めた。
部屋に煙が充満してきた。
「まぁ……確かにそうかもしれないけれど」
「それに、ジョージは優しそうな顔をしているかい?」
ジョージの三白眼はどう見てもやさしい顔とは言えない。
むしろ、何かを企んでいるとしか思えないのだ。
ジョージはカウンセラーの仕事をしている……と言っていた。
そして、希望があれば占っていたという。
しかも、誰よりもよく当たる占い師で有名だった。
しかし、その占いも本当に当たるのかディアナは疑問に思っていた。
「よく当たる占い師としても名を馳せているが、占い師には悪どい商売をしている人間もいる」
「やはり、ジョージが占いをしている事を疑問に思いますか? お父様」
「百歩譲って占いが無料だとしよう。しかし、占いをする人間には石を高額なお金で売りつける人間もいる。それは私も聞いた事がある」
「では、お父様はジョージ様がパトシリアに浮気していた事を信じてくれるんですかね」
「そこまでディアナが熱弁するなら、本当の話なのかもしれないな」
「ありがとうございます」
「あなた、やはり私もジョージ様が疑わしくなってきたわ」
「そうなんだ。そうなんだよ」
こうして家族会議は幕を閉じた。
「お父様。お母様。ありがとうございました。私はジョージ様より素敵な人を見つけますわ!!」
そう言って応接間を出た。
応接間の外には弟のセインがいた。
「姉上。話は聞いていたよ」
「そういう事なの、セイン」
「これはどう考えてもジョージ様とパトシリアさんに非があるよね」
「セインはジョージ様とパトシリアが悪いって信じてくれるのね?」
「勿論。それに、ジョージ様ってなんだかきな臭いよね」
セインが味方になってくれたのは凄く嬉しかった。
外は相変わらずなごり雪。
春は未だなのか?
しかし、春はそう遠くないように感じた。
そう。冬は必ず春となるから。
婚約指輪は外した。
婚約指輪を外した方が婚約を破棄した事がわかりやすいからだ。
ちなみに、婚約指輪は後日、売りに行く予定だ。
両親は納得してくれるだろうか?
始末が悪い事に、ジョージは王侯貴族からも、そして、平民からの評判も良い。
なんでも、悩み事を親身に聞いてくれるから……だ。
本人いわく、カウンセラーをしているという。
悩める人を幸せを導く……それがジョージのアイデンティティだった。
一聴すると宗教臭いが、本人は宗教が大嫌いらしい。
それもあってか、聖女は最初から恋愛対象外だったようだ。
実際にパトシリアも聖女ではない。
ディアナはそんなジョージの裏の顔を見てしまったのだ。
人々を救済する……と豪語した男の姿を!!
それはまるで悪魔のようだった。
そのように、世間様から評判の良い人が二股をかけていたなど誰が信じようか。
ディアナは唾をゴクリと飲んだ。
そして、応接間へと入った。
中には青髪を後ろで束ね、青い瞳にメガネをかけ、もっさりとした髭をたくわえた大柄な男性がいる。
ディアナの実父、グレンだ。
その左側には肩まである紫がかった赤い髪、ルビー色の瞳、細く長く高い鼻に厚い唇をした女性がいる。
ディアナの実母、ステラだ。
ディアナは母親に似ていて、紫がかった髪をポニーテールして、緑のリボンで飾っている。顔は小顔で整っている……と言われている。
ちなみに、弟のセインは父親似。
「お父様。お母様。トーマスから聞いていると思いますが、私は今日報告したい事があります」
トーマスとは執事の事だ。
トーマスとは執事に多い名前だ。
「何だね? ディアナ。何があったんだ?」
ディアナは目を閉じて精神集中させた。
そして、大きく息を吸った。
「私は……。私はバス侯爵ご令息のジョージ様と婚約指輪破棄をしました」
「なぜに?」
グレンは怪訝な顔を浮かべた。
「はい。それについですが」
涙が溢れてきた。
ジョージの前では強がっていたが、実際は心に大きな穴を開けられたようなものなのだ。
「ジョージ様はゼンケ男爵令嬢のパトシリアと私と二股をかけていたようなのです。それで結局ジョージ様はパトシリアをえらんだのです」
「何!? ジョージ殿が二股を!? あのジョージ殿がなぁ。信じられん」
グレンは目を瞑り、頭を抱えた。
信じられないのも無理は無い。
「ジョージ殿がそんな事するとは思えないが」
グレンはパイプに火をつけた。
「そうなんです、お父様」
「ジョージ様は世間の評判も良いのよ。もしかしてディアナ、あなたがジョージ様を嫌いになったのでは!?」
疑われても仕方がない。
「しかし、パトシリア嬢がなぁ」
パトシリアは評判の良さではジョージに劣る。
楽器演奏ができるだけで、他には何も無い。
楽器演奏ができると言っても所詮並。
お世辞にも魅力のある女性とは思えないのだ。
「ジョージ様は歌のできる私より楽器演奏のできるパトシリアを選んだのです」
「そうなのかもしれないがなぁ」
グレンはパイプを吸い、吐き出した。
歌ができるという事で、ディアナは合唱団に入っていた。
パトシリアは合唱団にてピアノの伴奏を務めていた。
「パトシリアのピアノ演奏も大した事ないのにしんじられませんわ、お父様。お母様」
「うむ。でも、仮にそうだったとしても、彼は私に対して礼儀正しい。その上、王侯貴族や平民にまで親切にしているというぞ」
「はい。お悩み相談をしていた事は知っていますわ」
「それなのよ、ディアナ。お悩み相談をするような紳士的な人が浮気をするなんて思えないわ」
「いや待て、ステラ」
「どうしたのです? あなた」
「これはありうるかもしれないな。二重人格という事もありうる」
二重人格。まさにそれなのだ。
表では良い顔をして、裏ではとんでもない事をしでかしている。
「確かに、確かにだ。ジョージは世間の評判が良い。その裏で……というのも十分に考えられるはずだ」
今度はステラがパイプに火をつけた。
二人そろってパイプを吸い始めた。
部屋に煙が充満してきた。
「まぁ……確かにそうかもしれないけれど」
「それに、ジョージは優しそうな顔をしているかい?」
ジョージの三白眼はどう見てもやさしい顔とは言えない。
むしろ、何かを企んでいるとしか思えないのだ。
ジョージはカウンセラーの仕事をしている……と言っていた。
そして、希望があれば占っていたという。
しかも、誰よりもよく当たる占い師で有名だった。
しかし、その占いも本当に当たるのかディアナは疑問に思っていた。
「よく当たる占い師としても名を馳せているが、占い師には悪どい商売をしている人間もいる」
「やはり、ジョージが占いをしている事を疑問に思いますか? お父様」
「百歩譲って占いが無料だとしよう。しかし、占いをする人間には石を高額なお金で売りつける人間もいる。それは私も聞いた事がある」
「では、お父様はジョージ様がパトシリアに浮気していた事を信じてくれるんですかね」
「そこまでディアナが熱弁するなら、本当の話なのかもしれないな」
「ありがとうございます」
「あなた、やはり私もジョージ様が疑わしくなってきたわ」
「そうなんだ。そうなんだよ」
こうして家族会議は幕を閉じた。
「お父様。お母様。ありがとうございました。私はジョージ様より素敵な人を見つけますわ!!」
そう言って応接間を出た。
応接間の外には弟のセインがいた。
「姉上。話は聞いていたよ」
「そういう事なの、セイン」
「これはどう考えてもジョージ様とパトシリアさんに非があるよね」
「セインはジョージ様とパトシリアが悪いって信じてくれるのね?」
「勿論。それに、ジョージ様ってなんだかきな臭いよね」
セインが味方になってくれたのは凄く嬉しかった。
外は相変わらずなごり雪。
春は未だなのか?
しかし、春はそう遠くないように感じた。
そう。冬は必ず春となるから。
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