【完結】転生令嬢は玉の輿に乗りました

hikari

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カタリーナの行方 ※サウル視点

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カタリーナが行方不明になり、1週間が経った。

情報は日を増す事に集まる。

サウルはカタリーナがどうなろうと知った事ではなかった。

カタリーナはむしろ邪魔だった。


勿論、王位継承権はサウルにある。

だから、サウルは王太子となったのだ。

男系男子が継承するのが建国以来の王室の伝統だからだ。


カタリーナは説教ばかりしてきた。

(何をしようと俺の自由だよな)

とにかく、自由がない。

やれ、勉学に励めだの運動を頑張れだの槍を極めろだの芸術に打ち込めだの……。

王位継承権1位だから……がカタリーナの言い分だ。

要するに完璧が求められている。

確かに現国王は文武両道だ。

国民から見て、魅力的に映らなければならないのだ。

(馬鹿馬鹿しい)

頭が痒い。

サウルは頭を掻いている。

掻き終わったら髪の毛をかき分ける。


サウルはカタリーナからの小言や説教に嫌気が差していた。

何かと難癖をつける点もまた気に食わなかった。

サウルはこの日もまたヴィルジニアと執務室で二人で雑談を交わしていた。

勿論、槍の特訓など方便に過ぎない。


サウルは槍の才能に恵まれた。

だから、練習などしなくても、それ相応に戦える。

「王女陛下はどうなったのでしょう?」

ヴィルジニアが葉巻を吸いながら言った。

「ああ。姉上の事だ。どこぞの男のところへ転がり込んだんだろう?」

カタリーナには婚約者はいなかった。

王位継承権が無いのを良いことに、生まれながらにして婚約者は決められていなかった。

このきょうだい間のヒエラルキーに違和感も感じた。


無論、サウルは国王になれるものならなりたい。

だが、自由恋愛が認められないのが気に入らなかった。

(要するに国王になりたけりゃ恋愛を我慢しろって事だったんだな。ま、でも、その掟をまんまと破ってやったけどな。エレオノーレと結婚なんて真っ平ごめんだぜ)

「王太子殿下」

「どうしたんだ? ヴィルジニア」

「王女陛下は婚約者がいるんですの?」

「いない」

「そうなんですか」


トントン。

ドアをノックする音がした。

(どうせパウルだろうな)

「何だ? 入れ」

「兄上!!」

やはり、パウルだった。


「姉上は見つかりました。ベンジャミン・ザキソン伯爵に拉致されていた。勿論、ザキソンは逮捕されました」

「そうか。わかったからあっち行ってくれ」

「違うんです」

「何が違うだと?」

「兄上。ザキソン伯爵に投資の話を持ちかけていたみたいですね」

「気の所為だ」

「気の所為ではないです。ザキソン伯爵が自供しました。だから、カタリーナ王女を誘拐して身代金を要求しようとした、と」


(ベンジャミンめ。裏切りやがったな!?)


その後、国王に呼ばれ、王位継承権を剥奪された。

全財産も没収。

そして、隣国ズッシン王国に追放になった。
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