妹に婚約者を取られてしまいましたが、あまりにも身勝手なのであなたに差し上げます

hikari

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第二話

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両親が王宮に駆けつけてきた。


そして、応接間で家族会議が開かれた。


父のアルフレッドと母のクレアが応接間に向かい合って座っている。

父のアルフレッドは髪が茶色で髪をセンター分けをしていて、髭を伸ばしている。茶色い瞳。

母のクレアは赤い髪にショートヘア。赤い瞳をしている。


「これはどういう事か?」

アルフレッドが髭を触りながら言った。

「マルティナが私から婚約者を奪ったのです」

しかし、アルフレッドは首を左右に振る。

「違う! お前に魅力が無いからセレドニオ様はマルティナに行ったんだ。お前は嫌われたんだ」


「そうよ。マルティナが盗るわけないじゃない。被害妄想もいいところだわ」

クレアは持ち前の釣り目でこちらを見て来る。


掠れたメゾソプラノの声。


















マルティナは昔から私のものを欲しがった。

服から何から全て。





そもそも私はきょうだいがいること自体が不思議な感覚だった。


私の名前は岩原珠美(いわはらたまみ)。

ひとりっ子だった。

私は日本という国の仙台市で大学生をしていた。

夢はヴァイオリニストだった。

音楽が好きだった。

大学では吹奏楽部に入っていた。

とある冬休み、正月をグアムで過ごそうと家族旅行に行く。


私の乗った飛行機は奇しくも墜落。

私は死んだのだった。

そしてヴァイオリニストの夢も破れてしまった。










またバイオリンが弾きたい。
























そして転生をしたら妹がいたのだ。


「私はお姉様から婚約者を奪った覚えはありませんわ。セレドニオ様は花嫁候補の条件が厳しいだけなんです」

アルフレッドは顎の下に拳を握りしめ、エヘンと言った。

「マルティナの言う通りだ。セレドニオ様は条件が厳しい。だからこれまでも何人かの女性と婚約破棄をしてきた」

「いいえ、違います。マルティナは私とセレドニオ様が婚約した事を知っていたのです……」

「だから何だと言うのだ」

アルフレッドはテーブルを叩いた。


「マルティナはセレドニオ様の求婚を断ってリディアの結婚を応援しなさい、と?」

「……」

「とにかくね、セレドニオ様も色々事情があってマルティナを選んだのよ。わかってあげてちょうだい」


いつでもコレだ。

姉だから我慢しなさい。

姉だから譲りなさい。

リディアはうんざりしていた。


「でも、それで姉妹の絆が消える事をわからないのですか?」

「それはね、リディア、あなたが我慢すれば良いだけ。そして素直に祝うべきよ」

依然として目つきを変えないクレア。


「素直に祝福で済む話ではありません」


「そうだ、リディア。お前はセレドニオ様に嫌われたのだから、マルティナに取られたも何も無いだろ。諦めるべきだ」

アルフレッドは完全に憤怒に満ちている。


「でも……」

「でもじゃない。えーい! お前と話ていても埒が空かない。お前みたいに家族の和を乱す者は家から出てけ!」

アルフレッドの声が部屋中に響く。


リディアは泣く泣く家を出る事にした。
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