幼馴染の親友のために婚約破棄になりました。裏切り者同士お幸せに

hikari

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結婚

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「アントニーナ。会いたかった」

王太子が待っていた。

「王太子殿下」

「実は今日は大事な話がしたい」

大事な話?

にわかには思いつかなかった。


「とりあえず、僕の部屋へ行こう」

アントニーナは腕を引っ張られるようにして、王太子の部屋へ向かった。


王太子の部屋の壁は絵画で埋め尽くされていた。

カーテンからは夏の強い日差しが照りつけていた。


「きみに渡したいものがある」

「え!?」


「さあ、左指を差し出して」


王太子は箱を開け、中から指輪を取り出した。

「さあ、これだ」

ダイヤモンドだった。

「え!? これってもしかして!?」


「婚約指輪だよ」

と言ってアントニーナの左手の薬指に指輪をはめた。

「嬉しいわ」

アントニーナは胸が張り裂けんばかりになった。


まさか、隣国の王太子から婚約指輪をもらうとは思ってもみたかったからだ。


「でも、私はまだ聖女になっていないのに?」

「なあに。聖女になっていなくても、最高の魔道士ではないか」

王太子は微笑みかけた。


「ありがと……う」

「だから、きみは聖女になんかなる必要ない。僕ときみが出会ったのは運命なんだから」

王太子は立ち上がり、再び座った。

「王太子殿下。こんな私で本当に良いのですか?」

「何そんなに卑下しているんだよ。きみは素敵だ。さあ、僕と結婚して欲しい!」


そういう流れになり、アントニーナはアレッサンドロと婚約をした。



「アントニーナ・ミルラ・ミネルヴィーノは僕の嫁だ!」

「ありがとうございます、王太子殿下」


塞翁が馬。


マタハイムの王太子と結婚をしていれば、革命が起こり奴隷に成り下がっていた。


しかし、王太子に婚約破棄されたからこそ隣国の王太子と結婚する事ができた。


確かに婚約破棄をされた時は腹がたった。


幼馴染からの裏切りにも涙をのんだ。


しかし、今となるとそれは「何だったのだろうか?」という思いにとらわれる。


そうよ。良かったのよ。

これでお終いなのよ。


アントニーナはジョルジョに婚約破棄をされたことをむしろありがたく感じた。


「きみと二人でいい国を作り上げていくぞ!」と王太子。


「王太子殿下、宜しくお願いします」


こうしてふたりは婚約をするのであった。


「最後に一つ。キスをして良いかい?」

「ええ」

というと、王太子は頬にキスをした。
















◆◇◆◇







それから、結婚式が盛大に行われた。


式にはアーノルドやフロリアーナ、アーサーやナンシーが来てくれた。


「やっぱり王太子殿下とお似合いだったわね」

ナンシーは花柄のドレスに身を包んでいた。

「うん、お似合いだよね」

アーサーも賛同した。



「姉さん。革命から逃れてよかったわね。しかも隣国の王太子殿下をいとめるなんて」とフロリアーナ。


「そうだよ。革命の時は本当に危なかったんだから」とアーノルド。

「ありがとう。ありがとう」

アントニーナは頭を下げている。


「アントニーナさん。私の兄を宜しくお願いしますわ」

アンジェリーナ王女だった。

「はい。宜しくお願いします」


「……。宜しくお願います」

ロレンツォは相変わらず大人しい。

「そして私がロレンツォの彼女のヒラリーよ」

アントニーナと王太子は特別に彼女の出席まで認めた。




「兄貴をよろしくなのだ」

第三王子のフランチェスコだった。


そして親族同士が挨拶をした。




式は厳かに執り行われた。


「王太子殿下。あなたは病めるときもどんなときもアントニーナ・ミルラ・ミネルヴィーノを愛すことを誓いますか?」

「はい」


「アントニーナ。あなたは病めるときもどんなときもアレッサンドロ・マッティア・アンドレアを愛すことを誓いますか?」

「誓います」


「ここにてあらたな新郎新婦が誕生をしました。ではまず誓いのキスを」


王太子がアントニーナに勢いよくキスをした。


「では指輪の交換を」


王太子がアントニーナの指に、アントニーナが王太子の指にそれぞれ指輪をはめた。




そして晩餐会が開かれた。









晩餐会が終った後にパレードが開かれたがつつがなく修了した。



二人は永久に愛し合うのでした。



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