妹に婚約者を取られてしまい、家を追い出されました。しかしそれは幸せの始まりだったようです

hikari

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聖女として生きる

聖女デビュー

聖女の職場へ行くと、1人の女性が現れた。燃えるようなうねった赤い髪に茶色い瞳。ローサと目が合った時、瞬間目を細めてきた。見たところ、見覚えのある顔。

「初めまして。私はローサ・マリソナです。宜しくお願い致します」

「初めまして。ティナです。私がここの指導者です。宜しくお願いします」

燃えるような髪とは裏腹に小声で甲高い声をしている。

「ティナ。ローサは一身上、コーンウォールで聖女を務めるように父に言われたの。色々ワケアリだけど宜しくね」とソフィア。

「わかりました、ソフィア様」

そう言ってソフィアは部屋を出た。

「もしや、ティナって私の家で以前聖女として?」

やはり、見知った顔だ。そうだ。ローサは思い出した。ティナは以前マリソナ家に仕えていた聖女だ。しかも、かなりの優秀な聖女だった。しかし、ある日突然マリソナ家からいなくなっていたのだ。

ローサは密かにティナを探していた。どこにいたかと思えばコーンウォール家に仕えていたのだ。

ティナはほっとした笑顔を見せた。

「私は以前マリソナ家に仕えていました。それが諸事情コーンウォール家に仕えるようになりました」

「そうだったんですか。その節はお世話になりました」

「はい。しかし、なぜローサ様マリソナ家を?」

やはり聞かれると思った。

「色々あって……」

そう言うとティナは「もうそれ以上は聞きません。失礼しました」と言った。

察したようだ。

「ところでティナ様、仕事とは具体的に何をすれば良いのでしょうか?」

そう言うとティナは萎縮した。

「考えてみれば私はローサ様の職場の上司なんですよね。元主君のご令嬢を使うなんてなんだか」

ティナからすればローサは元主君の令嬢。その令嬢を部下とするわけだから、複雑な気持ちであろう。

「私の事はローサで良いです。それに今、ティナはコーンウォール家に仕えている。マリソナ家との主従関係はもう無いのだから、ローサで良いです。私もティナ様とお呼びさせて頂きます」

そう言うとティナは落としていた肩を元通りにした。

「はい。ローサ」

そう言ってティナは「まずはこの部屋を見学してみる?」と言ってきた。

「はい」

ティナは説明をし始めた。

「ここは薬草を集める段階。薬草を集めて振り分ける。そして、重さを量り比率を合わせてブレンドしていくの。そして次に瓶詰めをして完成。とまあ大雑把に説明したけど、だいたいわかったかな?」

何となく飲み込めたような気がする。

「大丈夫です」

ローサは小さく手を上げて言った。

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