【完結】気づいたら異世界に転生。読んでいた小説の脇役令嬢に。原作通りの人生は歩まないと決めたら隣国の王子様に愛されました

hikari

文字の大きさ
14 / 17

★身から出た錆 ※サウル視点

しおりを挟む
ギャンブルから一夜明け、サウルは国王に呼ばれた。

一体何なのだろうか?

この時サウルは昨日のバーで酔っ払ってからの記憶が無い。

何かしらやらかしたのだろうか?


しかし、酔った勢いで人を殴ったりした覚えはない。


何が何だかわからないまま、玉座へと向かう。


まだ頭が痛い。二日酔いだ。


やけ酒は絶対にやめられない。

やはり、ギャンブルで負けた夜はバーでしこたま酒をかきいれるのが一番だ。

それにしても、昨日のワインは旨かった。

サウルの行きつけのバーは王侯貴族御用達の高級バーなのだ。

平民にはとても手に届く値段ではない。

よく、熟成されたワインだった。


(まさか、借金が見つかったか?)

恐る恐る王宮を歩く。

赤いカーペットが続く。


そして、玉座の間についた。


「サウル様。国王陛下がお呼びです」

「ああ」

「ディアドラ様も来ていますぞ」

ディアドラが!?


結婚を認めてくれるということなのだろうか?

サウルは意気揚々と玉座の間に入った。


しかし、国王の顔は憤懣に満ちていた。


(まさか!!)

そのまさかだった。

開口一番に

「サウル!! お前昨日カジノへ行っただろ!?」

だった。

「はい、そうですが……」

カジノは王侯貴族も通っている。

カジノ位なら問題ないだろう、がサウルの持論だった。


「私は噂で聞いた。昨日バーで『私は王太子だ。借金がある』と言ったらしいな」

「え!?」

誤魔化しようがない。事実だ。


「あ……はい」

「けしからん!! 一国の王太子ともいうべき人物があろうことかギャンブルで借金拵えるとはな」

「すみません」

「借金、いくらあるんだ?」



「一億パーツ」

「まさか闇金業者からも借りていないよな?」

「闇金からも借金しました」

「けしからん! どうやって返済するんだ。まさか税金からじゃないよな!?」

「……」

「税金は国民が汗水垂らして納めたお金なんだぞ。それをギャンブルに使い込むとは何事だ!?」

「すみません」

「すみませんで済む問題ではない」

「恥ずかしい話なんだぞ」

「わかっています」

サウルはこれまでの行いを悔いた。

「父上」

「何だ?」

「悔い改めます」

「悔い改めるでは済まないんだぞ、サウル」

「……」


「そしてディアドラ嬢」

国王はディアドラの方へ目を向けた。

「この通り、サウルには借金がある」 


学園は夏休みだったので、王城にディアドラが遊びに来ていた。

「はい」

「それでもサウルを愛しているか?」

「……」

「俺はディアドラだけは護ると決めた。だから、アレクサンドラと婚約破棄をしました」

「そもそも、そこだ。お前はなぜアレクサンドラと婚約破棄をしたんだ?」 

「ディアドラを愛してしまったからだ」

「なぜディアドラに目移りをした?」

「それは魔女家系のアレクサンドラよりも母親が聖女のディアドラの方が好みだからです」

「ディアドラ嬢。本当にサウルで良かったんだな?」

「はい。王太子殿下は私にはやさしく、誠実で紳士的な人でした」

「誠実……な。ギャンブルをして尚且借金のある男を誠実と思うか?」

「誠実に……思えたんです」

「それに言っちゃなんだが、サウルはアレクサンドラと結婚が決まっていた。そこにきみが入った。サウルはアレクサンドラを裏切ったんだぞ。そんな人間が誠実だと思うのか?」

「……」

「父上。ディアドラをいじめないで下さい」

「いじめていない。尋問だ」

「ディアドラ嬢。サウルと別れるか?」

「ディアドラ。それだけはやめてくれ!!」

「王太子殿下を今でも愛していますわ」

ディアドラは婚約指輪をちらつかせた。

「どうした、ディアドラ嬢。その指輪はサウルにもらったものか?」

「はい。何でも物凄く希少な宝石みたいで」

「二人は今でも愛し合っている。ならば、結婚を認めよう。その代わり国から出て行ってもらう」

「それはないです、父上」

「良いですわ。私は王太子殿下と一緒ならどこへでも行きますわ」

「ディアドラ!!」

「ディアドラ嬢。それで良いんだな?」

「はい、国王陛下」

「ディアドラ!! きみは俺に愛を誓ったんだな」

「そして、勿論だが、次期国王はテリーに譲る。そして、結婚式は行わない。それから、お前の持っている財産……無いとは思うが金目になるようなものは全て没収だ。そして、ディアドラ嬢。きみはもう学園には行けないぞ」

「それでも良いですわ。私は王太子殿下を愛していますから」


そして、二人は永遠の愛を国王の前で誓った。

「ノイッシュ! 馬車を呼んでくれ」

国王は続けた。

「君たち二人には隣国のリンデンロームに行ってもらう」

リンデンローム。

リンデンロームといえば、後進国で何も無い。

そして、何よりも治安が悪い。


アトポスの巣窟でもある。

「きみたちには平民の生き方がわからないと思う。リンデンロームで平民として生きるがよい。そして……だ。服は囚人の服を着てもらう」

国王は続けた。

「ロシュ! 囚人の服を2枚用意してくれ」

「はい、国王陛下」

まさか……だった。

(昨日俺は酔った勢いで余計な事を言ってしまったのか。あの野郎に裏切られたのか。畜生!!)


間もなくして。

「囚人の服が届きました」

ロシュは囚人の服を持ってきた。

「さあ、着るんだ!!」

「サウル様、こちらへ」

「ディアドラ様はこちらへ」


サウルは自室へ連れついかれた。

そして、服を着替えさせられた。


汚い服だった。


所詮、隣国に送られる身。

こんな格好は分相応なのだろう。

サウルはため息をついた。



そして、外に出るよう、促された。


「馬車を用意しました」

サウルは外に出た。

そこには馬車が一台止まっていた。


サウルとディアドラは馬車に乗り込んだ。


そして二人は結ばれた代わりに国を去る羽目になった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

自業自得じゃないですか?~前世の記憶持ち少女、キレる~

浅海 景
恋愛
前世の記憶があるジーナ。特に目立つこともなく平民として普通の生活を送るものの、本がない生活に不満を抱く。本を買うため前世知識を利用したことから、とある貴族の目に留まり貴族学園に通うことに。 本に釣られて入学したものの王子や侯爵令息に興味を持たれ、婚約者の座を狙う令嬢たちを敵に回す。本以外に興味のないジーナは、平穏な読書タイムを確保するために距離を取るが、とある事件をきっかけに最も大切なものを奪われることになり、キレたジーナは報復することを決めた。 ※2024.8.5 番外編を2話追加しました!

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

枯れ専令嬢、喜び勇んで老紳士に後妻として嫁いだら、待っていたのは二十歳の青年でした。なんでだ~⁉

狭山ひびき
恋愛
ある日、イアナ・アントネッラは父親に言われた。 「来月、フェルナンド・ステファーニ公爵に嫁いでもらう」と。 フェルナンド・ステファーニ公爵は御年六十二歳。息子が一人いるが三十年ほど前に妻を亡くしてからは独り身だ。 対してイアナは二十歳。さすがに年齢が離れすぎているが、父はもっともらしい顔で続けた。 「ジョルジアナが慰謝料を請求された。ステファーニ公爵に嫁げば支度金としてまとまった金が入る。これは当主である私の決定だ」 聞けば、妹のジョルジアナは既婚者と不倫して相手の妻から巨額の慰謝料を請求されたらしい。 「お前のような年頃の娘らしくない人間にはちょうどいい縁談だろう。向こうはどうやらステファーニ公爵の介護要員が欲しいようだからな。お前にはぴったりだ」 そう言って父はステファーニ公爵の肖像画を差し出した。この縁談は公爵自身ではなく息子が持ちかけてきたものらしい。 イオナはその肖像画を見た瞬間、ぴしゃーんと雷に打たれたような衝撃を受けた。 ロマンスグレーの老紳士。なんて素敵なのかしら‼ そう、前世で六十歳まで生きたイオナにとって、若い男は眼中にない。イオナは枯れ専なのだ! イオナは傷つくと思っていた両親たちの思惑とは裏腹に、喜び勇んでステファーニ公爵家に向かった。 しかし……。 「え? ロマンスグレーの紳士はどこ⁉」 そこでイオナを待ち受けていたのは、どこからどう見ても二十歳くらいにしか見えない年若い紳士だったのだ。

ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です

山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」 ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。

婚約破棄すると言われたので、これ幸いとダッシュで逃げました。殿下、すみませんが追いかけてこないでください。

桜乃
恋愛
ハイネシック王国王太子、セルビオ・エドイン・ハイネシックが舞踏会で高らかに言い放つ。 「ミュリア・メリッジ、お前とは婚約を破棄する!」 「はい、喜んで!」  ……えっ? 喜んじゃうの? ※約8000文字程度の短編です。6/17に完結いたします。 ※1ページの文字数は少な目です。 ☆番外編「出会って10秒でひっぱたかれた王太子のお話」  セルビオとミュリアの出会いの物語。 ※10/1から連載し、10/7に完結します。 ※1日おきの更新です。 ※1ページの文字数は少な目です。 ❇❇❇❇❇❇❇❇❇ 2024年12月追記 お読みいただき、ありがとうございます。 こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。 ※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

結婚前夜に婚約破棄されたけど、おかげでポイントがたまって溺愛されて最高に幸せです❤

凪子
恋愛
私はローラ・クイーンズ、16歳。前世は喪女、現世はクイーンズ公爵家の公爵令嬢です。 幼いころからの婚約者・アレックス様との結婚間近……だったのだけど、従妹のアンナにあの手この手で奪われてしまい、婚約破棄になってしまいました。 でも、大丈夫。私には秘密の『ポイント帳』があるのです! ポイントがたまると、『いいこと』がたくさん起こって……?

処理中です...