従姉妹に婚約者を奪われました。どうやら玉の輿婚がゆるせないようです

hikari

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13 王宮に呼ばれて

門番は「オスカル殿下から伺っております」と言い、あっさりと通してくれた。

すると、オスカル殿下がやってきました。

「カトリーヌ。おまたせ!」

そう言って城の中を案内してくれました。

城のつくりは複雑でまるで巨大ダンジョンのようでした。

さすがは王宮。国力の強さを物語っています。

「これから父に彼女を紹介しに行く」

と言って王の間の前にいた兵士に事情を話した。

そして、兵士の一人が王の間の扉を開けてくれた。


私は粛々と中に入っていった。


「父上。今、結婚を前提に交際をしている人がいます」

結婚を前提に?

私はそんな事は聞いていませんでした。

俄には信じられない話。

しかし、それだけ本気なのかとなんとなく理解できました。

国王陛下もオスカルと同じく金髪で背が高く、横もそこそこあった。

「カトリーヌ嬢と申します。王立学園時代の同級生です」

「初めまして。私はアルファン男爵令嬢のカトリーヌと申します。オスカル殿下とは王立学園時代に一緒に机を並べていました」

すると、国王陛下は

「素敵な彼女を持ったね。オスカル。幸せにしてあげるんだぞ」

と言った。


「はい、父上。彼女はカトリーヌはこの私が必ず幸せにします」

オスカル殿下……。

私はオスカル殿下を信じる事にした。


アルフレッドの時もそう。

アルフレッドの両親に挨拶をしたっけ……。

それでも私はあっさりと裏切られわ。


しかし、オスカル殿下だけは信じても良い、と確信しました。

「ありがとうございます」

オスカルは首尾一貫して笑顔でいる。


「カトリーヌ……と言ったかな?」

「はい」

「オスカルを宜しく頼むな」

「こちらこそ宜しくお願いします」

そう言うと、国王陛下は二度首を縦に振った。

「カトリーヌを受け入れてくれるんですか?」

「勿論だ。アルファン男爵は立派な裁判官だ。我々王族もお世話になっている。そのご令嬢ともなれば私としても嬉しい」

「ありがとうございます、父上」

オスカル殿下は一礼をした。

私の父は有能な裁判官で有名。


そんな娘に生まれたことを誇らしく思いました。

「結婚を前提に……と言ったよな、オスカル」

「はい」

「アルファン男爵はそれを知っているのか?」

「アルファン男爵にはこれから挨拶に伺おうかと思っていました」

「そうか……」

「婚約はまだだな?」

「婚約はまだです。でも、いずれはしようかと思っています」

私は「え!?」と思いました。

オスカル殿下は婚約まで考えていたなんて……。


「王妃にはこれから挨拶に行くんだな?」

「はい」

「では王妃にも挨拶に行くがいい。カトリーヌ嬢ならきっと喜んでくれるはずだ」

挨拶が済むと、私とオスカル殿下は王の間をあとにしました。


そして再び巨大ダンジョンを巡る。

階段を何段も上がると、そこが王妃の執務室だと言う。

「母上に挨拶に参りました」

そう言うと見張り番の兵士が王妃の執務室の扉を開けてくれた。


「母上に挨拶に伺いました」

母親はスカイブルーの髪に緑の瞳、背が高くてスラッとしていてカッコよかった。

「オスカル。どうしたの?」

「母上。実は結婚を前提にお付き合いしている彼女がいます。カトリーヌと言います」

「初めまして。アルファン男爵令嬢のカトリーヌと申します。オスカル殿下とは王立学園時代の同級生でした」


「アルファン男爵……ねぇ。通常、男爵令嬢と王族が結婚する事は珍しいんだけど、オスカルが見初めたのだから素敵な彼女なんでしょうね」

毅然とした態度で言った。

「で、結婚を前提と言うことはまだ婚約はしていないのね?」

「していません」

「婚約するなら必ず私に言って頂戴ね」

「わかりました」

「カトリーヌさん。オスカルはねとてもそそっかしく、物をよく無くしたりウッカリしたりする節があるのよ。フォローを頼みますね」

王妃はようやく笑みを見せた。


「はい」


二人は王妃への挨拶が済んだのち、また巨大ダンジョンへと入っていった。

「さあ、中庭へ行こう」

と言って先程昇った階段と違う階段を降りていった。

大きな扉が目に入った。


「中庭に行きたい」

そう言うと、兵士は扉を開けてくれた。


「さあ、中庭で色々話そう。今後の事とか」

と言って中庭を歩いた。

そして、正面にベンチがあった。


「ここに座ろう」

オスカル殿下に促されるまま、私はベンチに腰掛けました。

私はオスカル殿下に訊ねてみた。


結婚を前提に……とはどういうことなのだろうか?

「ご両親に『結婚を前提に』と言っていましたが……」

「うん。そのことについて……だけど」

即答だった。

「僕がアルフレッドと違って本気だと言う事をアピールしたかったんだ」

「結婚を前提に……って本気なのですか?」

私は思い切って訊ねることにしました。

「まだ婚約もしていないから、何とも言えないけどね」

ですよね。

婚約もしていないから、何とも言い難い。


晩秋の中庭は木々が紅葉していた。

これから来る冬に備えて葉を落としている。


風は冷たい。


私はネックウォーマーを上に上げた。

「アルフレッドみたいな中途半端なヤツは嫌いだよ。自分の都合で婚約破棄なんて最低だ」

オスカル殿下はアルフレッドに対して怒っているようです。


木の葉が落ちる瞬間に私は切なさを感じた。

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