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到着
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街並みはバテス領に到着。
馬車は東へ東へ。
そして、修道院らしき荘厳な造りの建物が目に入った。
「お嬢様。修道院へ到着しましたよ」
「ありがとう、ハンス」
何の偶然なのだろう、御者の名前もハンスという。
しかし、御者のハンスは良い人。
悪人のハンスはヴェルナルド公爵の令息のハンス。
大違い。
ステファニーは馬車を降りた。
そこに立っていたのは背が高く太った中年の女性だった。
修道女の一人かもしれない。
礼儀正しくしなくては!!
「えと……初めまして。ステファニー・アルバラードです。宜しくお願い致しますわ」
「よろしく。私の名前はサリサ。ここの修道女の長を務めてるわ。では参りましょう、ステファニー」
どっしりとしたアルトの声を出し、案内を始めた。
いきなり呼び捨て……。
ステファニーはたじろいでしまった。
「さあ、来て」
サリサに促されるまま、修道院の中に入る。
修道院の中は厳かな空気に包まれていた。
しかし、それとはうらはらにこの修道院は先輩後輩の関係が顕著だ。
(先輩の怒りを買わないようにしないと)
内心震えていた。
サリサは後ろを振り返った。
「あなたが貴族の令嬢だということはわかるわ。しかしね、この修道院には掟があるの。私の言うことには絶対に服従よ。わかったわね」
「は、はい」
「は、はいじゃない!」
「はい」
「声が小さい」
「はい」
返事一つまで細かい修道院。
貴族令嬢のステファニーとしてはこのような厳しい先輩後輩の関係は学園以来だ。
修道院の奥には何人かの修道女がいた。
サリサはひたすら奥へ奥へと歩く。
「皆さん」
サリサは手を2回叩いた。
修道女たちがこちらを振り向く。
皆、目つきのきつい人たちだった。
ステファニーはますます萎縮してしまった。
「紹介するわね。新入りよ。さあ、自己紹介しなさい」
サリサが肘でつついてきた。
「初めまして。新しくこちらの修道院に着任しましたステファニー・アルバラードと申します。宜しくお願い致します」
声が震えている。
すると、先輩に当たる修道女たちがクスクスと笑いだした。
(何がおかしいの?)
「初めまして。ここの修道院の修道女、ナリー」
「私はティサ」
「私はクレア」
「私はミト」
「私はカリナ」
5人の修道女が挨拶をした。
皆、毅然とした態度だった。
その態度がまた恐怖を煽る。
先輩後輩の関係が顕著という事は当然いじめもある。
先輩がかわいがってくれる……そんな事は期待しない方が良い。
ステファニーは学園時代に先輩からいびられていた事を思い出した。
恐らく、ここもそう。
ステファニーは覚悟を決めた。
馬車は東へ東へ。
そして、修道院らしき荘厳な造りの建物が目に入った。
「お嬢様。修道院へ到着しましたよ」
「ありがとう、ハンス」
何の偶然なのだろう、御者の名前もハンスという。
しかし、御者のハンスは良い人。
悪人のハンスはヴェルナルド公爵の令息のハンス。
大違い。
ステファニーは馬車を降りた。
そこに立っていたのは背が高く太った中年の女性だった。
修道女の一人かもしれない。
礼儀正しくしなくては!!
「えと……初めまして。ステファニー・アルバラードです。宜しくお願い致しますわ」
「よろしく。私の名前はサリサ。ここの修道女の長を務めてるわ。では参りましょう、ステファニー」
どっしりとしたアルトの声を出し、案内を始めた。
いきなり呼び捨て……。
ステファニーはたじろいでしまった。
「さあ、来て」
サリサに促されるまま、修道院の中に入る。
修道院の中は厳かな空気に包まれていた。
しかし、それとはうらはらにこの修道院は先輩後輩の関係が顕著だ。
(先輩の怒りを買わないようにしないと)
内心震えていた。
サリサは後ろを振り返った。
「あなたが貴族の令嬢だということはわかるわ。しかしね、この修道院には掟があるの。私の言うことには絶対に服従よ。わかったわね」
「は、はい」
「は、はいじゃない!」
「はい」
「声が小さい」
「はい」
返事一つまで細かい修道院。
貴族令嬢のステファニーとしてはこのような厳しい先輩後輩の関係は学園以来だ。
修道院の奥には何人かの修道女がいた。
サリサはひたすら奥へ奥へと歩く。
「皆さん」
サリサは手を2回叩いた。
修道女たちがこちらを振り向く。
皆、目つきのきつい人たちだった。
ステファニーはますます萎縮してしまった。
「紹介するわね。新入りよ。さあ、自己紹介しなさい」
サリサが肘でつついてきた。
「初めまして。新しくこちらの修道院に着任しましたステファニー・アルバラードと申します。宜しくお願い致します」
声が震えている。
すると、先輩に当たる修道女たちがクスクスと笑いだした。
(何がおかしいの?)
「初めまして。ここの修道院の修道女、ナリー」
「私はティサ」
「私はクレア」
「私はミト」
「私はカリナ」
5人の修道女が挨拶をした。
皆、毅然とした態度だった。
その態度がまた恐怖を煽る。
先輩後輩の関係が顕著という事は当然いじめもある。
先輩がかわいがってくれる……そんな事は期待しない方が良い。
ステファニーは学園時代に先輩からいびられていた事を思い出した。
恐らく、ここもそう。
ステファニーは覚悟を決めた。
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