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誕生日会
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すっかり日も暮れて、月が煌々と照っている。
今夜はジェラールの誕生会だ。
ステファニーは合唱団の一員として王宮に招かれた。
まず、目に入ったのは!!
「!!」
な、なんと手を繋いだハンスとジュリエットだった。
その後ろにはヴェルナルド公爵夫妻がいた。
「どうしたの? ステファニー」
「あ……うん」
うまく言えない。
なぜ?
二人は仲睦まじくしている。
罰が当たらない?
二人は結婚したのだろうか?
視線を右に移すと、別のテーブルに父のヨハンと母のマリカがいた。
さらに、視線を右にずらすと、アトラス伯爵夫妻とチャーリーがいた。
肩まである緑色の髪。赤い瞳。右目の下にあるほくろ。
間違いなく、チャーリーだ。
チャーリーもジュリエットから婚約破棄された……。
可哀相なチャーリー。
本来ならば、ジュリエットと夫婦で参加しているはずが。
チャーリーも被害者。
どのような思いで今回のパーティーに参加しているのだろう?
居た堪れない思いに駆られた。
「今回はご多忙な中、我が息子、ジェラールの誕生会へいらっしゃって誠にありがとうございます」
国王のエルフィン3世だった。
「では、誕生会を開催したいと思います」
万雷の拍手が鳴った。
「では、王太子殿下より挨拶があります」
パーティーを取り仕切るのは宰相であり、オーミャ公爵当主でもあるエドモンドだ。
「本日はお忙しい中、私のために集まっていただき、ありがとうございます。今日は私の22年目の誕生日です。皆さん今夜は楽しんで下さい」
長い金色の髪を後ろで束ね、スカイブルーの瞳に筋の通った鼻、王太子のジェラールだ。
(王太子殿下……)
ジェラールは王族。
王族なのだから、やはり、生まれながらにして婚約者はいるはず。
「では……クロトフィー修道院の合唱団による合唱をお楽しみ下さい」
いよいよ出番だ。
緊張した。
深呼吸をする。
指揮者は修道院の先輩の1人、アイシャだ。
アイシャが構える。
伴奏が始まる。
「1、2の3、はい」
歌はアヴィーコ王国を賛える歌。
そして、ステファニーのソロのパートが来た。
と、その時。
ジェラールと目が合ってしまったのだ。
ステファニーは一瞬胸が高鳴るのを感じた。
ジェラールは目を逸らそうとしない。
王太子殿下にお答えしたい。
ただ、その思いだけだった。
歌が終わる。
再び万雷の拍手が鳴り響いた。
歌いきった。
達成感で満たされていた。
歌を歌い終わったが、それでもジェラールはステファニーの事を見ていた。
(なぜ、王太子殿下はずっとわたくしの事を見続けているのだろう?)
今夜はジェラールの誕生会だ。
ステファニーは合唱団の一員として王宮に招かれた。
まず、目に入ったのは!!
「!!」
な、なんと手を繋いだハンスとジュリエットだった。
その後ろにはヴェルナルド公爵夫妻がいた。
「どうしたの? ステファニー」
「あ……うん」
うまく言えない。
なぜ?
二人は仲睦まじくしている。
罰が当たらない?
二人は結婚したのだろうか?
視線を右に移すと、別のテーブルに父のヨハンと母のマリカがいた。
さらに、視線を右にずらすと、アトラス伯爵夫妻とチャーリーがいた。
肩まである緑色の髪。赤い瞳。右目の下にあるほくろ。
間違いなく、チャーリーだ。
チャーリーもジュリエットから婚約破棄された……。
可哀相なチャーリー。
本来ならば、ジュリエットと夫婦で参加しているはずが。
チャーリーも被害者。
どのような思いで今回のパーティーに参加しているのだろう?
居た堪れない思いに駆られた。
「今回はご多忙な中、我が息子、ジェラールの誕生会へいらっしゃって誠にありがとうございます」
国王のエルフィン3世だった。
「では、誕生会を開催したいと思います」
万雷の拍手が鳴った。
「では、王太子殿下より挨拶があります」
パーティーを取り仕切るのは宰相であり、オーミャ公爵当主でもあるエドモンドだ。
「本日はお忙しい中、私のために集まっていただき、ありがとうございます。今日は私の22年目の誕生日です。皆さん今夜は楽しんで下さい」
長い金色の髪を後ろで束ね、スカイブルーの瞳に筋の通った鼻、王太子のジェラールだ。
(王太子殿下……)
ジェラールは王族。
王族なのだから、やはり、生まれながらにして婚約者はいるはず。
「では……クロトフィー修道院の合唱団による合唱をお楽しみ下さい」
いよいよ出番だ。
緊張した。
深呼吸をする。
指揮者は修道院の先輩の1人、アイシャだ。
アイシャが構える。
伴奏が始まる。
「1、2の3、はい」
歌はアヴィーコ王国を賛える歌。
そして、ステファニーのソロのパートが来た。
と、その時。
ジェラールと目が合ってしまったのだ。
ステファニーは一瞬胸が高鳴るのを感じた。
ジェラールは目を逸らそうとしない。
王太子殿下にお答えしたい。
ただ、その思いだけだった。
歌が終わる。
再び万雷の拍手が鳴り響いた。
歌いきった。
達成感で満たされていた。
歌を歌い終わったが、それでもジェラールはステファニーの事を見ていた。
(なぜ、王太子殿下はずっとわたくしの事を見続けているのだろう?)
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