【完結】義理の妹のために婚約破棄になりましたが、なぜか王太子に愛されました。

hikari

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王宮へ

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ステファニーは王宮へ行く事になった。

王宮にはジェラールがいた。


「ようこそ。ステファニー・アルバラードさん」


ジェラールは手を差し出した。

ステファニーも手を差し出した。


「では、応接間へ来て下さい」

ステファニーはジェラールについて行った。

広い宮殿の中。

ジェラールから離れてしまったら、迷子になってしまう。


ジェラールにぴたりとくっつき、歩く。


足音が辺りに響き渡る。

廊下には彫刻が並べられている。


「ここだよ」

ジェラールは部屋のドアを抑えた。

「失礼します」

ステファニーは応接間の中へ入った。


「今日は僕と二人きりさ」

ジェラールは笑ってみせた。


「王太子殿下。お招き頂いてありがとうございます」

「こちらこそ、お忙しい中来てくれてありがとう」

ジェラールの穏やかなバリトンの声に癒やされる。


「手紙には驚きました。わたくしの歌に感動された……とか」

「そうだよ。きみの歌声に惚れたんだ。歌が上手いね」

「わたくし、歌しか取り柄ないんです。八重歯があって歯並びガタガタですし、それに、たらこ唇ですし」

「そこが気に入ったんだよ。歯並び悪いだなんて、僕としては八重歯は可愛いよ。それに、厚い唇はセクシーで好きだ」

「そうなんですか」

「うん、そうだよ」


この唇が良いだなんて言ってくれたのはジェラールが初めて。

ハンスからはからかわれていた。


「きみはハンスと婚約破棄したんだよね?」

「はい、そうですが」


ハンスとステファニーが婚約していたのは国中の王侯貴族が知っていた。

「ハンスはきみの妹、ジュリエットと結婚したね。でも、そのジュリエットも婚約者がいたみたいじゃないか」

「そうです。ジュリエットはアトラス伯爵の令息、チャーリーと婚約していました」

「酷い話だね。ジュリエットはきみだけでなく、チャーリーの事も裏切ったのだから」

本当にそう思う。

「チャーリーも気の毒です」

「そうだよね。でも、安心して。チャーリーは新たに男爵令嬢と婚約したみたいだから」


ステファニーが市井に出てからというもの、アヴィーコ王国の王侯貴族の話は全くわからなくなっていた。


「良かったですわ。チャーリー」

「きみにも新しい婚約相手が必要みたいだね」


(もう結婚なんてウンザリ。このまま一生独身でも悔いないわ)

「そう……ですか? でも、わたくしは独身でも十分過ぎるほどしあわせですので……その……婚約者なんていなくても間に合っていますので」

「そんな事言わないで!!」

ピシャリと言われた。

「失礼しました。王太子殿下がお望みなら、わたくしはどなたでもお見合い致しますわ」

笑顔を繕った。

「きみの新しい婚約者。それはね……僕……じゃ駄目かな?」
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