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婚約の後始末
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よく晴れた初秋の空。
太陽がぽっかり青空に浮かんでいる。
暑い。
ヴァレンティーナは友人のアナスタシアと共に買い物に行くことになっている。
アナスタシアは海神の子孫で公爵令嬢。
海神の子孫なので、一応水魔法が使え、リヴァイアサンを召喚できる。
太陽神の子孫でジムリード王国の第二王子、コンスタンチン王子と婚約している。
そして……。婚約の総精算をすべく、ジョージからの贈答品を全て処分するつもりで来た。
そこへ、水色の髪をポニーテールし、水色の髪、尖った鼻、えくぼのある女性が現れた。
彼女こそが友人のアナスタシア・ブルームだ。
えくぼは彼女のチャームポイント。
「お待たせ! ヴァレンティーナ」
「うん、行こう!!」
「でね、アナスタシア」
「どうしたの?」
アナスタシアはジョージと婚約破棄になったことを知らない。
どの道、この大荷物。
婚約指輪とそしてもらったバッグや宝石を売りにきたのだ。
すぐに何が目的か発覚してしまうに決まっている。
この際、カミングアウトすることにした。
「実は……。この大荷物を見て分かる通り……」
「何かあったの?」
「うん。ジョージ様と婚約破棄してしまったの」
「え~~~~~~~~~~!? あんなに仲睦まじかったのに。模範的なカップルだったのに。どうして?」
「ジョージ様、エカテリーナ・ソルトと新たに婚約したみたいなの。わたくしの事はもう好きではないって。ハッキリと言われちゃった」
努めて笑顔を繕った。
「そうだったの? それは辛かったね」
「でもね。わたくし、それで良いと思ったの。だってほら、『塞翁が馬』って言葉があるじゃない? 先人が遺した御金言。わたくしはあると思っているの」
「確かに『塞翁が馬』という御金言はあるけれど……」
「それにね。あの二人の傍若無人な振る舞いは神様が見逃すはずが無いと思っているの」
「うんうん。きっと天罰がくだるわよね」
「その通り!」
と、そこでよろずやを発見した。
「わたくし、中に入るわね」
「うん」
「ごめんください」
「あいよ!」
中から店主と思われる白い髭を蓄えた老人が現れた。
「あの……これらを売却したいのですが」
ヴァレンティーナは物を店主に手渡した。
店主は品定めをした。
「これはお目が高い! どこで入手したのかな?」
「元婚約者からの贈り物です」
「そうか。思い出の品なんだな」
「はい」
「では、全部で17万ソトで買い取ろう」
「ありがとうございます」
思ったより安く買い叩かれたが、値がつかないよりはマシだと思った。
「売ってきたよ」
「良かったわね」
「うん」
充実した一日を過ごせた気がする。
太陽がぽっかり青空に浮かんでいる。
暑い。
ヴァレンティーナは友人のアナスタシアと共に買い物に行くことになっている。
アナスタシアは海神の子孫で公爵令嬢。
海神の子孫なので、一応水魔法が使え、リヴァイアサンを召喚できる。
太陽神の子孫でジムリード王国の第二王子、コンスタンチン王子と婚約している。
そして……。婚約の総精算をすべく、ジョージからの贈答品を全て処分するつもりで来た。
そこへ、水色の髪をポニーテールし、水色の髪、尖った鼻、えくぼのある女性が現れた。
彼女こそが友人のアナスタシア・ブルームだ。
えくぼは彼女のチャームポイント。
「お待たせ! ヴァレンティーナ」
「うん、行こう!!」
「でね、アナスタシア」
「どうしたの?」
アナスタシアはジョージと婚約破棄になったことを知らない。
どの道、この大荷物。
婚約指輪とそしてもらったバッグや宝石を売りにきたのだ。
すぐに何が目的か発覚してしまうに決まっている。
この際、カミングアウトすることにした。
「実は……。この大荷物を見て分かる通り……」
「何かあったの?」
「うん。ジョージ様と婚約破棄してしまったの」
「え~~~~~~~~~~!? あんなに仲睦まじかったのに。模範的なカップルだったのに。どうして?」
「ジョージ様、エカテリーナ・ソルトと新たに婚約したみたいなの。わたくしの事はもう好きではないって。ハッキリと言われちゃった」
努めて笑顔を繕った。
「そうだったの? それは辛かったね」
「でもね。わたくし、それで良いと思ったの。だってほら、『塞翁が馬』って言葉があるじゃない? 先人が遺した御金言。わたくしはあると思っているの」
「確かに『塞翁が馬』という御金言はあるけれど……」
「それにね。あの二人の傍若無人な振る舞いは神様が見逃すはずが無いと思っているの」
「うんうん。きっと天罰がくだるわよね」
「その通り!」
と、そこでよろずやを発見した。
「わたくし、中に入るわね」
「うん」
「ごめんください」
「あいよ!」
中から店主と思われる白い髭を蓄えた老人が現れた。
「あの……これらを売却したいのですが」
ヴァレンティーナは物を店主に手渡した。
店主は品定めをした。
「これはお目が高い! どこで入手したのかな?」
「元婚約者からの贈り物です」
「そうか。思い出の品なんだな」
「はい」
「では、全部で17万ソトで買い取ろう」
「ありがとうございます」
思ったより安く買い叩かれたが、値がつかないよりはマシだと思った。
「売ってきたよ」
「良かったわね」
「うん」
充実した一日を過ごせた気がする。
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