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回想、そして再会
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あなたがアメジストを離れていた頃だから、もう何年前だったかしら?今のヴィーナス……まだ敵の組織にいた頃の彼女に、命を狙われて逃げていたのよね?その時のあなたは、ミヤさんとの挙式の直後で、彼女のお腹にはアスカちゃんがいた。
ミヤさんの妊娠が分かってから、半年ぐらいが経った辺りかしら。『新世界叙列章』のリメイク版の製作が始まった。主要なキャラクターの顔や声は、実在の有名人が務めることになってね。その時、騎士団長サノアの役を引き受けたのが、当時モデルとして売り出し中のアデレード。彼女は医薬品や化粧品、アパレルの広告なんかに出ていて、『新進気鋭の美女』とかって持て囃されていた。確かに、綺麗な人よね。ちょっと影のある感じが特に……
社長と出会ったのは、あの人が急に、製作の現場に行きたいって言い出したからなの。やっぱりあのゲームは、オメガが大きくなるきっかけになった作品だし、思い入れがあったのかも知れないわね。それで、急遽視察ってことで話をまとめて、スタジオに向かった。当然、アデレードもそこにいたわ。でもその時は、お互いに挨拶を交わす程度で、別段親しくしている様子はなかったの。だけど社長は既に、彼女に惹かれ始めていたみたい。気が付いたら、二人は個人的に連絡を取り合うようになっていたのよ。社長曰く、休日にばったり会ったことがあって、そこから仲良くなったって話だけど。何て言うかもう、ベタ惚れって感じだったわ。周りが何をしようと、彼女しか見えてない風だった。デートの前はいっつもソワソワしちゃってさ。服装はこれでいいかとか、髪は乱れてないかとか、しつこく聞かれて仕事にならなかった。でもまだその時は、反対の気持ちもなかった。二人ともあの見た目だし、一緒にいたらまるで芸術品みたいで、お似合いだと思ったわね。その時は。
間もなく、出演者たちの仕事が終わって、内輪の飲み会というか、クランクアップを祝う集まりが開かれることになった。私が二人の交際を打ち明けられたのは、その時だったわ。他の社員には内密にって約束で、こっそり教えてもらったの。近々婚約の申込みをする予定だから、成功したら皆にも報告するつもりだって、社長は言ってたわ。私はもちろん、祝福した。だけど……同時に、不安になってもいたのよ。だって、二人の噂は密かに流れ始めていたし、何よりアデレードは、社長が思っているよりかなり悪評のある人物だったから。他の男とホテル街に消えていくのを見たとか、枕営業しているだとか、ネットだけじゃなくて社員たちの間でも陰口が広まっていた。それに、社長は散々彼女にプレゼントを送っていたにも関わらず、アデレードは一度も身に付けてこなかった。サプライズならまだしも、二人で一緒に店に行って、買った物もあるのによ?おかしいでしょう?自分の欲しい物じゃなくて、初めから高く売れる物だけを狙っていたみたい……なんて、こんなの私の憶測だけどね。証拠のない、邪推に過ぎないわ。でも、心配は尽きなかった。だって、せっかく人気の作品をリメイクして売り出すのに、社長とのことがきっかけで中傷が激化したら、ケチがつくどころの騒ぎじゃないもの。社長はきっと傷付くだろうって、想像しただけで気分が滅入った。
だけど社長は、そんなこと一向に気にしなかったわ。いつもアデレードの味方で、彼女を信じ続けた。それなのに彼女は、婚約を申し込まれたその日に、アメジストから姿を消したのよ。社長がオーダーメイドで作らせた、ブルーダイヤモンドのあしらわれた指輪を持ってね。
* * *
以降は、ムーンも聞いたことのある話がさらりと述べられただけだった。突如蒸発したアデレードの行方を、レジーナがずっと追いかけてきたこと。そして、久方ぶりに発見した彼女は、セイガという危険な男と共に行動していたこと。
「彼女はまたアメジストに戻ってきた。恐らく、セイガの手掛ける麻薬ビジネスを手伝うのが仕事。もう一つ言うならば、彼女はかつてと同じ“アデレード”の名前を、僕の娘に向けて名乗っている……要するに、僕らが知っている情報は、これくらいってことかい?」
「そうね」
ムーンの問いに、レジーナは軽く首を縦に振って頷く。彼女のあまりにもあっさりした対応に、彼は思わず呆気に取られ疑い深く確認した。
「……これだけ?」
「だから言ったでしょう!社長の過去なんか探っても、プライバシーを侵害するだけだって。得られるものなんか、何もないわよ」
レジーナは金切り声で憤慨を表すと、座席の背もたれに体重を預け、胸の前で腕を組む。
「ふむ……そうか。それは意外だな」
テーブルを見つめて頬杖をつきながら、ムーンは落胆を隠せない声で呟いた。結構な時間と労力を費やして耳を傾けたにも関わらず、主な収穫と言えば、ガイアモンドの子供じみた恋愛模様だけ。これでは流石の彼であっても、消沈するのも無理はない。
「彼女は何者なのか。セイガの狙いは何なのか。二人は何故、アメジストに現れたのか……」
「二人はいつから関係しているのかについても、調べた方がいい」
しかし、落ち込む彼には気を配らず、レジーナは指を折って疑問点を数える。その声を聞いたムーンは、ふと顔を上げて淡々とした口調で補足した。
「場合によっては、奴らは何年も前から、時間をかけて用意してきたのかも知れないからね」
「アデレードは初めから、社長を騙すつもりだったってことね……」
何気なく応じるレジーナだったが、己が口にした言葉の重みを自覚すると、やるせない気持ちに苛まれる。もしも二人の仮説が真実であり、そのことをガイアモンドが知ったとしたら、彼はどれほどショックを受けるだろうか。ただでさえ彼はここのところ、会社と街のため、いつも以上に努力していた。理由はセイガを警戒し、アデレードを思い遣っていたからに他ならない。だが、実際はそれこそが彼女の策略であったとしたら。彼が被るだろう痛みの程を、レジーナには想像することも出来なかった。
「う~ん……まだまだ、情報が足りないね」
一方、正面の席に座るムーンは、顎をさすって呑気に独り言なんかをこぼしていた。感情と理性とを完璧に切り離した彼を、レジーナは羨み半分妬み半分で見遣る。彼の背後では、サラリーマン風の格好をした男女と、気弱そうな学生が向かい合ってテーブルを囲んでいた。紹介サービス、中間マージンといった怪しげな単語が、BGMに混じって切れ切れに聞こえてくる。
「誰か、彼らの事情に詳しい人物がいるといいんだが……それよりレジーナ、今回の件、ガイアにはどこまで」
ムーンは未だ何やら喋っているが、もはやレジーナは微塵も注意を払っていなかった。彼女の意識は、学生と男女のグループに完全に集中している。萎縮した様子の学生の前で、男がすらすらと長広舌を振るっていた。
「だからな、兄ちゃん。商売ったって、何も難しいもんじゃないんだから。特別なスキルや、資格なんか何も要らねぇ。ましてや面接だとか履歴書だとか、七面倒臭い就活ってやつの手間を、全部すっ飛ばして金を稼げる。最高だろ?だから試しにこの壺、十個買って親戚や友人に売ってみてくれよ」
レジーナの視線から、全てを察したのだろう。ムーンはわずかに身を捻り、後ろの席に座っている男を一瞥する。いかにも胡散臭げな文句を並べ立てている彼だが、その耳たぶには見覚えのある金のピアスが光っていた。
「まーまー、最初は少しばかり高くつくが、この仕事は絶対に儲かんだから。他の投資と比べりゃ、安い出費だろ?ってことで、この契約書にサインを」
砕けた調子の中低音で、捲し立てる男。相対する学生は、彼の弁舌と有無を言わせぬ空気に圧倒され、早速理性のほとんどを奪われかけていた。そして、震える手で男の差し出す書面にサインをしようとする。その時だった。
ムーンは突然立ち上がると、セルフサービスの水を一杯汲み取り、ピアスの男の真上でグラスを真逆に傾けた。当然、重力に従って流れ落ちた水は男に降りかかり、頭から肩、背中までをぐっしょりと濡らす。いきなりの蛮行にレジーナは声もなく固まり、連れの女や鴨にされていた学生も、息を飲んで瞠目していた。水浸しにされた男は、ポタポタと雫を滴らせながら、ゆっくりとした手付きで顔を拭う。それからもったいぶった動作で立ち上がり、無礼を働いた闖入者の方をギロリと睨み付けた。
「何すんだテメェ……っえ」
ドスの効いた脅しは、振り向いた先にいた人物を認めた途端、尻すぼみになって消える。粗野ではあるがどこか気安さを感じさせる金の瞳が、パチリと数度瞬かれた。呆気に取られて絶句する彼の前で、ムーンは片手を挙げ平然と彼に言葉をかけた。
「久しぶりだね、グシオン」
ミヤさんの妊娠が分かってから、半年ぐらいが経った辺りかしら。『新世界叙列章』のリメイク版の製作が始まった。主要なキャラクターの顔や声は、実在の有名人が務めることになってね。その時、騎士団長サノアの役を引き受けたのが、当時モデルとして売り出し中のアデレード。彼女は医薬品や化粧品、アパレルの広告なんかに出ていて、『新進気鋭の美女』とかって持て囃されていた。確かに、綺麗な人よね。ちょっと影のある感じが特に……
社長と出会ったのは、あの人が急に、製作の現場に行きたいって言い出したからなの。やっぱりあのゲームは、オメガが大きくなるきっかけになった作品だし、思い入れがあったのかも知れないわね。それで、急遽視察ってことで話をまとめて、スタジオに向かった。当然、アデレードもそこにいたわ。でもその時は、お互いに挨拶を交わす程度で、別段親しくしている様子はなかったの。だけど社長は既に、彼女に惹かれ始めていたみたい。気が付いたら、二人は個人的に連絡を取り合うようになっていたのよ。社長曰く、休日にばったり会ったことがあって、そこから仲良くなったって話だけど。何て言うかもう、ベタ惚れって感じだったわ。周りが何をしようと、彼女しか見えてない風だった。デートの前はいっつもソワソワしちゃってさ。服装はこれでいいかとか、髪は乱れてないかとか、しつこく聞かれて仕事にならなかった。でもまだその時は、反対の気持ちもなかった。二人ともあの見た目だし、一緒にいたらまるで芸術品みたいで、お似合いだと思ったわね。その時は。
間もなく、出演者たちの仕事が終わって、内輪の飲み会というか、クランクアップを祝う集まりが開かれることになった。私が二人の交際を打ち明けられたのは、その時だったわ。他の社員には内密にって約束で、こっそり教えてもらったの。近々婚約の申込みをする予定だから、成功したら皆にも報告するつもりだって、社長は言ってたわ。私はもちろん、祝福した。だけど……同時に、不安になってもいたのよ。だって、二人の噂は密かに流れ始めていたし、何よりアデレードは、社長が思っているよりかなり悪評のある人物だったから。他の男とホテル街に消えていくのを見たとか、枕営業しているだとか、ネットだけじゃなくて社員たちの間でも陰口が広まっていた。それに、社長は散々彼女にプレゼントを送っていたにも関わらず、アデレードは一度も身に付けてこなかった。サプライズならまだしも、二人で一緒に店に行って、買った物もあるのによ?おかしいでしょう?自分の欲しい物じゃなくて、初めから高く売れる物だけを狙っていたみたい……なんて、こんなの私の憶測だけどね。証拠のない、邪推に過ぎないわ。でも、心配は尽きなかった。だって、せっかく人気の作品をリメイクして売り出すのに、社長とのことがきっかけで中傷が激化したら、ケチがつくどころの騒ぎじゃないもの。社長はきっと傷付くだろうって、想像しただけで気分が滅入った。
だけど社長は、そんなこと一向に気にしなかったわ。いつもアデレードの味方で、彼女を信じ続けた。それなのに彼女は、婚約を申し込まれたその日に、アメジストから姿を消したのよ。社長がオーダーメイドで作らせた、ブルーダイヤモンドのあしらわれた指輪を持ってね。
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以降は、ムーンも聞いたことのある話がさらりと述べられただけだった。突如蒸発したアデレードの行方を、レジーナがずっと追いかけてきたこと。そして、久方ぶりに発見した彼女は、セイガという危険な男と共に行動していたこと。
「彼女はまたアメジストに戻ってきた。恐らく、セイガの手掛ける麻薬ビジネスを手伝うのが仕事。もう一つ言うならば、彼女はかつてと同じ“アデレード”の名前を、僕の娘に向けて名乗っている……要するに、僕らが知っている情報は、これくらいってことかい?」
「そうね」
ムーンの問いに、レジーナは軽く首を縦に振って頷く。彼女のあまりにもあっさりした対応に、彼は思わず呆気に取られ疑い深く確認した。
「……これだけ?」
「だから言ったでしょう!社長の過去なんか探っても、プライバシーを侵害するだけだって。得られるものなんか、何もないわよ」
レジーナは金切り声で憤慨を表すと、座席の背もたれに体重を預け、胸の前で腕を組む。
「ふむ……そうか。それは意外だな」
テーブルを見つめて頬杖をつきながら、ムーンは落胆を隠せない声で呟いた。結構な時間と労力を費やして耳を傾けたにも関わらず、主な収穫と言えば、ガイアモンドの子供じみた恋愛模様だけ。これでは流石の彼であっても、消沈するのも無理はない。
「彼女は何者なのか。セイガの狙いは何なのか。二人は何故、アメジストに現れたのか……」
「二人はいつから関係しているのかについても、調べた方がいい」
しかし、落ち込む彼には気を配らず、レジーナは指を折って疑問点を数える。その声を聞いたムーンは、ふと顔を上げて淡々とした口調で補足した。
「場合によっては、奴らは何年も前から、時間をかけて用意してきたのかも知れないからね」
「アデレードは初めから、社長を騙すつもりだったってことね……」
何気なく応じるレジーナだったが、己が口にした言葉の重みを自覚すると、やるせない気持ちに苛まれる。もしも二人の仮説が真実であり、そのことをガイアモンドが知ったとしたら、彼はどれほどショックを受けるだろうか。ただでさえ彼はここのところ、会社と街のため、いつも以上に努力していた。理由はセイガを警戒し、アデレードを思い遣っていたからに他ならない。だが、実際はそれこそが彼女の策略であったとしたら。彼が被るだろう痛みの程を、レジーナには想像することも出来なかった。
「う~ん……まだまだ、情報が足りないね」
一方、正面の席に座るムーンは、顎をさすって呑気に独り言なんかをこぼしていた。感情と理性とを完璧に切り離した彼を、レジーナは羨み半分妬み半分で見遣る。彼の背後では、サラリーマン風の格好をした男女と、気弱そうな学生が向かい合ってテーブルを囲んでいた。紹介サービス、中間マージンといった怪しげな単語が、BGMに混じって切れ切れに聞こえてくる。
「誰か、彼らの事情に詳しい人物がいるといいんだが……それよりレジーナ、今回の件、ガイアにはどこまで」
ムーンは未だ何やら喋っているが、もはやレジーナは微塵も注意を払っていなかった。彼女の意識は、学生と男女のグループに完全に集中している。萎縮した様子の学生の前で、男がすらすらと長広舌を振るっていた。
「だからな、兄ちゃん。商売ったって、何も難しいもんじゃないんだから。特別なスキルや、資格なんか何も要らねぇ。ましてや面接だとか履歴書だとか、七面倒臭い就活ってやつの手間を、全部すっ飛ばして金を稼げる。最高だろ?だから試しにこの壺、十個買って親戚や友人に売ってみてくれよ」
レジーナの視線から、全てを察したのだろう。ムーンはわずかに身を捻り、後ろの席に座っている男を一瞥する。いかにも胡散臭げな文句を並べ立てている彼だが、その耳たぶには見覚えのある金のピアスが光っていた。
「まーまー、最初は少しばかり高くつくが、この仕事は絶対に儲かんだから。他の投資と比べりゃ、安い出費だろ?ってことで、この契約書にサインを」
砕けた調子の中低音で、捲し立てる男。相対する学生は、彼の弁舌と有無を言わせぬ空気に圧倒され、早速理性のほとんどを奪われかけていた。そして、震える手で男の差し出す書面にサインをしようとする。その時だった。
ムーンは突然立ち上がると、セルフサービスの水を一杯汲み取り、ピアスの男の真上でグラスを真逆に傾けた。当然、重力に従って流れ落ちた水は男に降りかかり、頭から肩、背中までをぐっしょりと濡らす。いきなりの蛮行にレジーナは声もなく固まり、連れの女や鴨にされていた学生も、息を飲んで瞠目していた。水浸しにされた男は、ポタポタと雫を滴らせながら、ゆっくりとした手付きで顔を拭う。それからもったいぶった動作で立ち上がり、無礼を働いた闖入者の方をギロリと睨み付けた。
「何すんだテメェ……っえ」
ドスの効いた脅しは、振り向いた先にいた人物を認めた途端、尻すぼみになって消える。粗野ではあるがどこか気安さを感じさせる金の瞳が、パチリと数度瞬かれた。呆気に取られて絶句する彼の前で、ムーンは片手を挙げ平然と彼に言葉をかけた。
「久しぶりだね、グシオン」
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