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土地神の集い
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深夜。
富士川の古戦場跡。
ここはかつて、源氏と平家の戦が行われ、水鳥の羽音に驚いた平家の軍勢が逃げ出して総崩れとなり、源氏の兵にことごとく首を討たれたという血生臭い伝説が残る場所でもあった。
川のほとりに、古びた、しかし由緒正しい雰囲気を持ったお堂がある。
そのお堂の周りには、おどろおどろしい空気が漂っていた。
何故ならば、この夜、お堂には、この辺りの土地神が集まっていたからだ。
お堂の主である、この界隈の土地神の長老、古木の精を筆頭に、十体ほどの土地神がやって来ている。
牛の精。
鳥の精。
山の精。
器物の精。
川の精など、みんないかつくて、怖い。
しかも、難しい顔をしている。
そこに、のんきな様子で、小さなブチがやって来た。
牛の精が太い声で怒鳴る。
「遅いぞ、小僧!」
「わしはいろいろと忙しいんじゃ」
牛の精は大声で笑った。
「ははは、小僧が、偉そうに」
富士川の古戦場跡。
ここはかつて、源氏と平家の戦が行われ、水鳥の羽音に驚いた平家の軍勢が逃げ出して総崩れとなり、源氏の兵にことごとく首を討たれたという血生臭い伝説が残る場所でもあった。
川のほとりに、古びた、しかし由緒正しい雰囲気を持ったお堂がある。
そのお堂の周りには、おどろおどろしい空気が漂っていた。
何故ならば、この夜、お堂には、この辺りの土地神が集まっていたからだ。
お堂の主である、この界隈の土地神の長老、古木の精を筆頭に、十体ほどの土地神がやって来ている。
牛の精。
鳥の精。
山の精。
器物の精。
川の精など、みんないかつくて、怖い。
しかも、難しい顔をしている。
そこに、のんきな様子で、小さなブチがやって来た。
牛の精が太い声で怒鳴る。
「遅いぞ、小僧!」
「わしはいろいろと忙しいんじゃ」
牛の精は大声で笑った。
「ははは、小僧が、偉そうに」
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