95 / 186
95. 憂鬱②
しおりを挟む
ブランクはキッとルカの顔を睨みつけた。
「あの……!そちらの女性は……!?」
女性も睨みつけるが、色っぽい笑みで見つめ返されると慌てて目を逸らした。
「こちらの女性かい?先日落馬事故で亡くなった伯爵がいただろう?彼女はその方の奥方だよ」
未亡人ーーーブランクは固まる。ルカは婚約破棄の後、たくさんの女性たちと交流を始めた。交際ではなく、あくまで交流だが……なかなか派手に遊び回っている。
王妃も良い顔はしていないが、婚約者がいるわけでも恋人がいるわけでもない。誰かと二人で過ごすわけでもないから自分が恋人だと勘違いする令嬢もいない。それに何よりルカ自身が適齢期ということもあり、婚約者探しの一貫として渋々許容されている。
だが、ブランクからすると納得がいかない。愛しい愛しいルビーの婚約者だったくせに、破棄になった途端色々な女性と遊ぶなど彼からしたらルビーへの裏切り行為としか思えない。
自分は未だにルビーのことを考えているのに、新たな思う相手などいないのに。あんなに優しく、人に思いやりを持っている女性なんていない。なぜ他の女性に目を向けるのか。ルビーを取り戻せるように何か動けば良いのに……。今彼女は修道院で泣き暮らしているに違いない。
何も動かぬ上に新しい婚約者探しを早々に始め、女性遊びが激しくなったルカに前に一度文句を言ったこともある。
だが、
次の婚約者を探すことがなんで悪いんだい?もう僕は適齢期だし、年齢が近い者は婚約や結婚をしている人が多いんだよ?少しでも早く動かないといけないだろう?それに別に誰とも二人きりで過ごしたことも、触れ合ったことも、まして一線を越えたこともないんだから問題ないでしょ?そもそも婚約者も恋人もいないんだから、色んな場所に出会いを求めに行って何が悪いんだい?
と言われた。
「……ルカ兄上、今日は女性と二人っきりなんですね。その方が新しい婚約者になるのですか?」
「うん?違うよ」
「まあ……」
何が違うよ、だ。二人っきりで腕を絡めて歩いてるじゃないか。女性の方も嬉しそうにしているじゃないか。自分には散々不貞がいけないみたいな言動をしておいて……苛つきが募る。
「二人で過ごしているのに恋人ではないのですか?以前ルビーと二人でいたら恋人みたいだねと言われましたので。てっきり……」
ルカはブランクをじっと見る。昔から卑屈で傲慢な方ではあったが、ここまでではなかった。なぜここまで愚かに育ったのか。ブランクの人をなんとか貶めようとするいやらしい高慢な笑みに嫌悪が増す。
「二人っきり……って、僕の侍従も彼女の侍女もついているだろう?」
「彼らの存在などあってないようなものでしょう?」
「「………………」」
ルカと女性は顔を見合わす。ほら、何も無い男女が顔を見合わすなんておかしいだろう。
彼らが感じるのはブランクへの不快感だが、彼には伝わらない。
「彼女は母上の従姉妹だよ。ご主人の件で手続きにいらしてね。母上から送って差し上げろと言われてエスコート中なんだよ。僕みたいな小僧を相手にするような方じゃないんだから、失礼な発言は控えるんだ」
「あら……こんなオバサンと王子様になにかあるなど思って頂けるなんて光栄ですわ。帰って息子に自慢したく存じます」
大人の余裕を感じさせる女性。
「な…………」
こんなに親しげなのに無関係なわけが無い。なおも言い募ろうとするブランクをルカが遮る。
「自分で言うのも何だけど、最近はよく令嬢方と交流をしているよ」
「なんでそんなことができるんですか!?ルビーは……」
彼女はどうするのか?今きっと泣いているだろう彼女を思えばこんなことできないはず。
「ルビー嬢がどうかしたか?」
「どうかしたって……兄上がもっと父上に抗議していれば彼女はここにいたはずではないのですか!?」
「いやいや、愚かな行為をしたのはルビー嬢自身だろう?っていうかブランク、何を僕にいちゃもんつけてるんだい。自分で言うのも何だけど僕は確かに最近色んな女性と交流をしているよ。でも婚約者も恋人もいないのになぜ責められなければならないんだい?」
「でも、複数の女性と交流するなど不適切では……」
「不適切?」
その目が語る。お前が言うなと。そしてこれ以上相手はしたくないと。
「ルカ王子、この後約束がありまして……」
「ああ、すまないね。早く行こうか。ブランク、お前にはアリスという妻がいることを忘れるなよ」
そう言って足を動かし始めたルカ。
すれ違いざまに彼は囁く。
『誰も相手にしてくれないから、僕が羨ましいのかな?』
カッと顔が赤くなるブランクの姿に図星か……と笑みがこぼれる。
一人残されたブランクはブルブルと震えていた。
派手に遊んでいるくせに侍女たちからはルカ様素敵、とか言われているのだから納得がいかない。ルビーを一途に思う自分の方がよっぽど素敵だろうと思う。
アリスという妻?それがなんだ。
この心はルビーに捧げたのだ。
それならばアリスに目を向けることはルビーに対する不貞だ。
ブランクは気づかない。ルビー、ルビー……彼女に一筋だと言いつつ、他の女性たちに求められたいと考えている自分に。愛されたい、好かれたいと思っている自分に気づかない。
ブランクは自室に戻りウロウロと室内を歩き回る。
何もかもが気に入らない。
何か……何かないのか。
自分のこの憂鬱な気持ちを晴れさせるようなことはないのか!?自分が何に苛ついているのかも、鬱々とした気持ちも何かよくわからない。だが、このドロドロとした気持ちの悪いものをどうにかしたい。
ドンッと壁を殴る。
ドサッと本棚から落ちる一冊の本。
彼は痛めた拳を撫でながら本を拾う。
これは…………
彼の顔に薄っすらと笑みが浮かんだ。
「あの……!そちらの女性は……!?」
女性も睨みつけるが、色っぽい笑みで見つめ返されると慌てて目を逸らした。
「こちらの女性かい?先日落馬事故で亡くなった伯爵がいただろう?彼女はその方の奥方だよ」
未亡人ーーーブランクは固まる。ルカは婚約破棄の後、たくさんの女性たちと交流を始めた。交際ではなく、あくまで交流だが……なかなか派手に遊び回っている。
王妃も良い顔はしていないが、婚約者がいるわけでも恋人がいるわけでもない。誰かと二人で過ごすわけでもないから自分が恋人だと勘違いする令嬢もいない。それに何よりルカ自身が適齢期ということもあり、婚約者探しの一貫として渋々許容されている。
だが、ブランクからすると納得がいかない。愛しい愛しいルビーの婚約者だったくせに、破棄になった途端色々な女性と遊ぶなど彼からしたらルビーへの裏切り行為としか思えない。
自分は未だにルビーのことを考えているのに、新たな思う相手などいないのに。あんなに優しく、人に思いやりを持っている女性なんていない。なぜ他の女性に目を向けるのか。ルビーを取り戻せるように何か動けば良いのに……。今彼女は修道院で泣き暮らしているに違いない。
何も動かぬ上に新しい婚約者探しを早々に始め、女性遊びが激しくなったルカに前に一度文句を言ったこともある。
だが、
次の婚約者を探すことがなんで悪いんだい?もう僕は適齢期だし、年齢が近い者は婚約や結婚をしている人が多いんだよ?少しでも早く動かないといけないだろう?それに別に誰とも二人きりで過ごしたことも、触れ合ったことも、まして一線を越えたこともないんだから問題ないでしょ?そもそも婚約者も恋人もいないんだから、色んな場所に出会いを求めに行って何が悪いんだい?
と言われた。
「……ルカ兄上、今日は女性と二人っきりなんですね。その方が新しい婚約者になるのですか?」
「うん?違うよ」
「まあ……」
何が違うよ、だ。二人っきりで腕を絡めて歩いてるじゃないか。女性の方も嬉しそうにしているじゃないか。自分には散々不貞がいけないみたいな言動をしておいて……苛つきが募る。
「二人で過ごしているのに恋人ではないのですか?以前ルビーと二人でいたら恋人みたいだねと言われましたので。てっきり……」
ルカはブランクをじっと見る。昔から卑屈で傲慢な方ではあったが、ここまでではなかった。なぜここまで愚かに育ったのか。ブランクの人をなんとか貶めようとするいやらしい高慢な笑みに嫌悪が増す。
「二人っきり……って、僕の侍従も彼女の侍女もついているだろう?」
「彼らの存在などあってないようなものでしょう?」
「「………………」」
ルカと女性は顔を見合わす。ほら、何も無い男女が顔を見合わすなんておかしいだろう。
彼らが感じるのはブランクへの不快感だが、彼には伝わらない。
「彼女は母上の従姉妹だよ。ご主人の件で手続きにいらしてね。母上から送って差し上げろと言われてエスコート中なんだよ。僕みたいな小僧を相手にするような方じゃないんだから、失礼な発言は控えるんだ」
「あら……こんなオバサンと王子様になにかあるなど思って頂けるなんて光栄ですわ。帰って息子に自慢したく存じます」
大人の余裕を感じさせる女性。
「な…………」
こんなに親しげなのに無関係なわけが無い。なおも言い募ろうとするブランクをルカが遮る。
「自分で言うのも何だけど、最近はよく令嬢方と交流をしているよ」
「なんでそんなことができるんですか!?ルビーは……」
彼女はどうするのか?今きっと泣いているだろう彼女を思えばこんなことできないはず。
「ルビー嬢がどうかしたか?」
「どうかしたって……兄上がもっと父上に抗議していれば彼女はここにいたはずではないのですか!?」
「いやいや、愚かな行為をしたのはルビー嬢自身だろう?っていうかブランク、何を僕にいちゃもんつけてるんだい。自分で言うのも何だけど僕は確かに最近色んな女性と交流をしているよ。でも婚約者も恋人もいないのになぜ責められなければならないんだい?」
「でも、複数の女性と交流するなど不適切では……」
「不適切?」
その目が語る。お前が言うなと。そしてこれ以上相手はしたくないと。
「ルカ王子、この後約束がありまして……」
「ああ、すまないね。早く行こうか。ブランク、お前にはアリスという妻がいることを忘れるなよ」
そう言って足を動かし始めたルカ。
すれ違いざまに彼は囁く。
『誰も相手にしてくれないから、僕が羨ましいのかな?』
カッと顔が赤くなるブランクの姿に図星か……と笑みがこぼれる。
一人残されたブランクはブルブルと震えていた。
派手に遊んでいるくせに侍女たちからはルカ様素敵、とか言われているのだから納得がいかない。ルビーを一途に思う自分の方がよっぽど素敵だろうと思う。
アリスという妻?それがなんだ。
この心はルビーに捧げたのだ。
それならばアリスに目を向けることはルビーに対する不貞だ。
ブランクは気づかない。ルビー、ルビー……彼女に一筋だと言いつつ、他の女性たちに求められたいと考えている自分に。愛されたい、好かれたいと思っている自分に気づかない。
ブランクは自室に戻りウロウロと室内を歩き回る。
何もかもが気に入らない。
何か……何かないのか。
自分のこの憂鬱な気持ちを晴れさせるようなことはないのか!?自分が何に苛ついているのかも、鬱々とした気持ちも何かよくわからない。だが、このドロドロとした気持ちの悪いものをどうにかしたい。
ドンッと壁を殴る。
ドサッと本棚から落ちる一冊の本。
彼は痛めた拳を撫でながら本を拾う。
これは…………
彼の顔に薄っすらと笑みが浮かんだ。
583
あなたにおすすめの小説
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫」と笑った夫。~王宮から私が去ったあと「愛していた」と泣きついても、もう手遅れです~
水上
恋愛
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫だ」
夫である王太子はそう笑い、泣き真似が得意な見習い令嬢ばかりを優先した。
王太子妃セシリアは、怒り狂うこともなく、静かに心を閉ざす。
「左様でございますか」
彼女は夫への期待というノイズを遮断し、離縁の準備を始めた。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
「商売する女は不要」らしいです
たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリアナ・ヴァルトハイムは、第二王子の婚約者だった。しかし「女が商売に口を出すな」と婚約破棄され、新しい婚約者には何も言わない従順な令嬢が選ばれる。父にも見捨てられたエリアナは、自由商業都市アルトゥーラへ。
前世の経営コンサルタントの知識を武器に、商人として成り上がる。複式簿記、マーケティング、物流革命——次々と革新を起こし、わずか一年で大陸屈指の豪商に。
やがて王国は傾き、元婚約者たちが助けを求めて土下座してくるが、エリアナは冷たく突き放す。「もう関係ありません」と。
そして彼女が手に入れたのは、ビジネスでの成功だけではなかった。無愛想だが誠実な傭兵団長ディアンと出会ってーー。
あなたへの愛を捨てた日
柴田はつみ
恋愛
公爵夫人エステルは、冷徹な夫レオニスを心から愛していた。彼の好みを調べ、帰宅を待ちわび、献身的に尽くす毎日。
しかし、ある夜会の回廊で、エステルは残酷な真実を知る。
レオニスが、未亡人クラリスの手を取り囁いていたのだ。
「君のような(自立した)女性が、私の隣にいるべきだった」
エステルは悟る。自分の愛は彼にとって「重荷」であり、自分という人間は彼にとって「不足」だったのだと。その瞬間、彼女の中で何かが音を立てて砕け散る。
公爵令嬢は結婚式当日に死んだ
白雲八鈴
恋愛
今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。
「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」
突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。
婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。
そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。
その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……
生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。
婚約者とその番という女性に
『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』
そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。
*タグ注意
*不快であれば閉じてください。
婚約破棄は構いませんが、私が管理していたものは全て引き上げます 〜成金伯爵家令嬢は、もう都合のいい婚約者ではありません〜
藤原遊
ファンタジー
成金と揶揄される伯爵家の令嬢である私は、
名門だが実情はジリ貧な公爵家の令息と婚約していた。
公爵家の財政管理、契約、商会との折衝――
そのすべてを私が担っていたにもかかわらず、
彼は隣国の王女と結ばれることになったと言い出す。
「まあ素敵。では、私たちは円満に婚約解消ですね」
そう思っていたのに、返ってきたのは
「婚約破棄だ。君の不出来が原因だ」という言葉だった。
……はぁ?
有責で婚約破棄されるのなら、
私が“善意で管理していたもの”を引き上げるのは当然でしょう。
資金も、契約も、人脈も――すべて。
成金伯爵家令嬢は、
もう都合のいい婚約者ではありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる