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第6章
アニス、火山へ行く②
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港へ行くと、ちょうど船を出すところだった中年の漁師が、島まで乗せて行ってくれることになった。
船はフェリーやまっ白なボートなどではなく、コミューンでは見たこともない、煙突付きの古いタイプの漁船である。
十五分ほどで対岸の島に着くとはいえ、スリリングな乗船だ。ディーゼル臭のする黒煙に、ふたりは早々にマスクをつける。
「……レトロですね、リクドウさん。いつの時代の乗り物でしょう」
「素直にボロいって言えよ。島に着く前に海上で爆発するんじゃねーか、コレ」
ひそひそと移動手段を訝しむ声を知ってか知らずか、漁師は慣れた手つきでエンジンを始動する。
「兄ちゃん方、あげな灰だらけんとこ行きたいたあ、変わっとるねえ」
やはり、島にわたるのは、観測所の研究員か農家の人間くらいしかいないそうだ。
「何しに行くの? 若い子が興味を持つようなもん、何もないよ」
よほどめずらしいのか、運転しながらも興味深々に、操舵室から漁師はぐいぐいと訊いてくる。
「でえとね?」
「違ェーよ」
つまらなさそうに即答するツバキに、アニスの胸はなぜかちくりと痛んだ。
(……そうよね、わたしといっしょにいるのは、リクドウさんにとって仕事なんだもの。こんなところまでつきあってもらうのも、ほんとは迷惑なんだろうな)
もうひと月も行動をともにしていたので、目的を忘れそうになっていた。
アニスのDNA鑑定がすめば、どういう結果が出ようとそこでお別れなのだ。
「リクドウさんは、わたしが王女だったらいいと思いますか?」
「そりゃ、本物の王女を捜すのがおれの仕事だし……」
歯切れの悪いツバキに、アニスは黙ってうつむく。
やっぱり、仕事の一環なのかなと、アニスはツバキの様子を窺いながら訊いてみた。
「わたし、やっぱりお城に行かなきゃいけないんでしょうか」
「──全部、すんだらな」
操舵室のほうを向いたまま、ツバキはふり返りもせず答える。
「でも、わたしがもしも王女だったとしても……王さまはもういないんですよね?」
「王はいなくても、国という領地が手に入るだろ」
「わたし、領地なんていりません」
「馬鹿やろう! 権力なんて、そうそう簡単に手に入るもんじゃないんだぞ」
こぶしをにぎり思わず力説するツバキを、アニスは呆気に取られ見つめる。漁師も何事かと顔をのぞかせた。
「……あ、いや、すまん。なんか、せっかくのチャンスをもったいねェなって」
我に返ったツバキは一瞬間を置くとため息をつき、一息に吐露した。
「……おれんとこの実家、執行能力のない馬鹿親父のせいで領地手放しちまったからよ」
なんだか聞き覚えのある話だ。アニスはシスター・シキミから聞いた言葉を、思わず口走っていた。
「あ、没落貴族?」
「──うっ」
ツバキは、やや胸にダメージを負ったようだ。アニスはあわてて、ぶんぶんと手のひらをふり謝る。
「す、すみません! 以前ちょっと聞きかじっただけで」
「い、いや、はは、なニュースになったからな……」
『アケイシア伯リクドウ卿』。それがツバキの父だ。
伯爵の爵位を持ちながら、資金不足のため管理できなくなった城も土地も売り払い(ツバキ曰く、方々の女性に注ぎ込んだせいだという)、今では領地だったエリアの一角で、小さなオーベルジュを営んでいるらしい。
だがアケイシア地区は市民街からすれば郊外ではあるが、広々とした高原の別荘地だ。コミューンの中でも比較的降灰量が少なく、避暑地としても人気が高い。
「──すごい、お家柄だったんですね」
驚くアニスに、ツバキは操舵室に聞こえないよう船尾に移った。
「……すごかねーよ。おれなんて実際、どの女の子どもかもわかんねェらしいし、所詮ウチは没落貴族だし……」
「あの、ほんとすみません……」
どうやら地雷を踏んでしまったらしい。アニスは躊躇いながら訊いてみた。
「リクドウさんは、それで近衛連隊に入ったんですか?」
「ああ、軍人なら食いっぱぐれることねェしな。でもおれは親父とは違う。ここで功績を上げて、いつかリクドウ家を興し直すのが夢なんだ」
そう語るツバキのまなざしは、降灰の中でも輝いていた。
(──夢。リクドウさんもアオイも持っている)
自分にはまだない。だがこの仕事を達成したら、灰で曇った未来が少しだけ開けそうな気がする。
アニスは、ゴーグルをはめると下船を待った。
初めて緋ノ島にわたったふたりは、船着き場で眼前の火山を見上げたまま、立ち止まった。いつも湾越しに見えていた、けぶったシルエットとは違う雄大な姿に言葉を失くす。
漁師は夜にまた来ると言い、たも網を持って湾に出て行った。
かすかな硫黄臭と灰の匂いに、違う世界に来たような畏怖を感じる。コミューンやスクラップで見て来たざらざらとした砂粒ではない、ここに降る灰は雪のように幻想的だ。
土石流や溶岩流の跡を恐る恐る歩きながら、アニスは岩の間から顔を出す小花に目を見はった。
灰のせいで、草一つ生えない土壌だと思っていたのに。
(でもよく考えたら、ミニオレンジは育つんだ)
山頂へ続く道に、ビニールハウスの畑が段々と見える。ふたりはまず農家を訪ねてみることにした。
オレンジ農家の老人はふたりを見ると驚いたものの、快く家に招いてくれた。
老婦人がお茶と干物のお茶請けを出してくれる。
「幸せかどうかねえ。考えたこともないねえ」
唐突な質問に、ふたりとも戸惑っているようだ。
「ミニオレンジを、本土で作ろうとは思わなかったのですか?」
「ウチは先祖代々ここで畑を作ってるよ。ほかの地ではあまみが出ないのさ。この水はけのいい、軽石をふくんだ大地の緋ノ島でないとね」
灰の土壌に適した栽培があったこと、この辺境でなければならない理由があったことが、アニスにとっては衝撃だった。だが、暮らすとなるとまた話は別だ。
「降灰が生活に不便ではないですか? 大噴火の恐れもあるし」
実際、昔は島の災害危険区域予測図も公表されたこともあるという。
「災害が起きたときゃあ、そんときはそんとき。逃げるだけだよ」
笑って話す老人に、老婦人も微笑んでお茶を注ぎ足す。
「それに緋ノ島は災害だけじゃない、ちゃんと恵みもくれる神さまがいるのよ」
神の加護のないと言われてきた灰桜国のはずだが、老婦人はなおも続ける。
「不便は楽しむしかないわね。どのみち、灰は毎日放出されるんだし。ほら、このお湯呑み、灰でできてるの。この小魚も灰干しで作ったのよ」
アニスたちはびっくりして、湯呑みをしげしげと見返した。
どっしりとした大地の色の素朴な器。小魚も臭みがなく、ほくほくとおいしい。
驚くふたりの反応がおかしかったのか、老婦人は自分の手ぬぐいとエプロンを自慢げに広げた。銀色の模様が、かわいらしく並ぶおそろいのデザインだ。
「これも、火山灰。灰の染料で刷ったのよ」
「──つ、作り方を教えて下さい! 全部!」
取材を忘れてのめり込むアニスが想定内だったツバキは、あきらめて待つことにした。手持ち無沙汰なツバキに、老人が話しかけて来る。
「あんたたち、遊びに来たんじゃないんかね?」
「いやー、石けん作るために取材に来たんスよ」
ツバキが、肩をすくめてお茶をすする。意味がわからんと言われるかと思ったが、老人はよいしょと一度奥へ引っ込むと、何やら手にかかえるほどの壺を持って来た。
中を確認したツバキが、不思議そうに目を細める。
「これは、灰? いや違う……」
降灰よりも白く、さらさらと粒子は細かい。老人は中身を手に取ってツバキに見せた。
「これは、白砂だよ」
『白砂』とは、火山灰の堆積物であり、コミューンでも地層として諸所に見られる。
「わしらはこんなふうに使うのさ」
意図がつかめずにいるツバキを、老人は台所へ連れて行った。
「──アニス博士!」「リクドウさん!」
ふたりが同時に別室から飛び出して来る。紅潮した顔を興奮気味に見あわせ、お互い大きくうなずく。
「灰都へもどろう!」
「はい!」
ふたりは農家の老夫婦に深く礼を言うと、迎えのオンボロ船に飛び乗った。漁師が朗らかにツバキをからかう。
「兄ちゃん、来たときとは違って晴れ晴れした顔しとるねえ。でえとがうまく行ったとね」
「ああ、意義ある『でえと』だったぜ。感謝する!」
ツバキは額の包帯をシュッとはずし、風に流した。
船はフェリーやまっ白なボートなどではなく、コミューンでは見たこともない、煙突付きの古いタイプの漁船である。
十五分ほどで対岸の島に着くとはいえ、スリリングな乗船だ。ディーゼル臭のする黒煙に、ふたりは早々にマスクをつける。
「……レトロですね、リクドウさん。いつの時代の乗り物でしょう」
「素直にボロいって言えよ。島に着く前に海上で爆発するんじゃねーか、コレ」
ひそひそと移動手段を訝しむ声を知ってか知らずか、漁師は慣れた手つきでエンジンを始動する。
「兄ちゃん方、あげな灰だらけんとこ行きたいたあ、変わっとるねえ」
やはり、島にわたるのは、観測所の研究員か農家の人間くらいしかいないそうだ。
「何しに行くの? 若い子が興味を持つようなもん、何もないよ」
よほどめずらしいのか、運転しながらも興味深々に、操舵室から漁師はぐいぐいと訊いてくる。
「でえとね?」
「違ェーよ」
つまらなさそうに即答するツバキに、アニスの胸はなぜかちくりと痛んだ。
(……そうよね、わたしといっしょにいるのは、リクドウさんにとって仕事なんだもの。こんなところまでつきあってもらうのも、ほんとは迷惑なんだろうな)
もうひと月も行動をともにしていたので、目的を忘れそうになっていた。
アニスのDNA鑑定がすめば、どういう結果が出ようとそこでお別れなのだ。
「リクドウさんは、わたしが王女だったらいいと思いますか?」
「そりゃ、本物の王女を捜すのがおれの仕事だし……」
歯切れの悪いツバキに、アニスは黙ってうつむく。
やっぱり、仕事の一環なのかなと、アニスはツバキの様子を窺いながら訊いてみた。
「わたし、やっぱりお城に行かなきゃいけないんでしょうか」
「──全部、すんだらな」
操舵室のほうを向いたまま、ツバキはふり返りもせず答える。
「でも、わたしがもしも王女だったとしても……王さまはもういないんですよね?」
「王はいなくても、国という領地が手に入るだろ」
「わたし、領地なんていりません」
「馬鹿やろう! 権力なんて、そうそう簡単に手に入るもんじゃないんだぞ」
こぶしをにぎり思わず力説するツバキを、アニスは呆気に取られ見つめる。漁師も何事かと顔をのぞかせた。
「……あ、いや、すまん。なんか、せっかくのチャンスをもったいねェなって」
我に返ったツバキは一瞬間を置くとため息をつき、一息に吐露した。
「……おれんとこの実家、執行能力のない馬鹿親父のせいで領地手放しちまったからよ」
なんだか聞き覚えのある話だ。アニスはシスター・シキミから聞いた言葉を、思わず口走っていた。
「あ、没落貴族?」
「──うっ」
ツバキは、やや胸にダメージを負ったようだ。アニスはあわてて、ぶんぶんと手のひらをふり謝る。
「す、すみません! 以前ちょっと聞きかじっただけで」
「い、いや、はは、なニュースになったからな……」
『アケイシア伯リクドウ卿』。それがツバキの父だ。
伯爵の爵位を持ちながら、資金不足のため管理できなくなった城も土地も売り払い(ツバキ曰く、方々の女性に注ぎ込んだせいだという)、今では領地だったエリアの一角で、小さなオーベルジュを営んでいるらしい。
だがアケイシア地区は市民街からすれば郊外ではあるが、広々とした高原の別荘地だ。コミューンの中でも比較的降灰量が少なく、避暑地としても人気が高い。
「──すごい、お家柄だったんですね」
驚くアニスに、ツバキは操舵室に聞こえないよう船尾に移った。
「……すごかねーよ。おれなんて実際、どの女の子どもかもわかんねェらしいし、所詮ウチは没落貴族だし……」
「あの、ほんとすみません……」
どうやら地雷を踏んでしまったらしい。アニスは躊躇いながら訊いてみた。
「リクドウさんは、それで近衛連隊に入ったんですか?」
「ああ、軍人なら食いっぱぐれることねェしな。でもおれは親父とは違う。ここで功績を上げて、いつかリクドウ家を興し直すのが夢なんだ」
そう語るツバキのまなざしは、降灰の中でも輝いていた。
(──夢。リクドウさんもアオイも持っている)
自分にはまだない。だがこの仕事を達成したら、灰で曇った未来が少しだけ開けそうな気がする。
アニスは、ゴーグルをはめると下船を待った。
初めて緋ノ島にわたったふたりは、船着き場で眼前の火山を見上げたまま、立ち止まった。いつも湾越しに見えていた、けぶったシルエットとは違う雄大な姿に言葉を失くす。
漁師は夜にまた来ると言い、たも網を持って湾に出て行った。
かすかな硫黄臭と灰の匂いに、違う世界に来たような畏怖を感じる。コミューンやスクラップで見て来たざらざらとした砂粒ではない、ここに降る灰は雪のように幻想的だ。
土石流や溶岩流の跡を恐る恐る歩きながら、アニスは岩の間から顔を出す小花に目を見はった。
灰のせいで、草一つ生えない土壌だと思っていたのに。
(でもよく考えたら、ミニオレンジは育つんだ)
山頂へ続く道に、ビニールハウスの畑が段々と見える。ふたりはまず農家を訪ねてみることにした。
オレンジ農家の老人はふたりを見ると驚いたものの、快く家に招いてくれた。
老婦人がお茶と干物のお茶請けを出してくれる。
「幸せかどうかねえ。考えたこともないねえ」
唐突な質問に、ふたりとも戸惑っているようだ。
「ミニオレンジを、本土で作ろうとは思わなかったのですか?」
「ウチは先祖代々ここで畑を作ってるよ。ほかの地ではあまみが出ないのさ。この水はけのいい、軽石をふくんだ大地の緋ノ島でないとね」
灰の土壌に適した栽培があったこと、この辺境でなければならない理由があったことが、アニスにとっては衝撃だった。だが、暮らすとなるとまた話は別だ。
「降灰が生活に不便ではないですか? 大噴火の恐れもあるし」
実際、昔は島の災害危険区域予測図も公表されたこともあるという。
「災害が起きたときゃあ、そんときはそんとき。逃げるだけだよ」
笑って話す老人に、老婦人も微笑んでお茶を注ぎ足す。
「それに緋ノ島は災害だけじゃない、ちゃんと恵みもくれる神さまがいるのよ」
神の加護のないと言われてきた灰桜国のはずだが、老婦人はなおも続ける。
「不便は楽しむしかないわね。どのみち、灰は毎日放出されるんだし。ほら、このお湯呑み、灰でできてるの。この小魚も灰干しで作ったのよ」
アニスたちはびっくりして、湯呑みをしげしげと見返した。
どっしりとした大地の色の素朴な器。小魚も臭みがなく、ほくほくとおいしい。
驚くふたりの反応がおかしかったのか、老婦人は自分の手ぬぐいとエプロンを自慢げに広げた。銀色の模様が、かわいらしく並ぶおそろいのデザインだ。
「これも、火山灰。灰の染料で刷ったのよ」
「──つ、作り方を教えて下さい! 全部!」
取材を忘れてのめり込むアニスが想定内だったツバキは、あきらめて待つことにした。手持ち無沙汰なツバキに、老人が話しかけて来る。
「あんたたち、遊びに来たんじゃないんかね?」
「いやー、石けん作るために取材に来たんスよ」
ツバキが、肩をすくめてお茶をすする。意味がわからんと言われるかと思ったが、老人はよいしょと一度奥へ引っ込むと、何やら手にかかえるほどの壺を持って来た。
中を確認したツバキが、不思議そうに目を細める。
「これは、灰? いや違う……」
降灰よりも白く、さらさらと粒子は細かい。老人は中身を手に取ってツバキに見せた。
「これは、白砂だよ」
『白砂』とは、火山灰の堆積物であり、コミューンでも地層として諸所に見られる。
「わしらはこんなふうに使うのさ」
意図がつかめずにいるツバキを、老人は台所へ連れて行った。
「──アニス博士!」「リクドウさん!」
ふたりが同時に別室から飛び出して来る。紅潮した顔を興奮気味に見あわせ、お互い大きくうなずく。
「灰都へもどろう!」
「はい!」
ふたりは農家の老夫婦に深く礼を言うと、迎えのオンボロ船に飛び乗った。漁師が朗らかにツバキをからかう。
「兄ちゃん、来たときとは違って晴れ晴れした顔しとるねえ。でえとがうまく行ったとね」
「ああ、意義ある『でえと』だったぜ。感謝する!」
ツバキは額の包帯をシュッとはずし、風に流した。
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