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第1章
カミングアウト
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パンパカパーン!!
お祭り広場特設ステージでは、昨日中止になった向日葵姫の投票がこれから行われマース。
まさに、今!!
私はステージの裾でひとり震えてマース。
落ち着け私。
ちょっとキャラがおかしいわ。
ステージに出て、1人ずつ順番にスピーチをするんだけど…。
不味い、何もかも頭からきれいさっぱりきえてしまってる。あんなに考えてたのに。
今日もみんなで向日葵のドレスを着て、
ヘアセットとメイクもバッチリだ。
昨日、ドレスを汚したり、破いたりしなくて本当に良かった。
さて、いよいよスピーチが始まった。
トップバッターのロザリーさんは、さすがリーダー!それに商売人だけあってスピーチもかなり上手、マンドリル商会の宣伝までしっかりとしていた。
みんな、それぞれ、大人として認められる年齢になって、これからの豊富や、これまで育ててくれた家族に感謝を伝えたりしている。
若干1名、ベッタベタに甘えた口調で可愛さアピールしてる小動物系のアイシャさん…。うん、可愛いけどね。車椅子を押して後ろに立っているアイシャさんのお母さんが怖~い顔してた。
私の順番は1番最後デース。
もう心臓が口から出ちゃうってくらいにドキドキしてマース。
緊張しすぎて、倒れそうデース。
ふらふらっと体が揺れる。
ふいに、後ろから両肩をしっかりと掴まれた。
「イオンさん、ただいま戻りました。
大丈夫、リラックスして。」
耳許でリュートさんの声がする。
振り返ろうとした時に、
「最後は、この辺境伯領の天使!イオンさんです~。」
と、司会の人に呼ばれた。
「行っておいで。」
リュートさんはそう言うと私の背中をそっと押してくれた。
て、て、て、天使って。
右手右足、左手左足、
なにこの歩き方。
ステージの中央に立つ。
父さんと母さんのひゃっはー!が聞こえる。兄さんもカミュも手を降っている。
よし、大丈夫。
「こんにちは。イオンです。」
よっ!待ってましたー!
昨日はかっこ良かったぜー!!
可愛い~。ほんと、天使~。
辺境伯領の救世主~!
昨日はありがとな~。
あちこちから、声が飛び交う。
そして、まうちゃんとくるるがこっちに向かって飛んで来た。
「まう!」
「くるるっ。」
左右の肩に止まる。
そうだ、この子達を紹介しなきゃ。
「みなさんに紹介します。白い子はまうちゃん。赤い子はくるる。昨日は突然現れてみんなをビックリさせちゃったけれど、本当は大人しくて…2匹共とても良い子です。私の家族になりました。
実は私…伝説の剣エクス○リバーを受け継いだ勇者なんです。戦うことは、出来ればしたくはないと思ってました。でも、家族や周りの人みんなが平和に暮らせるなら、頑張ってみようかなって思ってます。」
シーンと静かになっちゃった。
芸人さんなら、1番怖いよね、この静けさ。いや、芸人じゃなくても怖い。
勇者だとみんなにばらしてしまった。
みんなの反応が…怖い。
どう思われるのかな、私。
ぎゅっと目を瞑った瞬間、
物凄い歓声が上がる。
知ってるよー!
この前黒いドラゴンやっつけてくれたんだってなー!
すごーい!カッコいいー!
「へ?」
キョロキョロと見回すと、みんな笑顔で拍手をしてくれてる。
えー、知ってたの?
知ってたのを知らなかったのは私だけ?
でも、なんだかとても嬉しい!!
「ありがとうございマース!」
そう言ってお辞儀をする。
会場の拍手はどんどん大きくなっていき、ひゃっはー!ひゃっはー!という声も聞こえてきた。
ステージから下がると…。
リュートさん…。
満面の笑みで拍手をしてくれていた。
「イオンさん…。良かったね。」
ありがとうございマース。
お祭り広場特設ステージでは、昨日中止になった向日葵姫の投票がこれから行われマース。
まさに、今!!
私はステージの裾でひとり震えてマース。
落ち着け私。
ちょっとキャラがおかしいわ。
ステージに出て、1人ずつ順番にスピーチをするんだけど…。
不味い、何もかも頭からきれいさっぱりきえてしまってる。あんなに考えてたのに。
今日もみんなで向日葵のドレスを着て、
ヘアセットとメイクもバッチリだ。
昨日、ドレスを汚したり、破いたりしなくて本当に良かった。
さて、いよいよスピーチが始まった。
トップバッターのロザリーさんは、さすがリーダー!それに商売人だけあってスピーチもかなり上手、マンドリル商会の宣伝までしっかりとしていた。
みんな、それぞれ、大人として認められる年齢になって、これからの豊富や、これまで育ててくれた家族に感謝を伝えたりしている。
若干1名、ベッタベタに甘えた口調で可愛さアピールしてる小動物系のアイシャさん…。うん、可愛いけどね。車椅子を押して後ろに立っているアイシャさんのお母さんが怖~い顔してた。
私の順番は1番最後デース。
もう心臓が口から出ちゃうってくらいにドキドキしてマース。
緊張しすぎて、倒れそうデース。
ふらふらっと体が揺れる。
ふいに、後ろから両肩をしっかりと掴まれた。
「イオンさん、ただいま戻りました。
大丈夫、リラックスして。」
耳許でリュートさんの声がする。
振り返ろうとした時に、
「最後は、この辺境伯領の天使!イオンさんです~。」
と、司会の人に呼ばれた。
「行っておいで。」
リュートさんはそう言うと私の背中をそっと押してくれた。
て、て、て、天使って。
右手右足、左手左足、
なにこの歩き方。
ステージの中央に立つ。
父さんと母さんのひゃっはー!が聞こえる。兄さんもカミュも手を降っている。
よし、大丈夫。
「こんにちは。イオンです。」
よっ!待ってましたー!
昨日はかっこ良かったぜー!!
可愛い~。ほんと、天使~。
辺境伯領の救世主~!
昨日はありがとな~。
あちこちから、声が飛び交う。
そして、まうちゃんとくるるがこっちに向かって飛んで来た。
「まう!」
「くるるっ。」
左右の肩に止まる。
そうだ、この子達を紹介しなきゃ。
「みなさんに紹介します。白い子はまうちゃん。赤い子はくるる。昨日は突然現れてみんなをビックリさせちゃったけれど、本当は大人しくて…2匹共とても良い子です。私の家族になりました。
実は私…伝説の剣エクス○リバーを受け継いだ勇者なんです。戦うことは、出来ればしたくはないと思ってました。でも、家族や周りの人みんなが平和に暮らせるなら、頑張ってみようかなって思ってます。」
シーンと静かになっちゃった。
芸人さんなら、1番怖いよね、この静けさ。いや、芸人じゃなくても怖い。
勇者だとみんなにばらしてしまった。
みんなの反応が…怖い。
どう思われるのかな、私。
ぎゅっと目を瞑った瞬間、
物凄い歓声が上がる。
知ってるよー!
この前黒いドラゴンやっつけてくれたんだってなー!
すごーい!カッコいいー!
「へ?」
キョロキョロと見回すと、みんな笑顔で拍手をしてくれてる。
えー、知ってたの?
知ってたのを知らなかったのは私だけ?
でも、なんだかとても嬉しい!!
「ありがとうございマース!」
そう言ってお辞儀をする。
会場の拍手はどんどん大きくなっていき、ひゃっはー!ひゃっはー!という声も聞こえてきた。
ステージから下がると…。
リュートさん…。
満面の笑みで拍手をしてくれていた。
「イオンさん…。良かったね。」
ありがとうございマース。
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