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その後のみにくいアヒルの子
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みにくいアヒルの子だったカッレは冬の終わりに、南から戻ってきたハクチョウたちと出会い、自分がアヒルではなくハクチョウだと気が付いた。
季節はすでに春になっており、そのハクチョウの群れにいるメスたちがカッレに熱い視線を送ってくる。というのも、一羽で冬を過ごしたカッレには、風変わりなそれでいてワイルドな雰囲気があるからだ。
カッレはその中でもとりわけ美しいオデッサと番うことにした。オデッサはその白くて長い首が本当に美しく、他のオスも彼女と番いたがった。カッレがハクチョウの求愛のダンスもうまく踊れなかったのにも関わらず、オデッサはカッレを選んだ。
「あんたのそのなんとも言えない変わったところが気に入ったわ」
オデッサは巣を作りながらうっとりしながら言った。
やがて、オデッサは卵を5つ産み、温め始めた。
カッレは言われるままにえさを運び、時にはオデッサに代わって卵を温めた。
もう一人ではないのだ、いじめられる心配がないのだと5つの卵の感触を腹に感じながら思った。
ある日5つの卵が孵った。殻を中からつついて破り、必死になって出てくる5羽のひなは、まだ濡れたままだった。5羽すべて、同じ見た目だった。カッレは自分がひなだった時を思い出した。
――おれは異質だった、あの中では。
もう会うこともないアヒルの兄弟たちを思い出した。
自分の子供たちが巣の外に出られるようになると、カッレとオデッサは子供たちを連れてあたりを散歩するようになった。
オデッサは子供たちを陸に上げないようにしていた。そのことで幾度もカッレはオデッサと口論した。
――おれが子供だった時は、陸に上がっていたんだ
カッレがそういうたびに、オデッサは何とも言えない顔をした。
――そんなの危険じゃないの! 子供たちを守り切れないわ。
カッレは、自分がどんなにいろんな体験をしたか、それが今の自分に役に立ってると主張した。なぜ、オデッサは分かってくれないのか、毎回説明しないといけないのか、いらだっていた。カッレは、一人で散歩に行ってくると、水面を進んでいった。オデッサはもう引き止めなかった。いつの間にか引き止めるのやめていた。
1年もたつと子供たちは立派な白鳥になっていた。
ある日突然巣立っていった。アヒルの家族と暮らし、追い出されたカッレにとっては、子供たちの巣立ちは理解できないものだった。オデッサと家族を作ったはずなのに、じぶんが知らない不気味な場所に自分がいたという後味の悪さが残った。
オデッサとは会話することもなくなっていた。来春、また一緒にいるかもわからないな…そう思いながらカッレは水草をあさっていた。
水に頭を突っ込んで夢中になり、いつの間にか葦がよく茂ったエリアに来ていた。
どこからかオデッサの声が聞こえた。
「なんだかねー、カッレはダメよ。やっぱり白鳥に育てられてないから、変なのよ。ハクチョウらしくない雰囲気が素敵に見えたけど、父親としては…」
カッレは声の方向と反対に進んでいった。これ以上聞いてられなかった。自分が感じていた違和感が分かった気がした。白鳥に育てられてないので、白鳥のことがわからない。学ぼうとしてもアヒルとして刷り込まれている部分があるので、どうしても完全にはできない。何年たっても無理だろう。
そう思った時に、カッレは空に向かって大きく羽ばたきを始めた。
季節はすでに春になっており、そのハクチョウの群れにいるメスたちがカッレに熱い視線を送ってくる。というのも、一羽で冬を過ごしたカッレには、風変わりなそれでいてワイルドな雰囲気があるからだ。
カッレはその中でもとりわけ美しいオデッサと番うことにした。オデッサはその白くて長い首が本当に美しく、他のオスも彼女と番いたがった。カッレがハクチョウの求愛のダンスもうまく踊れなかったのにも関わらず、オデッサはカッレを選んだ。
「あんたのそのなんとも言えない変わったところが気に入ったわ」
オデッサは巣を作りながらうっとりしながら言った。
やがて、オデッサは卵を5つ産み、温め始めた。
カッレは言われるままにえさを運び、時にはオデッサに代わって卵を温めた。
もう一人ではないのだ、いじめられる心配がないのだと5つの卵の感触を腹に感じながら思った。
ある日5つの卵が孵った。殻を中からつついて破り、必死になって出てくる5羽のひなは、まだ濡れたままだった。5羽すべて、同じ見た目だった。カッレは自分がひなだった時を思い出した。
――おれは異質だった、あの中では。
もう会うこともないアヒルの兄弟たちを思い出した。
自分の子供たちが巣の外に出られるようになると、カッレとオデッサは子供たちを連れてあたりを散歩するようになった。
オデッサは子供たちを陸に上げないようにしていた。そのことで幾度もカッレはオデッサと口論した。
――おれが子供だった時は、陸に上がっていたんだ
カッレがそういうたびに、オデッサは何とも言えない顔をした。
――そんなの危険じゃないの! 子供たちを守り切れないわ。
カッレは、自分がどんなにいろんな体験をしたか、それが今の自分に役に立ってると主張した。なぜ、オデッサは分かってくれないのか、毎回説明しないといけないのか、いらだっていた。カッレは、一人で散歩に行ってくると、水面を進んでいった。オデッサはもう引き止めなかった。いつの間にか引き止めるのやめていた。
1年もたつと子供たちは立派な白鳥になっていた。
ある日突然巣立っていった。アヒルの家族と暮らし、追い出されたカッレにとっては、子供たちの巣立ちは理解できないものだった。オデッサと家族を作ったはずなのに、じぶんが知らない不気味な場所に自分がいたという後味の悪さが残った。
オデッサとは会話することもなくなっていた。来春、また一緒にいるかもわからないな…そう思いながらカッレは水草をあさっていた。
水に頭を突っ込んで夢中になり、いつの間にか葦がよく茂ったエリアに来ていた。
どこからかオデッサの声が聞こえた。
「なんだかねー、カッレはダメよ。やっぱり白鳥に育てられてないから、変なのよ。ハクチョウらしくない雰囲気が素敵に見えたけど、父親としては…」
カッレは声の方向と反対に進んでいった。これ以上聞いてられなかった。自分が感じていた違和感が分かった気がした。白鳥に育てられてないので、白鳥のことがわからない。学ぼうとしてもアヒルとして刷り込まれている部分があるので、どうしても完全にはできない。何年たっても無理だろう。
そう思った時に、カッレは空に向かって大きく羽ばたきを始めた。
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