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神父さまに翻弄される

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「ねえ、君。もういいよ」

 出し入れされて彼女の口にぶちまけそうになってしまい、焦るアルフレッド。仮面をした顔がこちらを見ると、赤い瞳と合った。

 どこかで……? とアルフレッドは首をかしげたが、紗がかかったように思い出せない。

 これはまずい。魔女の餌にされてしまう。このまま精液を搾り取られ、ミイラにされる自分を想像してしまい、ぞっとなった。逃げられないなら、祓うしかない。

 この状態で祓えるだろうか。

「なあ、お嬢さん。俺の上に乗って」

 ひゅ~っと魔女たちがはやし立てる。うるさいな!

 仮面の女はチュポンと音を立ててアルフレッドの電柱から口を離した。顎をさすって、しばらく考え込んでいる。

「いいの?」

 女は戸惑ったように聞いてきた。いいの、も何も薬漬けにして手まで縛ってるくせに何言ってんの!? あと色々収まりがつかないんだけど……。

「あなた、聖職者なんでしょ?」

 はた、とアルフレッドが固まった。あれ? この子、もしかして……。

「なに焦れったいことやってんだい! 魔女の風上にも置けないヤツだね、あんたが乗らないなら私が代わってやるよ!」

 別の女がテーブルに飛び乗ろうとした。そこをさらに別の女が引きずり下ろす。

「この子、精気取らないともう消滅しちゃうの! あんたたちは下がってなさいっ」
「ユリア……」
「さ、早く絵麻。念願のお食事よ」

 覆いかぶさっていた女は頷くと、ボンテージスーツの股のボタンを外す。

「ごめんね、神父様……ごめんね」

 ど派手な仮面の隙間から、つるっと透明の雫がこぼれる。

 やっぱりあの子なのか? アルフレッドは髪の色も雰囲気も違う素晴らしい体つきの女を見ながら、この店に一緒に来た野暮ったい眼鏡と比べる。

 分からない。

 薬のせいか彼女の魔力のせいか、目まで霞んできている。

 仮面の女は、アルフレッドのそそり立った電柱の上に中腰で乗った。アルフレッドはまったく触っていないのに、びちゃびちゃに濡れている。

 まさか、イチモツを舐めただけでこんなになったのか? 俺の宝刀にメロメロになって興奮したの? 優越感でゾクゾクッと背中を快感が這い上がった。

 だったら……愛撫してやったら、どれくらい悦び、乱れるのだろうか。一つ一つの性感帯を丁寧に刺激してやったら……。

「どうしよう、おっきい」

 肉襞が亀頭に絡みつくだけで既に気持ちいいが、女が中腰のまま動けないので生殺しだ。

「久しぶりだからな、入るかしら……痛いのかな──はうっぁあぁあああああああ!」

 ブツブツ言って動かない女に業を煮やし、アルフレッドは縛られた手で女の太ももを押しつけ、無理矢理貫いていた。

「アッいやっ痛いっ!」

 涙を流しながら抜こうとする女。そんな恰好して何言ってやがる。アルフレッドは女のか細い声に加虐心を煽られ、ボンテージスーツを掴んでさらに下に引っ張り、動けないようにした。

 てか、弱いな魔女のくせに。手を縛られた男に抵抗できないのか。

 それに、こんなに濡れているのに痛がるなんて、まるで処女だ。とてもサバトに参加している女とは思えない。再びぼんやりした頭の隅に、一緒にやって来たやぼったい女が浮かぶ。

 あの子なら、きっとこんな風に……。

「しーっ、しばらく動かないから、これ外して」

 手首のネクタイが邪魔だ。かき抱けない。

「そ、そしたら抜いてくれる?」

 串刺しにされて苦しそうな女は、仮面の下から涙を零しながら尋ねてきた。

「うん、抜いてあげるよ」

 アルフレッドは額に汗をかきつつそう言った。アソコがキュッと宝刀を締め付けてくる。挿れているだけなのに、なぜこれほど絡みついてくるのか。これが魔女というものなのか。

 女は腰が動かないように気をつけながら、震える手でアルフレッドの手首のネクタイをほどく。アルフレッドは笑った。気が狂うところだった。

「ありがと、抜かせてね」
「え……抜かせてって? 抜いてくれるんじゃ──ひっっ」

 腰を掴まれ、さらに肉の楔に押し付けられる赤毛の魔女。

「あっやっ! 動かないって言ったのに! くきゅっ」

 下からゆっくり突き上げてやった。

「俺がね、抜くまで我慢して。優しくするから」

 トントントントンと小刻みに動かすたびに、魔女は苦痛の悲鳴をあげる。それも可愛いけれど、がっちり押さえつけて繰り返すうちに、苦痛の喘ぎが、和らいだものに変わっていったのが嬉しい。

「あれ、なんか……」
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