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アヤメさんとのデート(?)その1
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着いたぞ!
アヤメさんから送られてきた位置情報によれば、ここに集合で間違いない。
にしても、この待ち合わせ場所の建物、何だか懐かしいような、初めて来たとは思えない良い意味で異様な雰囲気をしている。
とてもボロボロで、名前も知らない植物のツルに覆われているのに、なぜだろう。
例えるなら、久しぶりに祖父母の家を訪ねた感じ。何とも温かい雰囲気だ。
「おーい!ソウさーん!」
「あ、アヤメさん!」
そうこうしている内に、アヤメさんが来た。
「来てくれてありがとうございます!待ちました?」
「いや、今来たとこです。」
こういうとき「すごく待った。」
とか言ったらどうなるんだろ。
敵作りたく無いからそんなこと言わんけど。
「とりあえず、中で話しましょう!」
ちょっとメッキが剥がれた高級感のあるドアノブに手をかける。
きっとこのドアノブも、もっと威厳のある物だったのだろう。
俺は、恐る恐る建物に足を踏み入れた。
「いらっしゃいませ。」
カランカラン。と、入店を告げる僅かなベルの金属音と共に、若い男の声が聞こえた。
「え...?ここは...」
「ここは〔アキレア〕っていう喫茶店です!私ここ気に入ってるんです!」
そう、この建物、喫茶店だったのだ。
破天荒な店の外見と、落ち着いた店内の雰囲気のギャップの驚きで絶句している俺を見かねて、アヤメさんが教えてくれた。
「マスター!この人はソウさん。私のフレンド!」
「アヤメさんのフレンドさんでらしたのですね。私、ここ〔アキレア〕のマスターをしております。タクミ。と申します。」
と、男性は自己紹介をしてくれた。
タクミさんは、身長は、170中盤ほど、髪は茶、常に微笑を浮かべているその表情が、温かくもあり、どこか不気味であった。
「ご紹介に預かりました、僕はソウと言います。」
「よろしくお願いします。では、あちらの席へどうぞ。」
タクミさんは、指差したのは、椅子が5つある席だった。
店内を見渡したが、俺達の他に客はいない。
なのになぜ椅子が5人分の席を進めたのだろう。2人分の席もあるのだけど...
とりあえず、アヤメさんと俺は向き合って座る。
「ソウさん、紅茶で良いですか?」
「...良いですよ。」
この沈黙は、この世界の食べ物は味がしないのを知っているからだ。
しかしアヤメさんは、プレゼントを貰った子供のような顔で、
「マスター!紅茶2つとチーズケーキ1つ!」
いつの間にかチーズケーキが加わっている。
「かしこまりました。」
タクミさんの了承の声が聞こえる。
待つこと2分ほど。
タクミさんが湯気が揺らめく紅茶2つと、見た目は実に美味しそうなチーズケーキを俺達の目の前に運んでくれた。
相変わらず、アヤメさんは目を輝かせている。
俺は、この味のしないであろう、綺麗な琥珀色の液体から出ている湯気を眺めていた。
湯気越しに、アヤメさんがチーズケーキを一口頬張るのが見えた。
「おいしー!やっぱここのチーズケーキ美味しいなー!」
......!?
「ありがとうございます。」
タクミさんの謙虚な笑い声が聞こえる。
二人とも何を言ってるんだ?
「紅茶もおいしー!」
「フフ...」
今度はタクミさんの静かな微笑みが聞こえる。
俺は恐る恐るこの紅茶を口に運ぶ。
フッと紅茶の良い香りがした。
「...う、美味い!」
この紅茶は味がしっかりあった。そしてアヤメさんのリアクションを見るに、チーズケーキにも味があるのだろう。
「す、すいません、タクミさん。僕にもチーズケーキをお願いします。」
いてもたってもいられず、震えた声で、チーズケーキを注文した。
「かしこまりました。」
どこかタクミさんの微笑が強くなった気がした。
備えていたかのようにすぐにチーズケーキが運ばれてきた。
「お待たせしました。」
目の前にチーズケーキが置かれると、少しだけフォークで崩して食べてみた。
「美味ぁ......」
そう、美味い。甘味はそこまで強くは無いがレモンのような風味がして、とても美味しい!
そして紅茶を飲むと、口の中が、スッキリした。
しかしなぜ味があるのだろう?
アヤメさんから送られてきた位置情報によれば、ここに集合で間違いない。
にしても、この待ち合わせ場所の建物、何だか懐かしいような、初めて来たとは思えない良い意味で異様な雰囲気をしている。
とてもボロボロで、名前も知らない植物のツルに覆われているのに、なぜだろう。
例えるなら、久しぶりに祖父母の家を訪ねた感じ。何とも温かい雰囲気だ。
「おーい!ソウさーん!」
「あ、アヤメさん!」
そうこうしている内に、アヤメさんが来た。
「来てくれてありがとうございます!待ちました?」
「いや、今来たとこです。」
こういうとき「すごく待った。」
とか言ったらどうなるんだろ。
敵作りたく無いからそんなこと言わんけど。
「とりあえず、中で話しましょう!」
ちょっとメッキが剥がれた高級感のあるドアノブに手をかける。
きっとこのドアノブも、もっと威厳のある物だったのだろう。
俺は、恐る恐る建物に足を踏み入れた。
「いらっしゃいませ。」
カランカラン。と、入店を告げる僅かなベルの金属音と共に、若い男の声が聞こえた。
「え...?ここは...」
「ここは〔アキレア〕っていう喫茶店です!私ここ気に入ってるんです!」
そう、この建物、喫茶店だったのだ。
破天荒な店の外見と、落ち着いた店内の雰囲気のギャップの驚きで絶句している俺を見かねて、アヤメさんが教えてくれた。
「マスター!この人はソウさん。私のフレンド!」
「アヤメさんのフレンドさんでらしたのですね。私、ここ〔アキレア〕のマスターをしております。タクミ。と申します。」
と、男性は自己紹介をしてくれた。
タクミさんは、身長は、170中盤ほど、髪は茶、常に微笑を浮かべているその表情が、温かくもあり、どこか不気味であった。
「ご紹介に預かりました、僕はソウと言います。」
「よろしくお願いします。では、あちらの席へどうぞ。」
タクミさんは、指差したのは、椅子が5つある席だった。
店内を見渡したが、俺達の他に客はいない。
なのになぜ椅子が5人分の席を進めたのだろう。2人分の席もあるのだけど...
とりあえず、アヤメさんと俺は向き合って座る。
「ソウさん、紅茶で良いですか?」
「...良いですよ。」
この沈黙は、この世界の食べ物は味がしないのを知っているからだ。
しかしアヤメさんは、プレゼントを貰った子供のような顔で、
「マスター!紅茶2つとチーズケーキ1つ!」
いつの間にかチーズケーキが加わっている。
「かしこまりました。」
タクミさんの了承の声が聞こえる。
待つこと2分ほど。
タクミさんが湯気が揺らめく紅茶2つと、見た目は実に美味しそうなチーズケーキを俺達の目の前に運んでくれた。
相変わらず、アヤメさんは目を輝かせている。
俺は、この味のしないであろう、綺麗な琥珀色の液体から出ている湯気を眺めていた。
湯気越しに、アヤメさんがチーズケーキを一口頬張るのが見えた。
「おいしー!やっぱここのチーズケーキ美味しいなー!」
......!?
「ありがとうございます。」
タクミさんの謙虚な笑い声が聞こえる。
二人とも何を言ってるんだ?
「紅茶もおいしー!」
「フフ...」
今度はタクミさんの静かな微笑みが聞こえる。
俺は恐る恐るこの紅茶を口に運ぶ。
フッと紅茶の良い香りがした。
「...う、美味い!」
この紅茶は味がしっかりあった。そしてアヤメさんのリアクションを見るに、チーズケーキにも味があるのだろう。
「す、すいません、タクミさん。僕にもチーズケーキをお願いします。」
いてもたってもいられず、震えた声で、チーズケーキを注文した。
「かしこまりました。」
どこかタクミさんの微笑が強くなった気がした。
備えていたかのようにすぐにチーズケーキが運ばれてきた。
「お待たせしました。」
目の前にチーズケーキが置かれると、少しだけフォークで崩して食べてみた。
「美味ぁ......」
そう、美味い。甘味はそこまで強くは無いがレモンのような風味がして、とても美味しい!
そして紅茶を飲むと、口の中が、スッキリした。
しかしなぜ味があるのだろう?
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