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本編
第十六話 偉大なる魔法使い
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※流血怪我注意。苦手な方は一番下まで飛んで下さい。最後のページに表示された文だけでもわかると思います※
■
突然の豪雨により慌ただしく設営した野営地を、闇夜と雨に紛れて襲ってきた野盗一味の最後のひとりの命を狩り取る事は成功したものの、たったひとり、もっとも守らねばならないその人だけが一味の刃を受けて、血塗れになって地に伏していた。
どうやら一緒についてきた見習いに刃が向けられた場面で、咄嗟に庇ってその錆びた斧と見習いの間に割り込んだらしい。
「旦那様。だんなさま、どうしてわたしごときの為に」
泣きついて商会長の身体を揺すって起こそうとする見習いをなんとか引き剥がして、その状態を確かめた。
腕が、真っ赤に血で濡れて、しかも関節とは逆側に向かってぶらぶらと揺れていた。
「これは……」
護衛役のリーダーが、出血を抑える処置をする為に服を切り裂く。
服の中には真っ赤な血が溜まっていて、びしゃりと床に広がる。
その中で、露出している骨が浮かんで見えた。開放骨折だった。
単なる骨折ならば護衛役のリーダーは二の腕を押さえつけさせておいて、自分が手首あたりを引っ張って継ぎ目を合せることで治す自信があった。少し不自由な動きになったとしても、そこから斬り落とさなくてはならなくなるよりずっとマシだ。
だが、この状態では下手に引っ張ってしまった事で更なる出血の原因を作ったり、下手をすれば腕を捩じ切ってしまう可能性も高い。
所詮素人の荒療治が出張れる域を超えた大怪我であった。
「これ以上は、服を切り裂く為に動かすのも拙い。とにかく血を止める処置を施そう」
見本として積んでいた少しの絹と売り物のつもりで積んできた綺麗な紙類。その他にも、雨には濡れているが汚れていない着替えなど。裂いて作ったハギレを血の噴き出している箇所へと、アルコールで染みる手の震えを気力で奮い立て何枚も重ねて圧迫していく。
護衛を続けていれば医療知識は自然と身に付いていくものだ。
昔は太い血管の上で縛れといわれた物だが、今は身体の組織を壊さぬように何枚も綺麗な布を押し当てて止血するのが一番だと知っている。
密着させる為に、布を患部の隙間に埋めるように宛がっていく度に、商会長が悲鳴を上げた。
当初はまだ意識の在った会長はこの辺りで完全に意識を消失。だがなんとか止血には成功したらしい。
滅茶苦茶になった野営地を引き払い、護衛内で現在の装備などを確認し直して相談した結果、予定していたルートからは大きく外れはするものの一番近い村へと避難することに決めた。
綺麗な水と温かな毛布、なによりこれ以上野盗や野生動物を引き寄せずに済む安心できる建物という囲いが欲しかったのだ。
次いで、馬車から馬を一頭外し、あの見習いにヴォーン家へ事態を記した手紙を持たせた。
「夜通し走らせることになると思うが、頼む」
「必ずお届けします」
人は思ったよりも簡単には死なないが、あっさりと命の炎は消えてしまう事がある。
商会長の命は風前の灯火であることに異議を唱える者など、同行者にはひとりもいなかった。
せめて、ご家族と最後の対面を。
まだ幼い跡取り息子と、愛妻、そして誰よりも商会長がその成長を喜んでいた長女。
幸せを絵にかいたような家族を襲った悲劇に、誰もが無口になった。
一刻も早いご家族の到着を、と祈る。
流れ出していく血は絹をはじめとした布や紙を幾重にも重ねるという大胆な圧迫法により止めることができたが、商会長の意識は全く戻らず、熱も高いままだった。
意識がない為、熱さましや化膿止めを飲ませることもできないのだ。
辛うじてできることといえば、消毒薬がわりとアルコールを止血用の絹へ浸み込ますのみ。
「もっと医療設備の揃った街への移動も考えた方がいいだろうか」
移動先を選定しようにも、王都へ戻るよりも途中でこれから向かおうとしていた中継地となる街へ向かう方が距離は短いが、王都へ戻る道の方が整備されているし、ご家族との合流も早くできるだろう。
目の前で商会長の命の火は確実に小さくなっているというのに、残された商会の人間も護衛達も、それを決めかねたまま時間だけが過ぎていく。
そうやって悩んでいる内に、村の外が騒がしくなった。
その後はあっという間のことであった。
借りていた村長の家の一室に、これから向かう予定であった街から医師が駆け付け、関係者一同が部屋から追い出された。
医師と共にやってきた兵によると、「王宮から伝令が届いた」とのことで、早馬が王都に着いて、ご家族が手を打って下さったのだと一同で喜んだ。
しかし、その後に駆け込んできた馬車に乗っていた奥様とご子息は早馬に持たせた手紙は知っていたけれど、王宮からの協力に関しては一切知らなかった。
「娘が……サリが、頑張ってくれたんだわ」
父親の命を救いたいと、唯ひとり王都へ残る選択をしたのだというお嬢様への尊敬の念が高まる。
小さな頃から父を慕って商会を出入りし、商いに関する感覚を研ぎ澄まして来た少女は、成長するに従って父譲りの天才的な商才を発揮した。
まぁ、身長という肉体的な成長はイマイチ鈍いようであるが。
本人は平凡でツマラナイ容姿であると自らを卑下しているが、彼女と向かい合って話をすれば、彼女ほど平凡という言葉が不似合いである魅力的な女性はいないと誰もが太鼓判を押した。
それほど人心掌握に長け、技術ではなく自然に行える稀有な存在である。
「さすがはお嬢様だ」
確かに、ヴォーン商会の商会長ともなればこの国の経済界の重鎮といって間違いはない。
しかし爵位としてはたかが一代爵の准男爵である。
決して、王宮が手を尽くしてくれる筈もない、吹けば飛ぶような存在でしかない。
にも拘らず、時間を追うごとに増えていく医療団ともいうべき一団は、まるで王族の命でも掛かっているかのように真剣そのものだ。
誰もが本気で、その人の命を救うべく努力しているのが、部屋の外へ追いやられていてさえも伝わってくる緊迫感に溢れていた。
そうして、ついに、その人がやってきた。
「さぁ、私の患者はどこにいる?」
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突然の豪雨により慌ただしく設営した野営地を、闇夜と雨に紛れて襲ってきた野盗一味の最後のひとりの命を狩り取る事は成功したものの、たったひとり、もっとも守らねばならないその人だけが一味の刃を受けて、血塗れになって地に伏していた。
どうやら一緒についてきた見習いに刃が向けられた場面で、咄嗟に庇ってその錆びた斧と見習いの間に割り込んだらしい。
「旦那様。だんなさま、どうしてわたしごときの為に」
泣きついて商会長の身体を揺すって起こそうとする見習いをなんとか引き剥がして、その状態を確かめた。
腕が、真っ赤に血で濡れて、しかも関節とは逆側に向かってぶらぶらと揺れていた。
「これは……」
護衛役のリーダーが、出血を抑える処置をする為に服を切り裂く。
服の中には真っ赤な血が溜まっていて、びしゃりと床に広がる。
その中で、露出している骨が浮かんで見えた。開放骨折だった。
単なる骨折ならば護衛役のリーダーは二の腕を押さえつけさせておいて、自分が手首あたりを引っ張って継ぎ目を合せることで治す自信があった。少し不自由な動きになったとしても、そこから斬り落とさなくてはならなくなるよりずっとマシだ。
だが、この状態では下手に引っ張ってしまった事で更なる出血の原因を作ったり、下手をすれば腕を捩じ切ってしまう可能性も高い。
所詮素人の荒療治が出張れる域を超えた大怪我であった。
「これ以上は、服を切り裂く為に動かすのも拙い。とにかく血を止める処置を施そう」
見本として積んでいた少しの絹と売り物のつもりで積んできた綺麗な紙類。その他にも、雨には濡れているが汚れていない着替えなど。裂いて作ったハギレを血の噴き出している箇所へと、アルコールで染みる手の震えを気力で奮い立て何枚も重ねて圧迫していく。
護衛を続けていれば医療知識は自然と身に付いていくものだ。
昔は太い血管の上で縛れといわれた物だが、今は身体の組織を壊さぬように何枚も綺麗な布を押し当てて止血するのが一番だと知っている。
密着させる為に、布を患部の隙間に埋めるように宛がっていく度に、商会長が悲鳴を上げた。
当初はまだ意識の在った会長はこの辺りで完全に意識を消失。だがなんとか止血には成功したらしい。
滅茶苦茶になった野営地を引き払い、護衛内で現在の装備などを確認し直して相談した結果、予定していたルートからは大きく外れはするものの一番近い村へと避難することに決めた。
綺麗な水と温かな毛布、なによりこれ以上野盗や野生動物を引き寄せずに済む安心できる建物という囲いが欲しかったのだ。
次いで、馬車から馬を一頭外し、あの見習いにヴォーン家へ事態を記した手紙を持たせた。
「夜通し走らせることになると思うが、頼む」
「必ずお届けします」
人は思ったよりも簡単には死なないが、あっさりと命の炎は消えてしまう事がある。
商会長の命は風前の灯火であることに異議を唱える者など、同行者にはひとりもいなかった。
せめて、ご家族と最後の対面を。
まだ幼い跡取り息子と、愛妻、そして誰よりも商会長がその成長を喜んでいた長女。
幸せを絵にかいたような家族を襲った悲劇に、誰もが無口になった。
一刻も早いご家族の到着を、と祈る。
流れ出していく血は絹をはじめとした布や紙を幾重にも重ねるという大胆な圧迫法により止めることができたが、商会長の意識は全く戻らず、熱も高いままだった。
意識がない為、熱さましや化膿止めを飲ませることもできないのだ。
辛うじてできることといえば、消毒薬がわりとアルコールを止血用の絹へ浸み込ますのみ。
「もっと医療設備の揃った街への移動も考えた方がいいだろうか」
移動先を選定しようにも、王都へ戻るよりも途中でこれから向かおうとしていた中継地となる街へ向かう方が距離は短いが、王都へ戻る道の方が整備されているし、ご家族との合流も早くできるだろう。
目の前で商会長の命の火は確実に小さくなっているというのに、残された商会の人間も護衛達も、それを決めかねたまま時間だけが過ぎていく。
そうやって悩んでいる内に、村の外が騒がしくなった。
その後はあっという間のことであった。
借りていた村長の家の一室に、これから向かう予定であった街から医師が駆け付け、関係者一同が部屋から追い出された。
医師と共にやってきた兵によると、「王宮から伝令が届いた」とのことで、早馬が王都に着いて、ご家族が手を打って下さったのだと一同で喜んだ。
しかし、その後に駆け込んできた馬車に乗っていた奥様とご子息は早馬に持たせた手紙は知っていたけれど、王宮からの協力に関しては一切知らなかった。
「娘が……サリが、頑張ってくれたんだわ」
父親の命を救いたいと、唯ひとり王都へ残る選択をしたのだというお嬢様への尊敬の念が高まる。
小さな頃から父を慕って商会を出入りし、商いに関する感覚を研ぎ澄まして来た少女は、成長するに従って父譲りの天才的な商才を発揮した。
まぁ、身長という肉体的な成長はイマイチ鈍いようであるが。
本人は平凡でツマラナイ容姿であると自らを卑下しているが、彼女と向かい合って話をすれば、彼女ほど平凡という言葉が不似合いである魅力的な女性はいないと誰もが太鼓判を押した。
それほど人心掌握に長け、技術ではなく自然に行える稀有な存在である。
「さすがはお嬢様だ」
確かに、ヴォーン商会の商会長ともなればこの国の経済界の重鎮といって間違いはない。
しかし爵位としてはたかが一代爵の准男爵である。
決して、王宮が手を尽くしてくれる筈もない、吹けば飛ぶような存在でしかない。
にも拘らず、時間を追うごとに増えていく医療団ともいうべき一団は、まるで王族の命でも掛かっているかのように真剣そのものだ。
誰もが本気で、その人の命を救うべく努力しているのが、部屋の外へ追いやられていてさえも伝わってくる緊迫感に溢れていた。
そうして、ついに、その人がやってきた。
「さぁ、私の患者はどこにいる?」
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