ファステリ 〜不人気生産職で人気プレイヤーに!〜

いつき

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第一章

チュートリアル

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2.チュートリアル




えぇっと、まずはチュートリアルをしないと・・・。

そう考えているとどこからか手紙が飛んできて目の前で封が開き、紙が広げられる。





【チュートリアルクエスト】
1/3
・総合ギルドで登録をしよう!
     報酬 1000ステラ





おぉ~、クエストとかはこうやって案内されるんだ。

手紙が飛んで、総合ギルドとやらへの道を案内し始める。

周りには同じようにチュートリアルをしているであろうプレイヤーたちが沢山いた。

手紙はほかのプレイヤーには見えないみたいだ。
まぁ、それもそうか。こんなたくさんの人たちが一堂に会していたら、視界が手紙で埋め尽くされてしまいかねない。

確か、ここは最初の町。かつ大陸の中心に位置する王国、【四季の国|テーセリス】。
ここでチュートリアルを受けた後、東西南北それぞれに位置する各季節の国へとプレイヤーは広がっていくーーーとHPに書いてあったはずだ。

まあ、暫くはここで過ごしてもいいかもな~。

そう考えていると、大きい建物につく。

ゴシック建築のようなその建物は、見たところ高さ3階はある。石と木を織り交ぜたその建物は威厳と温かみを併せ持つ不思議な印象を与えていた。

プレイヤーの波に流されながらも、中に入る。

それにしてもすごい人の数・・・確か、初回販売分は1万以上だっけ?混雑を避けるために、定期的に生産して随時販売する予定だって聞いたけど。

目の前に広がる人の波に、少し体が震える。

生産を抑えていなかったらもっとひどい混雑になっただろうな・・・。

そう唸っていると、どうやら人の波が複数のカウンターに流れていることに気づく。

あそこのカウンターで登録をするらしい。
これ以上の混雑を防ぐための対策か、カウンターに近づくと別の空間へ移動しているみたいだ。

確かにここで登録するってなったらすごい行列になりそう・・・。

私もカウンターへ近づくと、人で埋め尽くされていた視界が一気に広がる。

落ち着いて周りを見渡すと、この総合ギルドの内装は非常にオシャレで気を基調としていて気持ちを落ち着かせてくれる。


「ようこそ、総合ギルドへ。私は受付嬢です。登録をされますか?」


緑と白の制服を着た女性が、カウンター越しに話しかける。


「はい、お願いします」

「わかりました。それではこちらをーーー」


そういって受付嬢さんは目の前にいくつかの紙を差し出す。


「ギルドに登録するにあたって、説明をさせていただきます」

「はい!」

「この世界には数多くのギルドが存在しています。代表的なものだと冒険者ギルドや職人ギルドなどですね。それらの無数のギルドを取りまとめているのが此処、総合ギルドです。規則によって皆さんはまず総合ギルドで登録をした後に、ジョブなどを考慮して各ギルドへ紹介をしていきます」


そこまで話すと、新しくもう一枚紙を差し出す。

見出しには大きく職人ギルドと書かれていた。


「詳細は向こうで説明を受けるでしょうから、ここでは話しません。私のスキル、【簡易鑑定】で見たところ・・・貴方のジョブは錬金術師ですね?職人ギルドでなら、貴方へ必要な支援をしてくれるでしょう」

「なるほど・・・」

「次に、これから総合ギルドで受けられる支援についての説明をしましょう。まずは、貴方のステータスを開いてみてください」

「あ、はい!」

ステータス、と念じると目の前に画面が浮かび上がる。





《名前:キリ》
種族:エルフ Lv1
ジョブ:メイン 錬金術師 Lv1
ギルド:総合ギルド G








「あれ、ギルドのところが・・・」

「ギルドに登録されると、ステータスに内容が表示されるようになります。ギルド名の隣にあるのは、現在のあなたのランクです」

「ランクですか?」

「はい、これはすべてのギルドにおいて共通です。AからGまでの7つ、そしてそれ以上となると貴方だけの異名が与えられます」


異名か~なんかちょっとかっこいいかも。
まぁでも、ず~っと先のことだろうな。


「ランクは、各ギルドが発行するクエストを完了することで上げることができます。どれだけのクエストを完了すれば上がるのかは・・・秘密ですので教えることはできません」

「わかりました!」

「クエストには様々な種類があります。それらの内容は実際にキリ様自身の目でみてお確かめくださいね。・・・最後に、受けられるサービスについてです。此処、一階ではクエストの受注、発行、報告。アイテムの買取サービスを行っています。ですが、この買取サービスには少々注意事項が」

「注意ですか?」

「ここではありとあらゆるアイテムの買取をしますが・・・例えば、魔物の素材は冒険者ギルドに。作った作品は職人ギルドにといったように、アイテムに合わせて各種ギルドの買取サービスを使った方が高く買い取られることがあります」


餅は餅屋に、物の販売はそれに合わせたギルドで行えってことかな?


「他にも販売方法は数多くありますので、ご自身で吟味してお選びください。説明は以上です。質問等がなければ職人ギルドの方への紹介状をお渡ししますが、いかがでしょう」


質問・・・は、今はないかな。また何かあれば、混雑が終わったぐらいに来たらいいし。


「大丈夫です!ありがとうございます」

「それではこちらの手紙を」


シーリングスタンプで封が閉じた手紙を受け取る。


「くれぐれも、封を開けずに担当者に渡してくださいね」

「わかりました!」


頭を下げて、建物を出ると元の人でごった返したマップに戻る。

すると、目の前でに新しい手紙が下りてきた。次の目的地へ案内してくれるのかな。





【チュートリアルクエスト】
2/3
・職人ギルドで登録をしよう!
     報酬 1000ステラ





うん、ちゃんとクエストが進んでるね!
あ、そうだ!ちゃんと貰った手紙をしまっとかないと。

先ほど受付嬢さんに貰った紹介状の入った封筒を、大切にショルダーバッグの中にしまう。

そうそう、今の私の格好はシンプルなシャツとズボンに大きなショルダーバッグを肩から下げている。

このショルダーバッグはいわゆるアイテムボックス的な役割をしており、個数制限はあるがアイテムを入れておけるのだ。


「職人ギルドに行きたいけど・・・」


どうやら今度の人の波は冒険者ギルドに流れているらしい。私の目的地とは逆方向だ。

あとちょっとで人の波から抜けられるんだけど・・・。


「ごめんなさい、ちょっとだけ通してください!」


そう声をあげながら通ろうとするも、この喧噪の中ではだれにも届かない。さらにもみくちゃにされ、倒れこみそうになる。

あ、危ない。

顔を掠める人の足に思わず体が固まるーーーーすると・・・


「おい、大丈夫か」

「へ・・・?」


背後から声がかかり、脇を掴んで体が持ち上げられる。

浮かんだ体に困惑しながら、顔を背後に向けると・・・。


「おい、怪我はないか?」


赤い短髪の、ガタイのいい大きな男性が心配そうに私を見ていた。









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