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8 ナンパ男を成敗!?
しおりを挟む「ラインハルトさん大丈夫かなぁ......」
突然カウンターの奥へ連れて行かれたラインハルトさんを見つめる。
な、何か僕悪いことしちゃったのかな⁉︎どうしよう...。
「おいおい~坊ちゃん!あいつの連れかあぁ?」
「ひっ」
突然肩に手を回され、引き寄せられる。視線を慌てて横に向けると、でっぷりと太った金ピカの装飾をこれでもかと付けた男がニヤニヤと僕のことをべっとりと舐め回すように見ている。
「フードなんかかぶっちゃってさぁ~ほら、取ってみろよ~」
お酒をかなり飲んでいるのか吐き出される息は酒とつまみなのか油っこい匂いがする。
うぅ、鼻が曲がりそう。
指輪が脂肪で埋まっている手が僕の被っているフードに伸びているのが見え、慌てて距離を取る。
「いや、それはちょっと辞めてください」
「あぁぁ!?いいじゃねえかよぉ、そのブサイクな面見せてみろ!」
「あっ!?」
無理矢理フードを剥ぎ取られ、男含め周りの人達が全員僕のことを見ている。
どうしよう、ラインハルトさん......。
「お、お前......」
「イツキ!!」
ラインハルトさんが駆け寄ってきて僕を背中に隠し、周りからの視線から守ってくれた。
「ラインハルトさん!」
「大丈夫か、イツキ」
「はい、大丈夫d」
「お、おい!!!!」
安心して笑顔が溢れながら返事しようとすると、男が割り込むように怒鳴るようにして迫ってくる。
「何でお前みたいなブサイクが、こんな可愛い子といるんだよ!脅してんのか!」
か、可愛い?ラインハルトさんはどちらかと言うとカッコいい系だと思うんだけど...。
ブサイクってはっきり言われると傷つくし。自分では普通ぐらいだと思ってたんだけどな。
「す、すいません。僕なんかがラインハルトさんと....」
「「は?」」
ラインハルトさんを含めた周りにいた人たち全員が僕をみてあんぐりと口を開けている。
え、僕なんかまた悪いことしちゃったの⁉︎
「ちげぇよ!!コイツみたいなブサイクが何で君みたいな可愛い子といんのかって聞いてんだよ!!」
「へ?」
ラインハルトさんが...ブサイクって?僕が可愛い?
ギギギッと錆びた歯車のように顔をラインハルトさんに向ける。
「...........」
無言で首を縦に振っていた。
え?本当に言ってるの?
「知り合いに頼まれて行動しているだけだ、これ以上彼に絡むな」
「うるせえな!お前みたいな原罪者如きが俺に指図すんじゃねえ、下がってろ!」
「おい、ギルド内での乱闘は禁止されているぞ」
ラインハルトさんに掴みかかった男を、バラードさんが間に入って止める。
原罪者?ってそれよりも止めないと!
「黙れ、お前もこいつと同類なんだよ!ほら、君もこっちにおいで。こいつに脅されてるんだろう、俺が守ってやるから」
「ひっ大丈夫です!僕は脅されてもいませんし、むしろラインハルトさんに助けられたんです!それ以上馬鹿にするのはやめてください!」
ニチャァという笑顔と共に差し出された手に思わず思いの丈を叫ぶ。勝手に決めつけてラインハルトさんを悪く言わないでほしい。
「う、嘘だ!」
そう言って腕を振り上げた男を、一瞬でラインハルトさんが捻り上げ制圧する。
「わかったならこれ以上俺たちに絡んでくるな。同じ冒険者なら力の差はわかるだろう」
「くっ覚えてろよ!」
漫画のような言葉を吐き捨て、立ち去っていく。
嵐のような人だったな....。
「ラインハルトさん、大丈夫ですか?」
「あぁ、イツキも怪我はないか。遅れてすまない」
「僕は大丈夫です。...ラインハルトさんには助けられてばかりですね」
「気にしなくていい、イツキが無事ならそれでよかった」
「ここじゃ目立つからなぁ、奥の個室借りるから行こか。手続きも時間かかるねん、堪忍な」
「あ、はい!」
騒ぎの余韻が広がるホールを後に、バラードさんに連れられて奥に入っていく。
何だか、僕の知らないことがまだまだあるみたいだな......。
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閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
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よろしくおねがいします。
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