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13 宿『エデン』
しおりを挟む大通りから少し外れたところに、目的の宿は建っていた。
道中見てきた宿と比べてもかなり質が良いであろうということはパッと見ただけでもわかるが、何故か閑散とした雰囲気を感じさせるアンバランスさに違和感を抱く。
「俺のような奴は普通の宿に行けば断られることも少なくはないんだ......そんな奴らのために出来たのが『エデン』。少し値段は張るが、質は保証する」
扉を開き中に入るとラインハルトさんの言う通り、ロビーは隅々まで清掃が行き届いているのが見てとれた。
受付には顔の上半分を覆う仮面をつけた男性が立っている。
「二名で二週間ほど部屋をとりたい。場合によっては延長する可能性もある」
「二名様ですね、かしこまりました。お部屋の方は同室ですか、それとも2部屋取られますか?」
受付員の人の問いかけに、ラインハルトさんは少し僕を振り返り様子を伺う。
さっき少し値段は春って言ってたし......男2人なんだから何か起こることもないだろうな。
「僕は一緒で大丈夫ですよ」
「そ、そうか..........。同室で頼む」
少し恥ずかしいのかフードをクイっと下げると、ラインハルトさんはカードを差し出す。
冒険者カードは預金欄がある事から予想はしていたけど、お金を払うツールとしての役割もあるらしい。
部屋の番号が書かれた鍵を受け取ると、階段へと少し足早に歩き出すラインハルトさんの後を急いでついていく。
急にどうしたんだろう?ラインハルトさん.......。
##########
「わっ⁉︎結構高いところにある部屋なんですね!」
部屋に備え付けられているベランダから街を眺める。
5階程の高さにある部屋は街全体を見渡すことができ、高さが五階建てのデパートのような大きさの建物や、街の中心部に何やらコロッセオのような闘技場らしき建物が見える。
あそこで大会が行われるのかな?
道中に聞いていた力の大会を思い出す。
もし此処にいる間に開催されるなら見に行ってみたいなぁ。
「イツキ、荷物を置いたら日が暮れる前に街で買い物をしよう。替えの服も必要だろう?」
「はい、わかりました!」
そう言うと、ラインハルトさんは着ていた鎧を外すためにローブを取る。
鎧の中はTシャツのような布一枚のみで、少し空いた胸元や腕からはかなり鍛えているであろう筋肉が見え隠れしている。
「イツキ、行こうか」
「あ、はい!」
僕は持っているのは服のみなので、部屋に入った時に脱いでいたローブを被り直すだけで準備は完了だ。
お互いローブを被り直し、宿を出る。
「バルツィムには複合型市場があるんだ。さっき窓から見えていたんだが、気づいたか?」
「あぁ、あの大きい建物?」
デパートみたいだなって思ったけど本当にデパートなんだ.......。
「服に日用品、あとは杖もあったほうがいいな」
「杖⁉︎それって魔法に使うの?」
「あぁ、魔力を使いやすくなるんだ。単純に効果が上がったりするから、魔法師ならば一つは持っておくべきだからな」
「そうなんだ......。僕、もっと魔法を使えるようになって、ラインハルトさんの力になれるよう頑張りますね!」
「⁉︎.............もう既にたくさん力を貰ってるよ、イツキ」
ラインハルトさんは驚いたような表情をすると、顔を綻ばせて僕の頭を撫でる。
「さぁ、行くぞ」
「あ、はい!」
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はじめまして!
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