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ノック
前々から思ってたんけど、ウェルってかわいいよな。
こういう関係になる前は、非の打ち所のないクールなイケメンってイメージが強かったんだけど。でも、今ではすぐに顔真っ赤にして恥ずかしがるし、すぐに涙目になっちゃうし、押しに弱いところがあるっていうのが分かった。
今までウェルのこんなかわいい一面を知らなかったなんて、俺は2年間何をやってたんだ。気絶でもしてたのか?
「ロスト様……? あの、私の顔になにかついてますか?」
「いや、別にそういうわけじゃない。」
「そ、そうですか……」
そんなウェルは今、俺の部屋で俺のベッドに腰かけ、所在なさげに身体をもじもじと動かしている。それもそのはず、俺はまだ魔眼の効力を切ってないからだ。
本当は、馬車の中でだけで収めてやるつもりだったんだけど、かわいいウェルがあんまりにもかわいかったので気が変わった。
「で、ウェル。まだ発作はおさまってないんだな?」
「は、はい」
「なるほど……それは、我慢できそうにないくらいか?」
「え?」
ウェルが、きょとんとした顔を俺を見つめてくる。
が、数秒後には俺の言わんとしたことが理解できたようで、再び頬を赤くさせながら、「……は、はい……」とためらいがちに頷いた。
「首肯だけじゃわからないな。もっとはっきり、どの程度、我慢できそうにないくらいなのか教えてくれ」
「……っ、」
「ウェル?」
「は、はい……その、今すぐにでも……さっきみたいに、指で掻きまわしたい、です」
「どこをそうしたいのか、今、どんな刺激があるのかも、ちゃんと言ってみろ」
「っ……、あの、後ろの穴が、今、痒みと、快感でずっとビクビクしていてっ……! さっきみたいに、今すぐ、指でかきまわしたいです……っ。ガマンできそうに、ありませんっ……!」
ところでこれ、ウェルに「うちの主人、めっちゃ物わかり悪いな! 普通全部言わなくてもわかるだろ、空気読めよ」とか思われてないよね? 大丈夫だよね?
ウェルが顔を真っ赤にしながらいやらしいことを言うのがたまらなくて、ついつい言葉にさせてしまうんだよなぁ……。
俺の個人的な趣味により、恥ずかしいことを無理矢理言わされたウェルが、うつむいた顔を真っ赤にして、握りこぶしにした手を膝の上でぎゅうぅっと丸めて、小さくなっている。だが、そんな様子とは裏腹に、ウェルの腰はかすかにもじもじと左右にゆれてつづけている。俺は、そんなウェルの腰にそっと手を添えた。
「ウェル……気づいているか? お前、さっきからずっと、腰が動いてるぞ」
「っぁ、ロストさま、おれ……」
「なんだ、わざとやってたのか? ずっと自分で、尻をベッドにすりつけてたのか」
「っも、申し訳ございません、ロストさま……っ。おれ、なんでかこんな……」
「謝るな、大丈夫だ。それほどガマンできないんだよな? 大丈夫、俺が助けてやるから」
「ロストさま……」
ベッドに腰かけているウェルを抱き寄せ、その頭をよしよしと撫でてやる。やわらかい栗色の毛は指通りがよくて、いつまでも撫でていたいが、そういうわけにはいかない。
俺は片手でウェルの肩を抱きつつ、あいた片手でウェルの腰に手を伸ばし、その下衣と下着をゆっくりとずらすように脱がしていく。ウェルもまたためらいがちに、なんだか壊れものでも触るみたいにおそるおそる、俺の背中に手を回してきた。
「あ、ロストさま……っ」
「ん? どうかしたか?」
「……い、いえ、なんでもありません」
ウェルの身体をベッドに押し倒し、上衣も脱がそうとした俺を、ウェルが一瞬だけ止めようとした。だが、その制止自体をすぐにウェルが撤回したので、ちょっと気になりながらもそのまま上衣を脱がす。
――そこで、ウェルが俺を止めようとした意味がようやく分かった。
「……っ、あんまり、見ないでください……」
シルク地のサーモンピンクに黒の花柄レース。
ウェルの均整のとれた胸板を飾っていたのは、女性用胸部補正下着、いわゆるブラジャーだった。
一瞬、「え、どうしたのコレ? 俺へのご褒美?」とウェルに素で聞きかけたが、その直前で思い出した。
あっぶねー、そうだったコレ、俺がウェルに着けろって言ったんでしたね!
そうか、ウェルはこれをちゃんと真面目に着けてくれてたんだな……。見れば、ブラジャーに特に目立った汚れや汗染みなどもないようだ。恐らくは、ウェルがちゃんと洗って手入れもしているのだろう。
ウェルは本当に真面目だなぁ……。
よし、そんなに真面目にちゃんと着けてくれてるなら、俺が脱がしちゃうわけにはいかないよな!
下着はこのままにしておこう、そうしよう。
「よし、わかった。あまりそれは見ないようにしておこう。だからソレはそのまま脱がさないようにしておく、いいな?」
「えっ? あ、あの……こ、これは別に脱いでも、」
ウェルが当惑した様子で俺を見てくる。当たり前か。
だが、そんなウェルの視線を無視して、俺はウェルの下肢に手を伸ばした。
「っあ……! ロ、ロストさまっ……」
先ほど熱を放ったばかりだというのに、もうウェルの陰茎はゆるく頭を持ち上げ、先端から零をこぼしていた。そんな陰茎には触れず、俺はウェルの後肛に手を伸ばす。
人差し指の腹で、そっと入口をなでる。指の腹が入口に触れると、そこは空気にあえぐ魚みたいに、口をぱくぱくともどかしげに開閉していた。
「んっ、ぅ……」
俺はしばらく、入口をゆっくりと指でくすぐるようにこすり続ける。指の腹でなでるように触れ、ときどき指先でつつくように触れる。
すると、辛抱できなくなったウェルが、ほとんど悲鳴に近い懇願をしてきた。
「っんぅ……! ロ、ロストさま、お願いですっ……ナカが熱くて、かゆくて、たまらないんですっ……」
「だから、掻いてやってるだろ?」
「っお、奥を……さっきみたいに、もっと、奥に指をいれてほしいんですっ……!」
「へぇ、入れるだけでいいのか?」
「っ……」
さすがに言葉をつまらせ、視線をさまよわせるウェル。だが、俺が指の動きを完全に止めてしまったので、言わなければ続きをしてもらないということがわかったのだろう。
しばらくして、観念したようにウェルが言葉をつむいだ。
「ぅ……もっと、奥に指を入れてほしいんです。そして、さっきみたいにおれの後ろを、ぐちゃぐちゃにして、かきまわしてほしいんです……っ!」
「……よくできました」
顔を真っ赤にしながらぼろぼろと涙をながしているウェルに顔をよせ、その目尻にそっと口づける。舌先で涙をすくうようにして舐めると、しょっぱい味がした。ウェルが驚いた顔でおれを見上げているが、まぁ、これぐらいはスルーしてくれるだろう。
さて、ウェルに散々おねだりをしてもらったし! ここは期待に応えてやらないといけないよね! なんたって、ウェルの方から俺にしてほしいって言ってきたんだし! まぁ元凶は俺だけど!
さぁウェルをぐちゃぐっちゃにしてやるぞーと心の中で息巻いた、その時だった。
俺の部屋のドア――それを控えめに、ノックする音が響いたのだ。
「…………」
「…………」
え、これ、無視してもいいかな? いいよね?
こんなところでおあずけとか中断なんて、ウェルはできないし、俺だってできないよ?
そっと俺の下にいるウェルを見れば、なんかウェルも「え、今、このタイミングで?」みたいな顔でドアの方向を見つめている。うむ、今この瞬間、俺達の心は一つになっているようだ。全然嬉しくないけどね!
だが、部屋のドアのノックする音は、なおも続いている。そして、控えめな声で、申し訳なさそうに「ロスト様、いらっしゃいますか?」と声がかけられた。
無視しようかとも思ったが、声から判断するに、ドアの向こうにいるのはセバスチャンだろう。……セバスチャンには個人的に世話になっているし、この前のウェルの時も色々と気にかけてもらったんだよなぁ。というか、セバスチャンが俺の部屋をわざわざこんなに急いで訪ねてくるなんて、きっとよっぽどのことがあったに違いない。くそ、仕方がない、出るしかないようだ。
俺がウェルから離れ、ベッドから降りると、「あ……」とウェルのかぼそい声が聞こえた。全力でベッドに駆け戻ってしまいたい気持ちを抑えつつ、俺はドアへと向かう。
「――どうした、セバスチャン。何か急ぎの用か?」
「申し訳ございません、ロスト様」
ドアの向こうにいたセバスチャン。
彼は申し訳ないなさそうに俺に頭を下げ、俺の許しが出てからようやく話を始めた。
話を聞くところによると、父上の部下のミスで明日までに決裁をしなければいけない書類が手つかずの状態だったらしい。他の貴族との取引にも関わってくる書類なので、遅らせるわけにはいかないようだ。で、その書類の中で統計などの計算をしなければいけないものがあるので、それを急ぎで俺に処理してもらえないか……とのことだった。
「わかった、急ぎで終わらせる」
平身低頭で頭を下げるセバスチャンから書類を受け取り、ドアを閉める。
俺が今受け取った分は夕方までに終わればいいということなのでまだ時間があるが……。やれやれ、なんとも間の悪いタイミングだな。
書類をいったんデスクに置き、さて、ウェルの元に戻るか――と考えたところで、俺はハッとひらめいた。
……待てよ。もしかするとこれは、ウェルをさらに辱めるチャンスなのでは!?
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