異世界転生したけど眷属からの愛が重すぎる

秋山龍央

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冒険者

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 商会の前で馬車から降りると、おれ達はミドロさんと別れた。
ミドロさんの商会はこの街でも有数の商会らしく、周囲の建物よりも一回りほど大きい建物だった。

 どうやらこの街はほとんど円の形をしているらしく、その回りをぐるりと壁に囲まれているのだろいう。東西南北の方角の4つでそれぞれ門があり、その門から街に入場することができるのだそうだ。
その中でおれ達が入ってきたのは南門で、逆方向の北門はいわゆる貧民街や歓楽街であるらしく、あまり治安が良くない場所なので用がなければ近づかない方がいいと言われた。

 そして、南門の方面が富裕層が暮らしている地域だそうだ。住民の身分によって通行できる門も違う問いう話なので、南門の通行証を持ち、なおかつおれ達のような身元不詳の人間の入場させることもできるミドロさんは、やっぱりすごい人なんだろう。

「あの、ちょっといいかい?」

おれとアレクが宿屋に行こうかと話をしていると、背後から声がかけられた。
振り返ってみれば、そこにいたのは赤い髪をポニーテールヘアにしている20代前半の女性……ミドロさんの馬車の護衛の冒険者さんだ。
アレクが一歩進み出て、おれと冒険者さんの間に入って答える。

「何か?」
「アタシら、これから冒険者ギルドにいって、今回の依頼完了報告に行ってくるんだ。申し訳ないがあんた達も一緒に来てもらっていいかい?」
「んー……オレはいいけど、ご主人ちゃんは大丈夫? 疲れてない?」

アレクはおれの顔色を窺いながら「オレ一人で行って、ご主人ちゃんは先に宿屋で休んでてもいいよ」と言ってきた。けれど、おれはそれに対して首を横に振った。
気持ちはありがたいが、アレク一人に働かせて自分一人だけ休んでいるのは嫌だ。それに、さっそくこの異世界の街に来たんだから、色々見てみたいという気持ちもあるし。

「ちょっと疲れてるけど、まだ大丈夫だし一緒に行くよ。冒険者ギルドがどんな所なのか見てみたいし」
「冒険者ギルドなんか見たいのかい? 変わってるねぇ」

おれの言葉に、ポニーテールの冒険者さんは肩をすくめて笑う。
なにはともあれ、護衛役だった冒険者達とおれ達二人はみんなで連れ立って冒険者ギルドへ向かうことになった。
ドローレスの街は石造りの街で、路面はすべて石畳だ。日本の舗装と比べると、石の段差がガタガタだったり、角が飛びてているので、気を抜いていると足をひっかけそうになる。
けれど、これでも南側の街は綺麗に整備されている方なのだと、道中でミドロさんが言っていた。北側の貧民街や歓楽街だと、もっと悪路になるのだという。
また、おれとアレクの向かう宿屋は東側のエリアにあるらしく、東側の地区は宿屋や借家が集中しているらしい。これから行く冒険者ギルドも東側のエリアにあるそうなので、方向は同じらしくちょうど良かった。

「今回は助太刀、助かったよ。ありがとうな」
「い、いえ」

ふと、隣に並んだポニーテールヘアの女冒険者さんがおもむろにおれに話しかけてきた。
生身の女性と話をするのが久しぶりすぎて、ちょっとどぎまぎしてしまう。

「あんた達は冒険者ギルドへの登録してないだろ?」
「ええ、してないです」
「じゃあ今回のグレートウルフ討伐の申告はアタシらがやっておくよ。討伐報奨金とグレートウルフの素材の買取金額で……そうさね、8:2であんた達とアタシらの取り分で分けるって感じでどうだい?」

女冒険者さんの言葉は一歩前を歩くアレクにもちゃんと聞こえていたらしい。
おれの方をちらりと振り返ってきたので、おれはどうしようかとアイコンタクトを送る。アレクが倒した分と冒険者さん達で倒した分、その割合なら妥当だと思った。そもそも、グレートウルフの討伐報奨金や買取金額が出るなんてことも知らなかったおれ達からすれば、女冒険者さんの提案自体が良心的なものだ。
アレクがこくりと頷いたのを見て、おれは女冒険者さんに「それで大丈夫です」と答えた。

「よし、取引成立だね。南門でグレートウルフの襲撃があったことは伝えてあるから、今頃はもうギルドの回収班が向かってるはずだ。だから、多分査定も今日か明日中には終わると思うよ」

なんと、あの南の門でそんな手続きもしていたのか。
……こう考えると、おれもアレクも、本当に知らないことばっかりだ。早く、この世界の常識を覚えないとなぁ。

「ありがとうございます。あの、それにしてもあんなに街の近い所でグレートウルフが出るなんてこと、ドローレスの街ではよくあることなんですか?」
「そんなことないよ。そうだったら、もっと護衛だって高いランクの冒険者を雇ってたはずさ」
「良かった。じゃあ、今回だけがイレギュラーだったんですね」
「そうさね……恐らくは今回の積荷の魔石に惹かれたんだろうけど、まさか街道にBランクの魔物が出るなんてねぇ」

ここでまた分からない言葉が出てきた。
おれは首を傾げつつ、隣を歩く女冒険者さんに尋ねる。

「あの……モンスターが魔石に惹かれるってどういうことですか?」
「は!?」

女冒険者さんが真ん丸に目を見開いて、まじまじとおれの顔を見つめる。
し、しまった。さっそく、おかしなことを聞いてしまったらしい。

「い、いや、その……おかしなことを聞いたなら謝ります」
「変なことっていうか……常識じゃないかい?」

どもりながら謝罪をするおれに、女冒険者さんは不思議そうな顔のままだ。

うう……やっぱりおれじゃ、アレクほど上手に会話運びが出来ないな……。
でも、落ち込んでる場合じゃない。どうにか挽回しないと、女冒険者さんに怪しまれてしまう。
しかし、なんて言えば誤魔化せるんだろうか?

「悪いね。うちのご主人ちゃんはさ、今までずっと身体が弱くて、片田舎の山奥の屋敷で療養してたもんだから」

すると、どうしようかとパニックになりかけたおれに助けの手を差し伸べるかのごとく、一歩前を歩いていたアレクが振り返って、女冒険者さんに愛想のいい笑みを向けた。
女冒険者さんはアレクのにこやかな笑みに、一瞬だけ見惚れたような表情になり、アレクの顔をぽうっと見つめた。

「だから、ちょっと世間知らずな所があるんだよね。ね、ご主人ちゃん」
「そ、そう。身体が弱くて」

アレクのフォローにありがたく便乗させてもらう。
その説明で女冒険者さんは納得してくれたようで、「ああ、そうだったのかい」と頷いてくれた。

「なるほどねー。そう言われてみれば、あんたはアタシらみたいな平民と違ってどっか品があるもんな」
「ひ、品……? おれが?」
「そうそう。アタシみたいな冒険者にも敬語で話してくれるし。それに森で会った時だって、怪我したアタシの仲間をすごく心配そうに見てただろ?」

女冒険者さんは歯を見せてにかっと笑う。

「普通はさ、ミドロの旦那みたいに冒険者なんかよりも積荷を気にかけるのが当然でしょ。しかも、今回の積荷は魔石だったしねぇ」

と、当然なのか。ミドロさんとの会話で分かってはいたけど、やっぱり常識として魔石はとてもこの世界では重要なものらしい。もしくは、冒険者の命がそこまで重きに置かれてないのか。もしかすると両方かもしれない。

「あと、アレクって言ったっけ? そっちの色男は、言動に惑わされそうだけどずっとあんたを主人って呼んであんたを立ててるし、位置取りだってすぐにあんたの盾になれるように、庇えるような場所に常にいるし……だから、どっかイイ所のお坊ちゃんなのかなーとは思ってたけど……ふむふむ、なるほどねぇ。大方、貴族の坊やと主人の愛の逃避行って所かい?」

そう言うと、女冒険者さんはにやにやと笑みを深めた。そして、片手でぱしりとおれの背中を叩く。

「うわっ」
「ま、人間は色んな事情があるもんだし、アタシも脛に傷を持つ身だ! これ以上、詳しいことは聞かないから安心しな!」
「あ、ありがとうございます……?」

なんだろう。ミドロさんといい、この女冒険者さんといい、おれとアレクの関係についてなんだかとてつもない誤解をしている気がするんだが……。
ま、まぁ、何はともあれ誤魔化せたのなら問題はないか。

「それで、最初の話は……モンスターが魔石に惹かれる理由だっけ?」
「あ、そうです。すみません、ちょっと常識みたいな事かもしれないんですが、説明して貰えると助かるんですが……」
「って言っても、説明ねぇ。んー……魔石が人間にとってのエネルギー源、ってのはさすがに分かってるよね?」
「も、もちろんです」

さっき馬車の中でミドロさんとアレクの会話で分かったばかりだから、そこは問題ない。

「明かりをつける、お湯をわかす、水を汲む……そういう生活に必要な魔道具を動かすには必ず魔石が必要とされる。魔石っていうのは、世界に漂う空気中の魔力が結晶化したものだ」

おれは女冒険者さんの言葉にふんふんと頷きながら聞き入る。
前を歩くアレクも、顔は正面に向けているものの、おれ達の会話を聞き逃さないようにしっかりと耳と傾けているようだ。

「で、この魔石を取る方法は魔力溜まり……ダンジョンに行って魔石を採取することだ。けれど、人間と同様に、魔石はモンスターにとっても大切なエネルギー源ってわけだ。人間もモンスターも、自分の体内にある魔力量には限りがあるからね、自分の魔力量を超えた魔法を行使したかったり、自分の力を更に高めようと思えば魔石を使うのがお互い一番ってことさね」

魔石を取り込むとモンスターが強くなる。ミドロさんとの馬車の会話でも、確かにその話は聞いたな。
それにしても、ダンジョンか。ダンジョンがあるという事実にはちょっとワクワクしたが、きっと、あのグレートウルフ以上に怖い魔物がいっぱいいるんだろうなぁ……。

「魔石は魔力の塊だ。つまり、この魔石を捕食したモンスターは膨大な魔力を捕食することができるってわけだ。膨大な魔石を捕食すれば、モンスターもより強い存在へパワーアップすることができる。それを本能的に知っているモンスターは、魔石の匂いを嗅ぎつけ、魔石を捕食するためにダンジョンへと向かう」
「それが魔石に惹かれる、ってことですか」
「そう。魔力の匂いを嗅ぎつけ、自らを強大化させるためにモンスター共は魔力溜まりであるダンジョンへ向かう……のはずなんだけど」

女冒険者さんはそう言うと、やれやれと肩を落とした。

「だから普通は、Bランク以上のモンスターなんてダンジョンにいるもんなんだよね。まさか、街道でグレートウルフに襲われるとはねぇ……」
「今回は大量の魔石を運搬してたから、グレートウルフ達が魔石の香りを嗅ぎつけたってことでしょうか?」
「多分ね。本来なら、ドローレスの街をぐるりと囲む城壁……このモンスター避けの魔術壁のおかげで、街道にあんな強力なモンスターが出るなんてことはないんだけどねぇ。今回は運悪く、ダンジョンの外に出たグレートウルフの群れに嗅ぎつけられちまったってことなのかな」

やっぱりダンジョンは、あのグレートウルフみたいなモンスターが闊歩している場所らしい。
……憧れるけど、おれには無理だな。しかも、あのグレートウルフだけでランクBなんだろ?
ランクBってことは、きっと上にAとかSのランクがあるはず。うん、絶対に無理。っていうか、あのグレートウルフがランクBなことに驚きだよ。おれ的にはSSとかあげてもいいくらいなんだけど。

「ありがとうございます、おかげで色々と理解できました」
「そりゃ良かった。アタシみたいな冒険者にでも、人様に教えられることがあったなら良かったよ。……ああ、話している間に着いたね。ここが冒険者ギルドだよ」

女冒険者さんとの会話をしている間に、おれ達は冒険者ギルドへ到着したようだ。
石造りの二階建ての建物にオレンジ色の屋根をした建物は、思ったよりも大きくなかった。先程のミドロさんの商会より二回りほど小さいぐらいだ。その分、窓下には色とりどりの花が植木鉢に植えられて下げられているのが見た目に鮮やかだ。
……いや、もしかして、これはミドロさんの商会の方がすごいということなのか?

おれ達は女冒険者さんの一向に続いて冒険者ギルドに足を踏み入れた。興奮と不安で胸のドキドキが鳴り止まない。
初めて足を踏み入れた冒険者ギルドは、どこかひんやりとした冷たい空気を孕んでいた。きっと石造りの建物ゆえだろう。
中に入ってすぐ正面にカウンターがあり、回りには待合室のように長椅子が並べられている。長椅子にはちらほらと、女冒険者さん達と似たような格好の冒険者たちが座っていた。彼らが皆、じろじろとおれやアレクに視線を注いでくる。
よそ者が珍しいのだろうかと思ったが、すぐにそれは洋服のせいだと気がついた。おれもアレクも、冒険者達が来ているような防具や武器を何一つ身につけてない上に、こちらの世界では珍しい作りの服だ。さっき、女冒険者さんに「イイ所の坊っちゃん」なんて風に言われたけれど、もしかすると洋服のせいもあるかもしれない。早く、こっちの世界に馴染む洋服を手に入れないとなぁ……。

女冒険者さん達は慣れた足取りでカウンターに向かうと、受付嬢に「パーティー名『レッドハウリンング』、街道沿いのグレートウルフの件だ」と端的に告げる。

「レッドハウリリングの皆様ですね、お待ちしておりました。後ろの二名の方が、今回グレートウルフ討伐にご助力頂いた方でよろしいでしょうか?」
「ああ、そうだ」

女冒険者さんが頷くと、受付嬢さんはおれ達に向かって輝くような笑顔を浮かべてきた。

「さようでございましたか。今回はご助力、誠にありがとうございました。グレートウルフの査定は明日、完了する予定でございます。明日もう一度こちらのギルドにお越しいただくことは可能でしょうか?」
「大丈夫です」
「あと、取り分は8:2で頼む。アタシらの任務達成報酬は今日貰えるかい? グレートウルフの方は明日でいいから」
「かしこまりました。それでは明日以降、もう一度ギルドに起こしくださいませ。こちらで報酬の仕分けをしておきますので、別々にお越し頂いてもかまいません」

グレートウルフの査定は明日になるようだ。
何にせよ、これでお金が手に入るというのはありがたい。ミドロさんが手配してくれた10日分の宿の件も合わせて、10日間は余裕が持てそうだ。その間に、なんとかこのドローレスの街で生活できる手段が見つかればいいのだけれど……。

「お二方は冒険者としての登録はされていないのですよね?」
「え、ええ」

と、悩むおれに受付嬢さんがニコニコとした笑顔で話しかけてきた。

「それでは、ぜひ冒険者ギルドに加入して冒険者になりませんか? 運び込まれたグレートウルフの死体を拝見させて頂いたのですが、素晴らしいものでございました。ほとんど毛皮に傷もつけず、急所を一刀両断……Bランクのグレートウルフをあれだけ鮮やかなお手並みで討伐できるのですから、お二方ならすぐに高ランク冒険者になれるかと存じます」

どうやら、受付嬢さんはグレートウルフを討伐したのがおれ達二人だと思っているようだ。
残念ながらおれは全く何もしていない。アレク一人だけでやったことだ。

しかし……冒険者か。
確かに、アレクのあれだけの戦闘力があれば冒険者という職業もピッタリかもしれない。
アレクにちらりと視線を向ける。しかし、アレクは受付嬢さんのお誘いに何ら心が動かされた様子はなかった。ただ、おれと視線が合うと上機嫌そうな笑顔になり、にっこりと微笑みかけてくる。
その表情から、アレクはおれに決定権を委ねる気なのが分かった。

つまり、アレクはおれが冒険者になろうと言えば、冒険者になってくれるのだ。
……今のおれ達は無職で、おまけに無一文だ。衣食住の何一つよりどころがない。そんなおれ達にとって、自分の身体一つでお金を稼ぐことのできる冒険者という職業はピッタリかもしれない。
でも……。

「せっかくのお言葉ですが、少し考えさせてください」

おれの言葉に、女冒険者さんや受付嬢さんだけでなく、アレクまでもが驚いたような顔になった。水色の瞳をわずかに見開いておれを見つめている。

「なんだ、冒険者の仕事が不安かい? 別にアンタは登録しなくても、あっちの色男だけ登録することも出来るんだよ?」

意外そうな顔で首を傾げている女冒険者さんに、おれは苦笑いを返した。

「いや、アレク一人だけで冒険者となるとおれも心配ですし。それに、このドローレスの街には到着したばかりですから。しばらく小休止させて貰ってから考えたいと思います」
「……そっか。それなら、しばらくはこのドローレスで観光でもしたらいいさね。まぁ、こんな片田舎の街だと1日で観光も終わっちゃうだろうけどねぇ」

からからと笑い飛ばしてくれた女冒険者さんとは対照的に、受付嬢さんは名残り惜しそうな顔でおれとアレクを見つめ続けていた。

「そうですか……非常に残念ですが、冒険者ギルドはいつでも門戸を開いております。ぜひ、お時間に余裕が出来ましたら冒険者ギルドへお越しくださいませ」

受付嬢さんがあからさまな言葉と態度でなおも引き留めようとしてくるぐらいには、アレクの戦闘力はこの世界基準でも卓越したものだったらしい。

……でも、そうは言ってもアレク一人だけに戦わせるわけにもいかないよなぁ。
そんなことしたら、ますますおれ、アレクに見放されちゃうだろうしなぁ……。
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