完結 転生したら戦略結婚に巻き込まれた

音爽(ネソウ)

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小さな城

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そこは小さく見すぼらしい店だった。
でも彼女には城同然の暖かく、楽しいところだ。『ハンナレッタ駄菓子店』は薄利多売だがとても繁盛していた。毎日が楽しくて微笑みが絶えない店内は小さなお客さんで溢れている。

「ハナ!これオマケしてぇ!」
「ハナ、これはどうやって食べるの?」
「はいはい、ちょっと待ってね」

こんな風に日々子供たちの笑顔があった、ハンナレッタはとても充実した暮らしを送っていたのだ。たとえ貧しくても。だが、それをぶち壊すことが起きた。


とある貴族商家が彼女に目を付けたせいである。名はザカリード伯爵と言う。
「娘、これの製法を教えろ。言い値で買い取ってやろう」
「……お断りします、それは安価で子供たちに提供したいのです」

「ふん、貴族に楯突くか。いまに見ているが良い!」


貴族の威光を盾に、無理矢理に婚姻を結ぶ羽目になったハンナレッタは渋々の体で嫁入りした。だが、平民出の彼女には針の筵同然で身の置き場がない。皆、彼女を一瞥しただけで完全に無視をした。

当然のように結婚式など行われなかった。


「さあ、ここがお前が寝起きする場所で働き口だ。精々頑張るが良い」
伯爵は嫌味のつもりでそう言った、欲しいのはハンナレッタの商才なだけで彼女自身には興味がない。「ふふん」と鼻で笑って侮蔑の視線を向ける。

「まあ!こんな立派な店を任せてくださるの?素敵だわ」
「なんだと?」

確かに見た目は立派で無駄に大きな店だ、とても傾いているとは思えない。内情を知らない彼女は小躍りして店内へ入って行った。

「ふ、ふん!傾いた店を切り盛りしてみせろ、上手く行かなかったらわかっているな?」
「はい、私の実家に酷いことをなさるのでしょう?そうならない様に気を付けますね」

彼女はそう言って張り切るのだ。



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