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18 最終話(ざまあ
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ガイは額に大きな焼き印を押されていた、囚人奴隷に落ちた証だ。
二度にわたり同じ貴族家へ害をなした罰はとても重かった。
彼に刑期というものは無い、存命している限り罰は続く。
それが囚人奴隷である。
もっとも過酷と言われる北部の炭鉱で死ぬまで働くことになった。
頭から足先まで真っ黒になって働く。
終いには前後がわからないほど黒くなって死ぬのだ。
「せめて、せめて道具を貸してくれぇ。運ぶのはもう嫌だ、掘る方がいいんだ!」
手足がボロボロになったガイは監視人の足元に縋って請う。
「ダメだ、武器にもなりえるもんを貸すわけねぇだろうが!気安く触れるなゴミ!ノルマがこなせないなら今日も飯抜きだぞ!さっさと運べ!」
「そんなぁ……」
指先が裂け血が滲んでいようと硬いボタを運ばなければならない。
きょうも不満を漏らしながら、トロッコいっぱいにボタを積み上げ人力で運ぶのだ。
ノロノロすれば容赦なくムチが飛んできて背をボロボロにされる。
支給された服はすでに襤褸切れですらなくなり、肩から腰に下がるのはただの糸クズだ。
「アネリ……アネ……リ……ううう……どうしてこうなったんだ……俺達は夫婦になるはずだったのに」
白湯のようなスープを啜りながら、ガイは寒空の下で惨めに泣いている。
無駄に丈夫だった彼は、30年以上もそこで生きた。
二度にわたり同じ貴族家へ害をなした罰はとても重かった。
彼に刑期というものは無い、存命している限り罰は続く。
それが囚人奴隷である。
もっとも過酷と言われる北部の炭鉱で死ぬまで働くことになった。
頭から足先まで真っ黒になって働く。
終いには前後がわからないほど黒くなって死ぬのだ。
「せめて、せめて道具を貸してくれぇ。運ぶのはもう嫌だ、掘る方がいいんだ!」
手足がボロボロになったガイは監視人の足元に縋って請う。
「ダメだ、武器にもなりえるもんを貸すわけねぇだろうが!気安く触れるなゴミ!ノルマがこなせないなら今日も飯抜きだぞ!さっさと運べ!」
「そんなぁ……」
指先が裂け血が滲んでいようと硬いボタを運ばなければならない。
きょうも不満を漏らしながら、トロッコいっぱいにボタを積み上げ人力で運ぶのだ。
ノロノロすれば容赦なくムチが飛んできて背をボロボロにされる。
支給された服はすでに襤褸切れですらなくなり、肩から腰に下がるのはただの糸クズだ。
「アネリ……アネ……リ……ううう……どうしてこうなったんだ……俺達は夫婦になるはずだったのに」
白湯のようなスープを啜りながら、ガイは寒空の下で惨めに泣いている。
無駄に丈夫だった彼は、30年以上もそこで生きた。
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ガイ、炭鉱で30年も生きたんだ! すごいな。
彼にとって、「夫婦」ってなんだっんだろうか。最後まで、本人に向かって「金蔓」と言い放っててたけど。
アネリ、いっときでもこんなのに関わって大変だったね。
名無し様
ご感想ありがとうございます。
物凄いクズというキャラを書いてみたかったのが切っ掛けで始まりました。
若干実体験が……(留守中にお金盗まれたりw)
文才がないので矛盾が出てしまいました、ガイがアネリに執着した背景に「愛」は一応あるんです、最期まで本音に気づけないまま孤独死したわけですが。「夫婦になれなかった」と後悔してる台詞を吐いてます。
とりあえずドクズにざまぁ出来たので作者的にはスッキリしてます。('ω')
エステル様
ご感想ありがとうございます。
ノウキンヒーローがやらかして申し訳ありませんでした(;'∀')
でも愛は本物ですのでご勘弁を。
もっとスマートな性格に書きたかったのですが……。