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それぞれの思惑
「ふっふ~ん♪ふふふ~ん♪」
一方で、ケアリー・ミセルブル男爵令嬢は羽化登仙の境にいた、というのは些か言い過ぎだが、ふわふわとした頭はお花畑全開なのは確かである。
「いよいよね、私が王子妃候補に上がるのは時間の問題だわ!うふふふ~♪」
彼女の中ではすっかり王子妃の冠を頭に掲げキラキラと光っているようだ。身分差を考えれば叶うはずもない幻影なのだが、どこまでも羨ましい性格である。
「王子妃になったら~ええとぉ先ずは素敵なドレスよね!それから私に相応しい大粒のダイヤが欲しいわ!」
どこまでも取らぬ狸の皮算用を繰り返して悦にいるケアリーなのだ。そこへ、ロドリゲスの側近であるエリオットに遭遇する。彼は相変わらずモヤシのようで顔色が悪い、この日の彼は一段と青白い顔をして項垂れていた。
「あらぁ!エリオットじゃないの御機嫌よう!」
「あ"っ?あぁ……なんだケアリーか……済まないが取り合っている暇はない失礼する」
素っ気ない態度に眉を顰めるケアリーだったが、いつもの事なのでさして気にも留めない。彼はいつも臥せ身がちで何に関心があるのかサッパリなのだ。
「つまらない男ねぇ、一体何が楽しくて生きているのかしら?身分は侯爵で高くてもあれじゃあね」
肩を竦めて頭を振る彼女はエリオットのギスギスに痩せた背中を見て「関わりたくない」と舌を出す。そして、歩を進めると今度はもう一人の側近ダグリズに出会う。
彼は派手な出で立ちで目立つ存在だ、今日も両手に令嬢達を侍らせて歩いている。遊び人で浮名を流す彼はケアリーと馬が合った。
「やぁ、可愛いケアリーちゃん。一人かい?」
「うふ、そうよ。ロドリゲス、ロディを探しているのだけど知らない?」
だが、ダグリズはロドリゲスの名を出した途端に表情が硬くなる。先日の出来事を思い出しているのだ。再婚約をしようとして玉砕した彼の事を慮り浮かない顔をする。
「知らないよ、じゃあねケアリー」
「え、ちょっと!」
けんもほろろと言った態度にケアリーは面白くない顔をする、いつもならばチョッカイをかけて「デートしよう」などと誘ってくるのだが、それもない。見目が良い彼からの申し出は嬉しかったのだが今日は素っ気ない。
「あーぁ、つまんない。ちょっとくらいは遊んであげようと思ってたのに」
そんな風にブツブツと文句をぶー垂れていたケアリーはやっと目的の人物に出会うのだ。
「ロディ!ロドリゲス!会いたかったわマイダーリン!」
「げっ!ケアリー!こんな時に」
愛して止まない相手からも素っ気ない態度を取られる彼女は益々と不機嫌いなっていく。
「げっ!って何よ!ここの所ぜんぜん相手してくれないじゃない、私は寂しいわクスン」
しおらしい態度を見せていつものようにしな垂れかかろうとしたのだが、サッと躱されてしまった。急に身を翻えされて横にこけてしまう。
「痛いわ!なにようロディのバカぁ!」
「う、煩いな!いまはそれどころじゃないんだ!進退問題が発生しているのだから」
「え?しんたい?なんの話よ」
キョトリとする彼女を置いて王子はさっさと建物奥へと駆けて行った。
一方で、ケアリー・ミセルブル男爵令嬢は羽化登仙の境にいた、というのは些か言い過ぎだが、ふわふわとした頭はお花畑全開なのは確かである。
「いよいよね、私が王子妃候補に上がるのは時間の問題だわ!うふふふ~♪」
彼女の中ではすっかり王子妃の冠を頭に掲げキラキラと光っているようだ。身分差を考えれば叶うはずもない幻影なのだが、どこまでも羨ましい性格である。
「王子妃になったら~ええとぉ先ずは素敵なドレスよね!それから私に相応しい大粒のダイヤが欲しいわ!」
どこまでも取らぬ狸の皮算用を繰り返して悦にいるケアリーなのだ。そこへ、ロドリゲスの側近であるエリオットに遭遇する。彼は相変わらずモヤシのようで顔色が悪い、この日の彼は一段と青白い顔をして項垂れていた。
「あらぁ!エリオットじゃないの御機嫌よう!」
「あ"っ?あぁ……なんだケアリーか……済まないが取り合っている暇はない失礼する」
素っ気ない態度に眉を顰めるケアリーだったが、いつもの事なのでさして気にも留めない。彼はいつも臥せ身がちで何に関心があるのかサッパリなのだ。
「つまらない男ねぇ、一体何が楽しくて生きているのかしら?身分は侯爵で高くてもあれじゃあね」
肩を竦めて頭を振る彼女はエリオットのギスギスに痩せた背中を見て「関わりたくない」と舌を出す。そして、歩を進めると今度はもう一人の側近ダグリズに出会う。
彼は派手な出で立ちで目立つ存在だ、今日も両手に令嬢達を侍らせて歩いている。遊び人で浮名を流す彼はケアリーと馬が合った。
「やぁ、可愛いケアリーちゃん。一人かい?」
「うふ、そうよ。ロドリゲス、ロディを探しているのだけど知らない?」
だが、ダグリズはロドリゲスの名を出した途端に表情が硬くなる。先日の出来事を思い出しているのだ。再婚約をしようとして玉砕した彼の事を慮り浮かない顔をする。
「知らないよ、じゃあねケアリー」
「え、ちょっと!」
けんもほろろと言った態度にケアリーは面白くない顔をする、いつもならばチョッカイをかけて「デートしよう」などと誘ってくるのだが、それもない。見目が良い彼からの申し出は嬉しかったのだが今日は素っ気ない。
「あーぁ、つまんない。ちょっとくらいは遊んであげようと思ってたのに」
そんな風にブツブツと文句をぶー垂れていたケアリーはやっと目的の人物に出会うのだ。
「ロディ!ロドリゲス!会いたかったわマイダーリン!」
「げっ!ケアリー!こんな時に」
愛して止まない相手からも素っ気ない態度を取られる彼女は益々と不機嫌いなっていく。
「げっ!って何よ!ここの所ぜんぜん相手してくれないじゃない、私は寂しいわクスン」
しおらしい態度を見せていつものようにしな垂れかかろうとしたのだが、サッと躱されてしまった。急に身を翻えされて横にこけてしまう。
「痛いわ!なにようロディのバカぁ!」
「う、煩いな!いまはそれどころじゃないんだ!進退問題が発生しているのだから」
「え?しんたい?なんの話よ」
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