2 / 10
嬉し楽しダンジョン
「ああ、やっと自由になれたのね今でも信じられない。役立たずのフリも中々骨だったわ、それに奴隷契約のせいで能力を制限されていたし」
彼女はフイッと宙に何かを描く。それは魔法で黄金の光粒が彼女に降りると、貧相な服装があっという間に美しいローブに変化した。容姿も以前に比べれば雲泥の差である。べったりとした黒髪から金髪になっていて肌色も変化していた。あの親子と出会ってもわからないだろう。
「もし、こんな事が出来るだなんて知れたら、食い尽くされるだけだわ」
それを想像した彼女はブルッと背中を震わせた、強欲の固まりであるバシュロ親子の憎たらしい顔を思い出しプルプルと頭を振った。
身分は伯爵だが何故か冒険者をしていた、自称であるのでどこまで本当だかわからないが貴族であるのは本当らしい。大方、身の丈に合わない散財をして身上を潰したのだろうとアナベラは看破していた。
「さぁ、あんな連中のことなんて気にしない!私は私の幸せの為だけに生きるの!」
彼女はそう言うと魔法でポウッと灯りを付けた、彼女は無詠唱で魔法が使えるのだ。あの親子の前ではグズグズとして光を灯すのも数分使ったものだ。
「あ~便利!10m先まで見えちゃうわ。元々ダンジョンは薄明かりが灯っているけど幅広く見えるのは良いわね」
嫌がっていたダンジョン探索だったがバシュロ親子から解放された今は別である。無能のフリをせずとも良いので中級モンスターをバシバシと討伐して階下を目指している。
そうしてダンジョンの大ボスと対峙している今、心置きなく叩きのめすことが出来る。
「ガオォォン!ガルルル……」
厳ついが本能のままに暴れるだけのレッサードラゴンだ、身の丈は5mほど。ダンジョンのボスは毎回ランダムらしい。
「うーん。今回は外れかなぁ……レッサーだもの」
アナベラはそう言うと杖を翳し巨大な氷柱を無数にモンスターへ飛ばした。
***
そして、あれから6年が経ち、少女はすっかり大人になった頃。
「え、女がひとりでダンジョンで暮らしているだって?そんなまさか……」
とある冒険者PTの青年が笑い飛ばした、いくらなんでも与太話が過ぎるとあきれ顔だ。
「いやいや本当らしいぜ、別のグループから聞いた情報だ」
そのダンジョンはまるで生きているようだと言う噂のダンジョンで、階下の大ボスを倒す度に階数が増えていると言う。
「まぁいいさ、潜って見ればわかること」
「あ、まぁな、サクサクと行こうぜ!いま現在は200を超えるらしからな」
「200だと!?冗談だろう……」
あなたにおすすめの小説
「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった
歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。
だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」
追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。
一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。
誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。
「その言葉は、もう翻訳できません」
何もしなかっただけです
希臘楽園
ファンタジー
公爵令嬢であり王太子の婚約者であった私は、「地味だ」という理由で婚約を破棄され、王宮を去った。
それまで私が担っていた役目を、誰も知らないまま。
――ただ何もしなくなっただけで、すべては静かに崩れていく。
AIに書かせてみた第14弾は、「追放ざまぁ」系の短編。
【短編】花婿殿に姻族でサプライズしようと隠れていたら「愛することはない」って聞いたんだが。可愛い妹はあげません!
月野槐樹
ファンタジー
妹の結婚式前にサプライズをしようと姻族みんなで隠れていたら、
花婿殿が、「君を愛することはない!」と宣言してしまった。
姻族全員大騒ぎとなった
冷徹公に嫁いだ可哀想なお姫様
さくたろう
恋愛
役立たずだと家族から虐げられている半身不随の姫アンジェリカ。味方になってくれるのは従兄弟のノースだけだった。
ある日、姉のジュリエッタの代わりに大陸の覇者、冷徹公の異名を持つ王マイロ・カースに嫁ぐことになる。
恐ろしくて震えるアンジェリカだが、マイロは想像よりもはるかに優しい人だった。アンジェリカはマイロに心を開いていき、マイロもまた、心が美しいアンジェリカに癒されていく。
※小説家になろう様にも掲載しています
いつか設定を少し変えて、長編にしたいなぁと思っているお話ですが、ひとまず短編のまま投稿しました。
妹に初恋を奪われ追放された王女、私を捨てた騎士がなぜか二度恋してきます〜迷宮の通信機で再会したら執着が重すぎる〜
唯崎りいち
恋愛
妹を刺した――。
身に覚えのない罪で、迷宮へ捨てられた王女の私。
絶望の中で拾ったのは、スマホに似た『未知の魔導具』だった。
繋がった相手は、見知らぬ「名もなき騎士」。
孤独を癒やしてくれる彼に、私は正体を知らないまま惹かれていく。
「君のためなら、国にだって逆らう」
けれど、再会した彼の正体は……?
「国だって滅ぼす。それくらいの覚悟でここに来たんだ」
通信機から始まる、二度目の初恋と逆転ざまぁ。
「あたしってこーゆー性格だから」は全然かまいません
あんど もあ
ファンタジー
騎士科のレパルスと婚約した淑女科のフローラ。ラブラブな二人なのに、「あたしってこーゆー性格だから」とずけずけ言う女が割り込んで来て……。
「退屈な女だ」と婚約破棄されたので去りましたが、翌日から国政が止まったそうです。え、私はもう存じませんけど?
にたまご
恋愛
公爵令嬢クラーラは、ユリウス王太子殿下に婚約を破棄された。
「退屈な女だ」「何の取り柄もない」と。
否定はしない。
けれど殿下が知らないだけで、通商条約も予算案も外交書簡も、この国の政務の大半を六年間匿名で回していたのは──この「退屈な女」だ。
婚約破棄の翌朝、宰相補佐官のレオンが焼き菓子と四十二件の緊急報告を携えて公爵邸を訪れる。
「貴女がいなくなった王宮は、控えめに申し上げて、地獄です」
──存じません。私はもう、ただの無職ですので。