完結 王族の醜聞がメシウマ過ぎる件

音爽(ネソウ)

文字の大きさ
3 / 14

政策と仮初の妃

しおりを挟む



愚鈍たちが居ぬ間にテルダーティ宰相らが指揮を執り、新たな政策に乗り出した。
王政は最早ハリボテであり愚王の失脚は決定的となった、ドレイタス王は末席に納まり小さくなって議会に参加せざるをえない。
いろいろと物議を醸した大会議は昼夜問わず十日間にも及び、激論が交わされた。

「なんとか上手く纏まりそうじゃないか」
「はい、王族派はいまだ煩いですが、時間の問題でしょう」
「うむ、王は何も発言しないな。お飾りらしくそうしていれば良い」

宰相は議論の焦点である共和制について今一度再考しなおした、しかし、どう考えても君主政はやはり都合が悪いと結論づけるに至った。
「やはりこのままではダメだ……さて王族派をどう黙らせるか」
飾りの王は要らないのだと彼の中では決まってしまった。




「大公様、ご機嫌麗しゅう」
執務室にて仕事を熟していたアンドレイナ・サンドリーニ侯爵令嬢は恭しくお辞儀をした。訪問した宰相は堅苦しい挨拶は良いと苦笑する。

「仕事は順調かね、がいないほうが調子は良かろう」
「ええ、仰る通りですわ、出立する間際までイチャイチャと邪魔をしてきましたからね」
アンドレイナはテベリオとベネッタの嫌味ったらしい言動を思い出してゲンナリした。粉飾決算の書類を纏めて居住まいを正す。

「紅茶を淹れましょう、一区切りしましたの」
「ああ、頂こうか」
結局は仕事の話になっていしまう二人だったが、良い結果が得られたと彼女は思う。

「やはり財務大臣の関与が仇となりました、彼は失脚すべきかと」
「うむ、彼の身柄はすでに抑えたところだ。済まないなこんな事を押し付けて」
「いいえ、遣り甲斐がございます。膿は徹底的に絞り出すのですわ」

心強い言葉を聞いて彼は話題を変えた、仮の第二妃として今後どうするのかと。

「私個人のことですか?う~ん、考えた事もありません。このまま文官として身を置けたらと思います」
「……そのようなことで良いのか?もっと欲を出しても良かろう」

彼女はあくまで政務の歯車の一つとして人生を終わらせたいと考えていた。だが、そんな事はつまらないだろうと宰相は思う。

「どうだろうか、我が息子と……ランベルナイト・テルダーティと顔を合わせて貰えないか?」
「ランベルト様と……ですか」
若きテルダーティ家の御子息の名を出された彼女は困惑しつつも頬を熱くした。彼は新体制の要となる人物だ。卿は共和制になった暁には家督を譲ろうとしている。

「どうか、一考願えないだろうか。アヤツは仕事人間で血を通わせた人間とは言い難いが、真面目が過ぎるだけなのだよ」
そう言われた彼女は彼の相貌を思い浮かべてみた。白髪にアイスブルーの冷たい瞳、そして長身ですらりとした体躯。冷酷そうな冷たい顔を思い出して身震いをした。

「私なんかで宜しいのでしょうか、もっとお相手はいると思いますが」




しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

婿入り条件はちゃんと確認してください。

もふっとしたクリームパン
恋愛
<あらすじ>ある高位貴族の婚約関係に問題が起きた。両家の話し合いの場で、貴族令嬢は選択を迫ることになり、貴族令息は愛と未来を天秤に懸けられ悩む。答えは出ないまま、時間だけが過ぎていく……そんな話です。*令嬢視点で始まります。*すっきりざまぁではないです。ざまぁになるかは相手の選択次第なのでそこまで話はいきません。その手前で終わります。*突発的に思いついたのを書いたので設定はふんわりです。*カクヨム様にも投稿しています。*本編二話+登場人物紹介+おまけ、で完結。

【完結】婚約破棄の代償は

かずきりり
恋愛
学園の卒業パーティにて王太子に婚約破棄を告げられる侯爵令嬢のマーガレット。 王太子殿下が大事にしている男爵令嬢をいじめたという冤罪にて追放されようとするが、それだけは断固としてお断りいたします。 だって私、別の目的があって、それを餌に王太子の婚約者になっただけですから。 ーーーーーー 初投稿です。 よろしくお願いします! ※こちらの作品はカクヨムにも掲載しています

断罪された薔薇の話

倉真朔
恋愛
悪名高きロザリンドの断罪後、奇妙な病気にかかってしまった第二王子のルカ。そんなこと知るよしもなく、皇太子カイルと彼の婚約者のマーガレットはルカに元気になってもらおうと奮闘する。  ルカの切ない想いを誰が受け止めてくれるだろうか。  とても切ない物語です。  この作品は、カクヨム、小説家になろうにも掲載中。   

愛に代えて鮮やかな花を

ono
恋愛
公爵令嬢エリシア・グローヴナーは、舞踏会の場で王太子アリステアより婚約破棄を言い渡される。 彼の隣には無垢な平民の娘、エヴァンジェリンがいた。 王太子の真実の愛を前にしてエリシアの苦い復讐が叶うまで。 ※ハッピーエンドですが、スカッとはしません。

婚約破棄をされるのですね、そのお相手は誰ですの?

恋愛
フリュー王国で公爵の地位を授かるノースン家の次女であるハルメノア・ノースン公爵令嬢が開いていた茶会に乗り込み突如婚約破棄を申し出たフリュー王国第二王子エザーノ・フリューに戸惑うハルメノア公爵令嬢 この婚約破棄はどうなる? ザッ思いつき作品 恋愛要素は薄めです、ごめんなさい。

婚約破棄ですか? うーん、普通こうなりますよね?

ぼん@ぼおやっじ
恋愛
とある王国の暫定王太子、アングは自身の通う王立アカデミー高等科の殺業記念式典で高らかに吠えた。 「クラウディア・グランナよ、そなたとの婚約を破棄する。 そなたは王国の王妃としてふさわしくない! 私はアイリス・アンタン男爵令嬢と真実の愛に目覚めたのだ」 証拠を突き付け、クラウデイァを断罪しようとするアングだったが、どうも微妙にうまく事が運ばない。 果たして彼は、無事目的を達成することができるだろうか! というお話です。 あまり深く考えてないふわっとした作品なので、そういうものと思ってお楽しみください。 この手の話はほんと気楽に書けるから楽しい。

婚約破棄が国を亡ぼす~愚かな王太子たちはそれに気づかなかったようで~

みやび
恋愛
冤罪で婚約破棄などする国の先などたかが知れている。 全くの無実で婚約を破棄された公爵令嬢。 それをあざ笑う人々。 そんな国が亡びるまでほとんど時間は要らなかった。

大切にされないなら、大切にしてくれる人を選びます

南部
恋愛
大切にされず関係を改善できる見込みもない。 それならいっそのこと、関係を終わらせてしまえばいい。

処理中です...