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新しい未来
しおりを挟む愚かな元王太子夫妻が断頭されたのはそれから数日後のことだった。
ただのテベリオになった彼は身体中の穴から水を滴らせて、執行人を困らせた。異臭漂う中で執行となった。
ベネッタのほうは意外に冷静で少し暴れた程度だった、肝が据わると女は怖ろしい。ジッとアンドレイナの方を睨みつけて「地獄で待っているわ」と呪いともつかない言葉を発した。
「ああ、やっと終わったのね。でもこれからが大変だわ、国は相変わらず疲弊したままだもの」
痩躯を抱きしめて身震いするアンドレイナはやや窶れていた。
「ちゃんと食べているの?また痩せたんじゃないかな」
「食べているわよ……一食だけ」
それを聞いた彼は削る所を間違えていると苦言を呈する。
「ダメですよ、きちんと食事を摂らなければ後で差し入れしましょう」
「……恐れ入ります」
倒られては困ると考えた彼は食事の時間になると彼女につきっきりになった。また、贅沢だなんだと除けないようにだ。
「もう十分にいただきました!」
「駄目です、パンを半分だけなんて栄養が偏りますよ」
「でも……」
栄養を摂ることと贅沢をする事は別ですと彼は怒った。そういうことならばと遠慮せずに食べるようになったのだ。
「ほんと、貴方には敵わないわ」
「ふふ、婚姻の前に儚くなったら私は後を追いますからね」
「それは駄目ー!ちゃんと食べますから!」
「はいはい」
仲睦まじい二人の様子を見ていた侍女たちは「あんな顔をするなんて」と大いに驚く。
「変わられましたねぇ、坊ちゃん」
「ほんとうにね!」
「素敵なご夫妻になられるわ~」
元王族がやらかした失政の尻拭いはまだまだ続くが、彼らには新しい風が吹き出している。
完
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みんなの感想(5件)
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待ってる先の地獄で先逝ってた両親から罵詈雑言喰らわないとでも思ってるのかい元王太子夫妻
ご感想ありがとうございます。
それだけアンポンというわけです( ;∀;)
そのまま帰って来なければ…(ˇ人ˇ*)ナムナム
ご感想ありがとうございます。
(*'ω'*)
この旅って帰って来ない事が前提?
ノタレジニサセタイノカナ?(;´・ω・)
ご感想ありがとうございます。
しぶといですから(^_^;)