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爛れた心2
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*クズい話です
「茶を飲みますか、それともワイン?内腑が焼けるようなブランデーもありますわ」
「……ではワインを頼む」
客の所望を確認した遊女は備え付けのワインセラーから一本取り出して「グラスをとってくださる?」と強請ってくる。
振り向きざまに腰を振る所作がなんとも艶めかしくてクラレンスは言われるままに動いた。
「乾杯、熱い夜にいたしましょう」
「乾杯」
遊女は真っ赤な唇を美しく上げてからそれを飲み干した、それに倣って口を付ける彼は甘く舌に転がるワインに夢中になった。胃に熱がジンワリと広がると徐々にリラックスして余裕が出来る。
ちらりと目線を上げれば対面にいる遊女は夢見るような乙女の瞳を向けて微笑む、彼はつい豊満に膨らむ箇所に視線を這わせてしまう。
すると遊女が隣に座ってしな垂れかかってくるではないか、そして豊かな膨らみをグリグリと彼の腕に押し付けてきた。あざとい行為だがそういうサービスを売る場所なのだから仕方ない。
女子に免疫がないクラレンスは酔いも相まって劣情を剥き出しにしていった。
「あら、夜は長いですわ、お若い旦那様、ゆ~っくり楽しみましょう」
「そういうものなのか……だが肌に触れても良いかな?」
「どうぞお好きに、可愛がってくださいな」
***
欲に溺れた一夜を過ごした彼は女遊びの素晴らしさに目覚めてしまった。
あと腐れのない蕩けるような情交は理性の箍を外すには十分過ぎた。
美しいと見惚れた遊女であるが、翌朝には顔も碌に思い出せない。
なぜだか急に大人になったような錯覚をおこしたクラレンスは調子づく、そして相変わらず幼い容姿のプリシラをつまらない子供と益々下に見るようになる。
キラキラと純粋無垢な顔で彼女に纏わりつかれるほどに面倒に思うようになって行く。
ある日、友人アーリンから「妹が差し入れしたいと言ってる、面会してやって欲しい」と頼んできた。
度々侯爵家へ通っていたクラレンスは用があるならその時に済ませてくれと苦々しく思った。だが、相手は騎士団で個人的に会うことに意味があるらしい。
一度は了承したものの、やはり面倒になった彼は代理人を立てて面会を拒絶したのである。その行為がどれほどプリシラを傷つけ友人の信頼を裏切ったか考えもせずに。
侯爵家への訪問を出禁にされた彼は後悔もしたが、そんな事があってクラレンスはどんどんプリシラが煩わしくなっていた。彼の中で彼女の存在は出世の邪魔になる小娘でしかなくなったのだ。
苛立ち焦る日々が続いていた彼はストレスを抱え込む、そのはけ口は酒と女が手っ取り早いが金には限度がある。
そんなことで借金をするほど愚かでもないが悶々とする日々は増えるばかりだ。
寮の自室で安酒を煽り眠りについたある晩、喉の渇きに目が覚めた彼は食堂へ下りた。
遅番の騎士が何名か座ったまま居眠りしている姿を見た。
水瓶から水を拝借して喉を潤していると勝手口が開いた、振り向くと最近食堂の手伝いに加わった下女が荷物を抱えて立っていた。
「こんばんは、夜食作りと朝ご飯の下準備に来ました。なにか食べますか?」
「……いいや、腹はすいてない。邪魔をしたな」
そう返事すると下女は人懐こい笑顔を向けて、荷物をテーブルに置いた。いくつかの調味料と小麦粉を倉庫から持ってきたようだ。
「朝用のパンを仕込むのです、捏ねて寝かせるだけですけど」
「へぇ」
エプロンをした下女はエイミと名乗った、顔は地味だが健康そうな身体は熟れていてクラレンスが好きな大きな胸をしている。
麺棒を動かす度に揺れるそれに彼は釘付けになった、しばらく抑えていた劣情が再燃していく。
生地を捏ねるのを手伝うと言って彼は隣に立った、手を動かしつつ目線は隣の胸元だ。
事情を知らないエイミは「親切な騎士さん」と認定して惹かれるようになった。
度々手伝うようになるとエイミからアプローチしてくるようになった、下心から接してきたクラレンスはこれ幸いと男女の仲に持ち込んだのだ。
卑劣な男の心など知らないエイミはすっかり彼にのぼせ上る。愛されていると信じた彼女はすんなり身体を開いてしまったのである。
クラレンスは性格は悪いが将来有望の騎士で美男子だ、惚れてしまうのは仕方ないのだろう。
「大好きよクラレンス!きょうもたくさん愛して」
「ああ、いつもの倉庫で愛してあげよう」
婚約前に男女関係がバレたら外聞が悪いからと彼はいつも人目のつかない倉庫にばかり誘う。彼に恋するエイミは嘘を見抜けぬままに穢されいくのだった。
「茶を飲みますか、それともワイン?内腑が焼けるようなブランデーもありますわ」
「……ではワインを頼む」
客の所望を確認した遊女は備え付けのワインセラーから一本取り出して「グラスをとってくださる?」と強請ってくる。
振り向きざまに腰を振る所作がなんとも艶めかしくてクラレンスは言われるままに動いた。
「乾杯、熱い夜にいたしましょう」
「乾杯」
遊女は真っ赤な唇を美しく上げてからそれを飲み干した、それに倣って口を付ける彼は甘く舌に転がるワインに夢中になった。胃に熱がジンワリと広がると徐々にリラックスして余裕が出来る。
ちらりと目線を上げれば対面にいる遊女は夢見るような乙女の瞳を向けて微笑む、彼はつい豊満に膨らむ箇所に視線を這わせてしまう。
すると遊女が隣に座ってしな垂れかかってくるではないか、そして豊かな膨らみをグリグリと彼の腕に押し付けてきた。あざとい行為だがそういうサービスを売る場所なのだから仕方ない。
女子に免疫がないクラレンスは酔いも相まって劣情を剥き出しにしていった。
「あら、夜は長いですわ、お若い旦那様、ゆ~っくり楽しみましょう」
「そういうものなのか……だが肌に触れても良いかな?」
「どうぞお好きに、可愛がってくださいな」
***
欲に溺れた一夜を過ごした彼は女遊びの素晴らしさに目覚めてしまった。
あと腐れのない蕩けるような情交は理性の箍を外すには十分過ぎた。
美しいと見惚れた遊女であるが、翌朝には顔も碌に思い出せない。
なぜだか急に大人になったような錯覚をおこしたクラレンスは調子づく、そして相変わらず幼い容姿のプリシラをつまらない子供と益々下に見るようになる。
キラキラと純粋無垢な顔で彼女に纏わりつかれるほどに面倒に思うようになって行く。
ある日、友人アーリンから「妹が差し入れしたいと言ってる、面会してやって欲しい」と頼んできた。
度々侯爵家へ通っていたクラレンスは用があるならその時に済ませてくれと苦々しく思った。だが、相手は騎士団で個人的に会うことに意味があるらしい。
一度は了承したものの、やはり面倒になった彼は代理人を立てて面会を拒絶したのである。その行為がどれほどプリシラを傷つけ友人の信頼を裏切ったか考えもせずに。
侯爵家への訪問を出禁にされた彼は後悔もしたが、そんな事があってクラレンスはどんどんプリシラが煩わしくなっていた。彼の中で彼女の存在は出世の邪魔になる小娘でしかなくなったのだ。
苛立ち焦る日々が続いていた彼はストレスを抱え込む、そのはけ口は酒と女が手っ取り早いが金には限度がある。
そんなことで借金をするほど愚かでもないが悶々とする日々は増えるばかりだ。
寮の自室で安酒を煽り眠りについたある晩、喉の渇きに目が覚めた彼は食堂へ下りた。
遅番の騎士が何名か座ったまま居眠りしている姿を見た。
水瓶から水を拝借して喉を潤していると勝手口が開いた、振り向くと最近食堂の手伝いに加わった下女が荷物を抱えて立っていた。
「こんばんは、夜食作りと朝ご飯の下準備に来ました。なにか食べますか?」
「……いいや、腹はすいてない。邪魔をしたな」
そう返事すると下女は人懐こい笑顔を向けて、荷物をテーブルに置いた。いくつかの調味料と小麦粉を倉庫から持ってきたようだ。
「朝用のパンを仕込むのです、捏ねて寝かせるだけですけど」
「へぇ」
エプロンをした下女はエイミと名乗った、顔は地味だが健康そうな身体は熟れていてクラレンスが好きな大きな胸をしている。
麺棒を動かす度に揺れるそれに彼は釘付けになった、しばらく抑えていた劣情が再燃していく。
生地を捏ねるのを手伝うと言って彼は隣に立った、手を動かしつつ目線は隣の胸元だ。
事情を知らないエイミは「親切な騎士さん」と認定して惹かれるようになった。
度々手伝うようになるとエイミからアプローチしてくるようになった、下心から接してきたクラレンスはこれ幸いと男女の仲に持ち込んだのだ。
卑劣な男の心など知らないエイミはすっかり彼にのぼせ上る。愛されていると信じた彼女はすんなり身体を開いてしまったのである。
クラレンスは性格は悪いが将来有望の騎士で美男子だ、惚れてしまうのは仕方ないのだろう。
「大好きよクラレンス!きょうもたくさん愛して」
「ああ、いつもの倉庫で愛してあげよう」
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