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常日頃からオツムのほうが残念であると陰口を叩かれている王太子アーサー・ザンネル。その能無しを補うために妃に選ばれたのは氷の美少女ことブリジット・サーマン公爵令嬢十六歳だ。宛てがわられた方は迷惑千万である。
嫌がる公爵家に王と王妃が土下座して成せた婚約だった。
それだと言うのにおバカさんはやらかしたのである。
断罪劇と称したその場はなんと婚約発表の夜会だった。もはや目が当てられないと王と王妃は頭の上に鎮座させていた冠を投げ捨てた。カシャカシャンという硬質な雑音にアーサーは驚いて振り返った。
「なにをしているのですか、父上、母上!これからが見せ場なのに」
邪魔をされたと思った彼は頬を膨らませて駄々っ子のように地団太を踏んだ。どうやら精神年齢が五歳から止ったままのようだ。
「二十一歳にもなってもその言動と仕草か、私達の教育は遥か昔から間違っていたようだ」
「ええ、猛省すべきですわ……、この瞬間をもって王妃を辞します」
「うむ、余も王の座を下りよう」
それを聞いたアーサーは王太子からいきなり王に就けると勘違いをして「やったー!」と万歳をした。それを見た宰相はじめ大臣らは呆気にとられ、参列していた貴族たちも無になった。場が凍り付くとはこういうことなのだろう。
「やったぞ!愛しのメロミア、俺達は今日から王と王妃だぞ!」
「えぇ~そうなのぉ?それってすごいよね?や~だ~メロちゃん幸せぇ」
まるで人形のような装いのメロミアは大きなピンクのリボンを頭頂部で揺らしてクネクネと身体を揺らした。だが貧乳だったために何か足らない気がした。全身がピンクすぎて目が痛いと外野は思う。
こんな花畑たちが国の頂点に納まったら、即日国が崩壊するだろうと宰相は蟀谷辺りを揉む。
嫌がる公爵家に王と王妃が土下座して成せた婚約だった。
それだと言うのにおバカさんはやらかしたのである。
断罪劇と称したその場はなんと婚約発表の夜会だった。もはや目が当てられないと王と王妃は頭の上に鎮座させていた冠を投げ捨てた。カシャカシャンという硬質な雑音にアーサーは驚いて振り返った。
「なにをしているのですか、父上、母上!これからが見せ場なのに」
邪魔をされたと思った彼は頬を膨らませて駄々っ子のように地団太を踏んだ。どうやら精神年齢が五歳から止ったままのようだ。
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「ええ、猛省すべきですわ……、この瞬間をもって王妃を辞します」
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それを聞いたアーサーは王太子からいきなり王に就けると勘違いをして「やったー!」と万歳をした。それを見た宰相はじめ大臣らは呆気にとられ、参列していた貴族たちも無になった。場が凍り付くとはこういうことなのだろう。
「やったぞ!愛しのメロミア、俺達は今日から王と王妃だぞ!」
「えぇ~そうなのぉ?それってすごいよね?や~だ~メロちゃん幸せぇ」
まるで人形のような装いのメロミアは大きなピンクのリボンを頭頂部で揺らしてクネクネと身体を揺らした。だが貧乳だったために何か足らない気がした。全身がピンクすぎて目が痛いと外野は思う。
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