不思議森の妖精ご飯

音爽(ネソウ)

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プニプチ作り

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試行錯誤を繰り返し失敗ばかり
プニプニの食感がどうしてもできない。


椅子の背もたれにグッタリ伸びて、天井の梁をみつめた。
テントウムシは日向ぼっこ中。

最近はほとんど動かない、転寝してるようだ。
たまに触覚をピクリとしてる。

「つやつやピカピカだ」

ツルリと丸い赤い羽がキラリと反射する。
『雪がふる前に大勢の仲間と籠る場所を探すのよ』

数日前にそんなことを言ってたね。
この家の梁が好きなんだから、ずっといればいいのにな。

温かい布団だって貸してあげるのに。

友達と仲間ってどう違うの?

妖精は自分の背にたたまれた薄い羽を広げてみた。
普段なんか意識してみない、当たり前にそれはいつもボクの背にあるから。

姫はキラキラ光って宝石を散らしたようだと言ってくれた。
ボクの青い目が好きだと言って「あの名前」をくれたんだ。


もう会えないボクの友達で恋人。


☆★



花が減ってきて花粉が取れなくなったとミツバチが報告に来た。

「プニプニの食感?」窓のヘリにとまってハチが頭をクリンとした。

「プニプニは私たちの兄弟で赤ちゃんだけどあげないわよ」
「え、いらないよー」

「でも人間は食べるわよ?栄養がいっぱいだって」
「へぇそうなんだ・・・」

女王蜂が食べるゼリーはプニプニに近いけど、あげられないのって悲しそうに言われた。
くださいなんてとても言えない。

だってアレはドロリじゃなかった?

お鍋に入れた花蜜もトロリでだいぶ遠い。
なにが足りないんだろう・・・

エビカズラの汁もたしてみたらちょっとモッタリはした。
「ぷにぷにぷにぷに・・・」

ボクは貯蔵庫に降りてみた。
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