完結 全て丸投げしたのは貴方

音爽(ネソウ)

文字の大きさ
1 / 14

アデライドの結婚

しおりを挟む
一人娘であるアデライド・ルフィント伯爵令嬢19歳はシャルル・オレール子爵令息を婿として迎え入れた。ゆくゆくは二人で手を取り合い領地運営をしていくつもりだ。

「見ていてアデラ、ボクは頑張るよ!きっと南地区一の領土にしてみせる!」
「まぁ、頼もしいわシャルル、期待しているわね」
「あぁ絶対さ!大船に乗ったつもりでいて」

ところが、領地の一部を任せた所損害を出してしまったシャルルは大きく悄気た。初めての事なので仕方がないとアデラライドは慰める。それにしても、損害を出す方が可笑しいほど安定した土地だった。

「アデラや、あの男は無能なのか?安定した一番小さい村で損を出すとは……規模が小さいから今回は見逃すが次はないと思えよ」
温厚なルフィント卿は珍しく不機嫌だった、”期待ハズレ”も良いところだと怒ったのだ。損害を出す方が難しいと言われる土地だった為に余計である。

「お、お父様、お怒りなのはわかりますが、もっと長い目でみて頂きたいわ」
「ほぉ長い目ねぇ……大船どころか泥船ではないか、では次期は黒字に出来るわけだな?任せて良いのだよな?」
「もちろんですとも!ご期待にそえてみせますわ」





***


「金貨200枚の損失……挽回するためにはこの無駄な予算を削らないと、ところでこの予算案を出したのは何故なのシャルル?前年度通りにすれば問題なかったはずよ」
しょぼくれて体育座りをしている小男をチラリとみて苦言を呈するアデライドは詰問した。その冷たい視線に気が付いたシャルルはブツブツと聞こえない言い訳をする。

「聞こえないわシャルル、しゃんとして頂戴。サポートする私にわかるようにね、ねぇ聞いてる?」
「……聞こえてるさ、そんなにガミガミ言わないで……義父殿にこってり絞られたばかりなんだ」
「はぁ、そうね。この調子では任せる仕事がないわ」

頭が痛いと溜息を吐くアデライドは”どうしてこれくらいの事が出来ない”と嘆いた。前年に倣って運営さえすれば黒字に出来たはずだ。二人は幼馴染で姉弟のように育った、気心が知れた間柄だった為に婚姻したのだ。彼は勉学もそこそこ出来たし問題ないと判断したのだ。
先ほどフォローした己が情けないとさえ思った。






しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ローザとフラン ~奪われた側と奪った側~

水無月あん
恋愛
私は伯爵家の娘ローザ。同じ年の侯爵家のダリル様と婚約している。が、ある日、私とはまるで性格が違う従姉妹のフランを預かることになった。距離が近づく二人に心が痛む……。 婚約者を奪われた側と奪った側の二人の少女のお話です。 5話で完結の短いお話です。 いつもながら、ゆるい設定のご都合主義です。 お暇な時にでも、お気軽に読んでいただければ幸いです。よろしくお願いします。

恩知らずの婚約破棄とその顛末

みっちぇる。
恋愛
シェリスは婚約者であったジェスに婚約解消を告げられる。 それも、婚約披露宴の前日に。 さらに婚約披露宴はパートナーを変えてそのまま開催予定だという! 家族の支えもあり、婚約披露宴に招待客として参加するシェリスだが…… 好奇にさらされる彼女を助けた人は。 前後編+おまけ、執筆済みです。 【続編開始しました】 執筆しながらの更新ですので、のんびりお待ちいただけると嬉しいです。 矛盾が出たら修正するので、その時はお知らせいたします。

家族の肖像~父親だからって、家族になれるわけではないの!

みっちぇる。
ファンタジー
 クランベール男爵家の令嬢リコリスは、実家の経営手腕を欲した国の思惑により、名門ながら困窮するベルデ伯爵家の跡取りキールと政略結婚をする。しかし、キールは外面こそ良いものの、実家が男爵家の支援を受けていることを「恥」と断じ、リコリスを軽んじて愛人と遊び歩く不実な男だった 。  リコリスが命がけで双子のユフィーナとジストを出産した際も、キールは朝帰りをする始末。絶望的な夫婦関係の中で、リコリスは「天使」のように愛らしい我が子たちこそが自分の真の家族であると決意し、育児に没頭する 。  子どもたちが生後六か月を迎え、健やかな成長を祈る「祈健会」が開かれることになった。リコリスは、キールから「男爵家との結婚を恥じている」と聞かされていた義両親の来訪に胃を痛めるが、実際に会ったベルデ伯爵夫妻は―?

自業自得の召喚代償

みっちぇる。
ファンタジー
魔王に対抗するために召喚した? そんなの私達には関係ないじゃない! ―ー関係ない人に全て押し付けて自分たちは高みの見物? そんなのは許しません! それ相応の犠牲ははらってもらいます。 ……シリアスを目指しましたがなりそこねました。 この話に恋愛要素はありませんが、今後追加するおまけに恋愛要素を入れる予定なので恋愛カテゴリーに変更しています。

王太子の愚行

よーこ
恋愛
学園に入学してきたばかりの男爵令嬢がいる。 彼女は何人もの高位貴族子息たちを誑かし、手玉にとっているという。 婚約者を男爵令嬢に奪われた伯爵令嬢から相談を受けた公爵令嬢アリアンヌは、このまま放ってはおけないと自分の婚約者である王太子に男爵令嬢のことを相談することにした。 さて、男爵令嬢をどうするか。 王太子の判断は?

失踪していた姉が財産目当てで戻ってきました。それなら私は家を出ます

天宮有
恋愛
 水を聖水に変える魔法道具を、お父様は人々の為に作ろうとしていた。  それには水魔法に長けた私達姉妹の協力が必要なのに、無理だと考えた姉エイダは失踪してしまう。  私サフィラはお父様の夢が叶って欲しいと力になって、魔法道具は完成した。  それから数年後――お父様は亡くなり、私がウォルク家の領主に決まる。   家の繁栄を知ったエイダが婚約者を連れて戻り、家を乗っ取ろうとしていた。  お父様はこうなることを予想し、生前に手続きを済ませている。  私は全てを持ち出すことができて、家を出ることにしていた。

なくなって気付く愛

戒月冷音
恋愛
生まれて死ぬまで…意味があるのかしら?

さよなら 大好きな人

小夏 礼
恋愛
女神の娘かもしれない紫の瞳を持つアーリアは、第2王子の婚約者だった。 政略結婚だが、それでもアーリアは第2王子のことが好きだった。 彼にふさわしい女性になるために努力するほど。 しかし、アーリアのそんな気持ちは、 ある日、第2王子によって踏み躙られることになる…… ※本編は悲恋です。 ※裏話や番外編を読むと本編のイメージが変わりますので、悲恋のままが良い方はご注意ください。 ※本編2(+0.5)、裏話1、番外編2の計5(+0.5)話です。

処理中です...