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先の事など知るものか
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バザーを無事に終えたルフィント家は肩の荷が下りたと安堵の表情だ。だが、ルフィント卿だけは少々不満顔である。
「なぁアデライドや、その……気になる男性はいないか?」
「あら、お父様ったら出し抜けに何をおっしゃるの、まさか。……イアンの事じゃないでしょうね?」
「う”っ……気づいていたのか」
彼女は大きく溜息をついて、あのようにワザとらしく自分の前に現れて、しかも紳士然として出て来たイアンである。気が付くなと言う方が無理があると苦言を呈した。
「わかっておりますよ。私の未来を慮っての事だとは……ですが、ここまでお膳立てされるとね」
「すまん!家令の甥をフェリイアン・ブライテスを押し付けてしまった!」
「まぁ……そんな所だと思いましたわ」
フェリイアンは継ぐ爵位こそないのだが、れっきとした侯爵家の三男坊であった。出自としては申し分ないと言える。
「ふふ、お父様。お気持ちはわかります、私の事を思って下さっているのでしょう。痛いほどわかります」
「それじゃあ!」
パアッと顔色を明るくする卿だったが、そこはアデライドである。
「私は私の人生、人に操作された未来など誰が享受できましょう。ですが、紳士としては合格ですわ」
アデライドは嫋やかに微笑むのだった。
完
「なぁアデライドや、その……気になる男性はいないか?」
「あら、お父様ったら出し抜けに何をおっしゃるの、まさか。……イアンの事じゃないでしょうね?」
「う”っ……気づいていたのか」
彼女は大きく溜息をついて、あのようにワザとらしく自分の前に現れて、しかも紳士然として出て来たイアンである。気が付くなと言う方が無理があると苦言を呈した。
「わかっておりますよ。私の未来を慮っての事だとは……ですが、ここまでお膳立てされるとね」
「すまん!家令の甥をフェリイアン・ブライテスを押し付けてしまった!」
「まぁ……そんな所だと思いましたわ」
フェリイアンは継ぐ爵位こそないのだが、れっきとした侯爵家の三男坊であった。出自としては申し分ないと言える。
「ふふ、お父様。お気持ちはわかります、私の事を思って下さっているのでしょう。痛いほどわかります」
「それじゃあ!」
パアッと顔色を明るくする卿だったが、そこはアデライドである。
「私は私の人生、人に操作された未来など誰が享受できましょう。ですが、紳士としては合格ですわ」
アデライドは嫋やかに微笑むのだった。
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