ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)

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新天地篇

魔導士協会の偵察

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虚飾の城を撤退したボクらは一応ナザルリーフ内を自分の足で見分することにした。

「ドリュアス殿、粗方情報を集めたのに滞在するのは何故である?」
肩の上でグルドが問いかけてきた、コイツどこに隠れてたんだ?

「急ぐ旅でもないし、根だけでは拾えない事もあるのさ」
「え、そんな事があるんですか?」
ラミンの疑問にボクは答えた。

「妨害されてるんだ、恐らく結界魔道具ってやつにね。転移できない場所もあるかもね」
「へぇ人間のくせに生意気ですぅ!」

まぁまぁラミン、プライバシーを護りたいとう自己防衛は誰しも持つものだろ。
カリュアスは情報ダダ漏れだったから、根が阻まれたこの国は新しい刺激をくれた。その辺は感謝かな。

ラミンの愉快な下僕たちが言っていた魔導士協会とやらが気になったんだ。
そこは特に結界が強くてボクの根の先が焼けてしまった、ちょっと痛かったぞコノヤロ!

王城から30分ほど歩いた王都の中央にその建物があった。
王族を凌ぐほどの力を持ったというがはたして如何なモノか、ちょっぴりワクワクしてたらマホガニーから注意がくる。

「坊ちゃん、魔道具とやらはどのようなモノか我らには良く分かっておりません。くれぐれも単独行動は慎んでください」
「わかってるよ、盗賊狩りで無茶したのを怒ってるんだろう?」
「左様です、王たる坊ちゃんがいかに強くとも、万が一に代替えなどしたら私どもは耐えられません!」

マホガニーがいつもに増して心配していた、そうか「死」というものがないとはいえ、この身は朽ちる。
それが精霊外の動植物の「死」に値するならばボクだって望まないさ。
蘇るとしたらそれはボクであっても違う存在になるのだね、なんだか不思議。

マホガニーとボクの会話に聞き入っていたグルドがなにか険しい顔をしていた、問いかけたが答えてはくれなかった。おしゃべりグルドにしては珍しいことだ。


協会前についたボクらは二手に分かれ情報収集にあたる。
ボクとグルドとラミンが受付へ向かい、マホガニーとエリマ、アクティは教会内部を行き交う魔導士達へ探りをいれる。

「こんにちは、ボク達魔導士登録にきました」
ド田舎からやってきた姉弟のていで受付嬢へ声をかけた、不審がられることもなく魔力検査なるものを受けた。

「では石板に手を置いて光が灯れば合格です、初期登録レベルは一律Fの最下級となります」
まずはラミンが合格を貰いモロモロの説明を受けて身分証なるものを受け取った。

それからボクも石板に手を置く、手形のように凹んだ石板はヒヤリとしていた。
それから数秒で温かくなりパァッと光った。うん、良かった合格だね。

「まぁ10歳で合格だなんて凄いわ!君は魔力が高いのね!」
ウン、ソウデスネ……一応ドリアード王なので低かったら困りますね……。

「えーと数値を確認して書かせていただきま……え!?」
「え?」


なにやらわからないが奥の方へ走っていった受付嬢が上司をひっぱり戻って来た。
「なんだこの巫山戯た数値は!」

知らないよ。


更に面倒なことに教会副会長なる人物に合わされる羽目になった。
重厚な扉の奥に強面のオッサン……ではなくて美少女が大きな椅子に鎮座していた。執務机が大きすぎて彼女の身体は頭しかでていない。

あまりに不似合いなその存在にしばし呆けてしまった。
「ようこそ、魔導士協会へ。飴食べる?」
「……いいえ、心使いだけいただきます」

棒つきキャンディをレロレロしながらとある書類を引き出しからとりだすと少女が応接セットへやってきた。
「ほい、ここに座ってこの書類にサインしてね」
「なんのサインですか?書類を読ませてください」

そういうボクに面倒そうなそぶりで喚きだした。
「はぁ、あんたね特別優遇してやるっつてんのよ?大人しくサインしろ!」
「なんて乱暴な!」

付き添いのラミンが激高してピコピコを取り出して威嚇する。
「ラミン落ち着け、よくわからないが身分を笠に偉ぶりたい年頃なんだろう。許してやれ」
「ぶぅ!こんな小娘は秒で屠るべきですぅ!許すまじでーす!」

宥めるのに失敗していたら、副会長こと少女がラミンに向かって火魔法を放った。
ラミンはハンマーを一振りして火を消してしまう。

「ああん?生意気に私の魔法を消した」
激高した少女がまたも攻撃をしてくる今度は水魔法だ、ラミンは動じることなくそれを
「美味しくないけど潤ったぞ♪」

「な!いま何をした!?大穴を穿つほどのウォータプレスだぞ!」
「え、そんな凄いの部屋の中でだしちゃ大惨事では?」

というか仮にも生き物にそれを放つってどういうことだよ!
自慢の魔法らしいのを2連続で消された副会長は怒りを通り越して呆れていた。

「わかったぞ、高魔力を持つってのはお前だな!名はなんだ!」
「ラミンだぞ!でも魔力が高いのはドリュアス様なのだ!平伏すが良いのだぁ!」
「は?お前じゃないのか」

所在無げに座っていたボクの方を見ると「こんなガキんちょがS級越えの魔力持ち!?」
いや、キミさ。さっき書類をボクに差し出してたよね?
なんにも考えない猪突猛進タイプかな……これが副会長なのか。

彼女らのじゃれ合いの隙に読ませてもらったけど、なにこれバカにしてるのかな。
書類の内容を圧縮して解釈すれば「高待遇を対価に身命を賭して馬車馬のように生涯働け」のような内容だった。

「ムリ」

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