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新天地篇
大海のサウスバーグ
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サラマンデルの襲撃から3日、ボクらは予定より1日遅れで渓谷に到着した。
恐る恐る根を伸ばせば何の違和感も感じなく安堵した、ここでようやく魔道具の結界がなくなったんだ。
「そんじゃ転移と行きたいけど、まだグルドは寝てる?」
「はい、少しだ起こしましょう。」
そういうとマホガニーは内ポケットからグルドを引っ張り出し揺すった。
おいおい、乱暴な……。
「な、なんなのである?まだ眠い……すぴ」
「こら!寝るなメタボ!仕事をしろ、バッグに荷馬車を入れるんだ」
そう怒鳴られグルドは目を擦りつつ「クロスクロノス……」と呟き荷馬車を吸い込ませた。
「お疲れグルド、お腹空いてるだろクルミを食べて?」
「おお!さすがドリュアス殿いただくのである!」
数個の胡桃を前にグルドは目を爛々と輝かせて齧りついた。
しかし、ぜんぶ食べ終えるとすぐにボクのポケットへ入って寝息を立ててしまった。
余程疲労が溜まっているのだろう。
でも久しぶりのグルドの温もりを感じてボクは安心したよ。
キミは死んじゃうのかと心配してたんだ。
上着の上から優しく撫でて、みんなに向かって転移発動の合図送る。
ボクを中心にドリアード族が輪を作る、彼等を葉で包み蔦で保護するように巻きつけた。
目標は渓谷向こうのサウスバーグ国境、素早く根を伸ばし場所を特定する。
「転移」
身体がぐにゃり溶ける感覚がきて、根に吸い取られるようにボクらは移動する。
前回はマホガニー頼りだったが王として発動できた、だがやはりこの奇妙な感覚は慣れそうもない。
ちなみにメイペルは置き去りだ、魔導士なんだからそのへん自力でなんとかするだろう。
別に徒歩でも魔道具移動でも旅はできるのだから。
***
国境付近の森林に僕らは無事転移した。
荒れ地だったナザルリーフとは大違いな風景が広がっていた。
見た事のないチクチクした表皮の木が等間隔で生えている、人の手が入った育ち方だと思われる。
物知りのマホガニーが背が高いのがヤシでずんぐり低いのがソテツだと言った。
「坊ちゃん、なんで国内へ転移しないんす?」
「あぁ、ボクらが人前で突然生えたら吃驚されて警戒されても面倒だろ?それに不法侵入ってのを人族は嫌がるからね」
なるほどとアクティは納得して「人間ルールは面倒っす」と零した。
ラミンが「不思議な臭いがする」とクンクン鼻を鳴らす、ボクも倣って吸い込んだ。
「そっかこれが潮の香か!」
「うーん、美味しい匂いとはちょっと違いますね」
同じく吸い込んだエリマが感想をのべた、たしかに果実とはだいぶ違うね。
いつのまに転移したのかメイペルが背後から声をかけてきた。
「南国のフルーツは甘くて美味しいですよ、とくにアナナス(パイナップル)が私は好きです」
「へぇそうなのか、食べてみたいな」
味の説明を受ければ黄色くてサクサクでとても甘いそうだ、うーんわからん。
「ドリアードいえど知らない植物だってあるんだよ。」
「長きに渡りカリュアスに縛られていたからな、仕方ないのである」
「わっ!グルド起きたの?」
ポケットから這い出たグルドが塩辛い匂いがして目が覚めたと言った。
「グルドは潮風きらい?」
「うむむ、我は森林の匂いが好きである。胡桃の精だからな。多すぎる塩気は植物を枯らす。しかし塩を好む草もあるのだぞ」
「へぇ面白いね!」
ボクが感心すれば「勉強不足だ、先祖の記憶ばかり頼ってはいかん」と叱られた。
ごめん、精進します……。
グルドが再び荷馬車をだしボクらは乗り込む。
サウスバーグを知るためにメイペルも搭乗を許して国境砦を行く道すがら色々話した。
「御礼だ受け取ってくれ。特製の回復薬だ」
「え、いいんですか?こんな凄い薬」
「対価を払うのは人間のルールだろ?」
ありがとうございます、とメイペルは言うと大事そうに懐へしまった。
……無尽蔵に作れるのは内緒にしとこう。
転移先から30分ほどで砦に着いた、屈強な兵士らが国境城砦を護っていた。
じろじろと威嚇してくる兵士達が身分証提示を求めてきた。
身分証がないボクらは金を支払おうとしたが、メイペルが騎士達に挨拶するとあっさり無償で通れた。
「これでもナザルの魔導士協会副会長ですから元ですけど」
なんと思わぬところで役に立つメイペル。
「でも王都に入るならまた足止めされますよ。今度は顔パスとはいかないかも」
メイペルは申し訳なさそうに言う。
「そうか、金は足りると思うが今後金策しないと困るな」
旅を続ける限り人間とはなにかしら交流するだろう、サウスバーグで少し滞在すべきかもしれないな。
「あ、あの……薬屋とかどうですか?」
「え?」
メイペルの提案にボクはキョトンとした。
恐る恐る根を伸ばせば何の違和感も感じなく安堵した、ここでようやく魔道具の結界がなくなったんだ。
「そんじゃ転移と行きたいけど、まだグルドは寝てる?」
「はい、少しだ起こしましょう。」
そういうとマホガニーは内ポケットからグルドを引っ張り出し揺すった。
おいおい、乱暴な……。
「な、なんなのである?まだ眠い……すぴ」
「こら!寝るなメタボ!仕事をしろ、バッグに荷馬車を入れるんだ」
そう怒鳴られグルドは目を擦りつつ「クロスクロノス……」と呟き荷馬車を吸い込ませた。
「お疲れグルド、お腹空いてるだろクルミを食べて?」
「おお!さすがドリュアス殿いただくのである!」
数個の胡桃を前にグルドは目を爛々と輝かせて齧りついた。
しかし、ぜんぶ食べ終えるとすぐにボクのポケットへ入って寝息を立ててしまった。
余程疲労が溜まっているのだろう。
でも久しぶりのグルドの温もりを感じてボクは安心したよ。
キミは死んじゃうのかと心配してたんだ。
上着の上から優しく撫でて、みんなに向かって転移発動の合図送る。
ボクを中心にドリアード族が輪を作る、彼等を葉で包み蔦で保護するように巻きつけた。
目標は渓谷向こうのサウスバーグ国境、素早く根を伸ばし場所を特定する。
「転移」
身体がぐにゃり溶ける感覚がきて、根に吸い取られるようにボクらは移動する。
前回はマホガニー頼りだったが王として発動できた、だがやはりこの奇妙な感覚は慣れそうもない。
ちなみにメイペルは置き去りだ、魔導士なんだからそのへん自力でなんとかするだろう。
別に徒歩でも魔道具移動でも旅はできるのだから。
***
国境付近の森林に僕らは無事転移した。
荒れ地だったナザルリーフとは大違いな風景が広がっていた。
見た事のないチクチクした表皮の木が等間隔で生えている、人の手が入った育ち方だと思われる。
物知りのマホガニーが背が高いのがヤシでずんぐり低いのがソテツだと言った。
「坊ちゃん、なんで国内へ転移しないんす?」
「あぁ、ボクらが人前で突然生えたら吃驚されて警戒されても面倒だろ?それに不法侵入ってのを人族は嫌がるからね」
なるほどとアクティは納得して「人間ルールは面倒っす」と零した。
ラミンが「不思議な臭いがする」とクンクン鼻を鳴らす、ボクも倣って吸い込んだ。
「そっかこれが潮の香か!」
「うーん、美味しい匂いとはちょっと違いますね」
同じく吸い込んだエリマが感想をのべた、たしかに果実とはだいぶ違うね。
いつのまに転移したのかメイペルが背後から声をかけてきた。
「南国のフルーツは甘くて美味しいですよ、とくにアナナス(パイナップル)が私は好きです」
「へぇそうなのか、食べてみたいな」
味の説明を受ければ黄色くてサクサクでとても甘いそうだ、うーんわからん。
「ドリアードいえど知らない植物だってあるんだよ。」
「長きに渡りカリュアスに縛られていたからな、仕方ないのである」
「わっ!グルド起きたの?」
ポケットから這い出たグルドが塩辛い匂いがして目が覚めたと言った。
「グルドは潮風きらい?」
「うむむ、我は森林の匂いが好きである。胡桃の精だからな。多すぎる塩気は植物を枯らす。しかし塩を好む草もあるのだぞ」
「へぇ面白いね!」
ボクが感心すれば「勉強不足だ、先祖の記憶ばかり頼ってはいかん」と叱られた。
ごめん、精進します……。
グルドが再び荷馬車をだしボクらは乗り込む。
サウスバーグを知るためにメイペルも搭乗を許して国境砦を行く道すがら色々話した。
「御礼だ受け取ってくれ。特製の回復薬だ」
「え、いいんですか?こんな凄い薬」
「対価を払うのは人間のルールだろ?」
ありがとうございます、とメイペルは言うと大事そうに懐へしまった。
……無尽蔵に作れるのは内緒にしとこう。
転移先から30分ほどで砦に着いた、屈強な兵士らが国境城砦を護っていた。
じろじろと威嚇してくる兵士達が身分証提示を求めてきた。
身分証がないボクらは金を支払おうとしたが、メイペルが騎士達に挨拶するとあっさり無償で通れた。
「これでもナザルの魔導士協会副会長ですから元ですけど」
なんと思わぬところで役に立つメイペル。
「でも王都に入るならまた足止めされますよ。今度は顔パスとはいかないかも」
メイペルは申し訳なさそうに言う。
「そうか、金は足りると思うが今後金策しないと困るな」
旅を続ける限り人間とはなにかしら交流するだろう、サウスバーグで少し滞在すべきかもしれないな。
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メイペルの提案にボクはキョトンとした。
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