目を覚ました気弱な彼女は腹黒令嬢になり復讐する

音爽(ネソウ)

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ロンパルを心的に叩きのめし撃退したその晩。
ジーンはまた悪魔の夢を見た。



いつもの堅い石畳で寝ているのではなく、白い丸テーブルに向かい合い茶を飲んでいる場面だった。
濃い目のミルクティが腹を満たしていく。


「はぁ……夢でも味を感じるのね、とても美味しいわ」
「夢か、そう思い込んだ方が楽だろうね」


甘い味を堪能するジーンに悪魔が嫌味を言って笑う。
ジーンは気にせず茶請けのサブレを噛んだ、こちらも濃厚なバニラの風味で美味しいと思った。


「甘い歓迎ありがとう、でもどうして?」
「今夜4個目をいただく御礼かな。まぁ気まぐれにキミとお茶をするのも悪くないと思ったのさ」


あと一個臓器を取られたら、いよいいよ死を迎えるのだとジーンは嬉しそうに微笑む。

「後一つの臓器と復讐……ふふ、最後の復讐は半分終わったようなものだけど」
「そうなのかい?」


悪魔は柳眉を少し歪めて問う。

「そうよ、プライドはずたずたでしょうね。バカにしていた小娘に家畜扱いされてるんだもの」
飼い殺し状態の両親の無様さを思い浮かべて目を閉じた。


「人間は残酷だ、血を分けた同士で恨みあい妬む」
「そうね、そういう環境で育った私も残酷な人間になったわ」

最初、家の中が狂いだしたのは妹の誕生だった。

身体が弱く生まれた未熟児の妹、死線を彷徨う彼女ヴェネが家の中心になっていった。
丈夫で素直な長女は放置しても平気だと、両親は麻痺していく。


成長して健康になったヴェネだが、甘やかしの対象のままだった、それが当たり前。
『お姉ちゃんなんだから』その台詞を免罪符のように使われジーンは耐えるしかなくなった。



「さて、そろそろ時間だ4つ目を貰おうか。腎臓だ」
「ええ」


相変わらずなんのためらいも見せないジーンに悪魔は大笑いした。

「潔くてツマラナイなぁ、たまには泣き叫んで命乞いしろよ」
「失礼ね、さっさと取って頂戴。安眠妨害なんだから」



悪夢を見た翌日はけっこう倦怠感が酷いのだとジーンは不貞腐れる。





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