転生したら、HEROになれるはず

緋咲 ツバメ

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クルルはリョーの顔を見るなり、今にも掴みかかりそうな勢いで近付いてきた。
「酔ってるの?グランの仲間が怪我してるのに顔も出さないで………酒なんて飲んでたの?」
リョーは何も言わずに立っていた。
「そう、何も言えない?あの子達、グランを抜けるって。何とか引き止めようかと思ったけど、そんな事しなくていいって思ってるのよね。」
弁解しようと口を開こうとしたが…思い直し。
「そっか、抜けるのか。その方がいいのかもな。」
その瞬間、リョーの頬に強い衝撃が。
「そんなヤツだとは思わなかった。悪いけど、私も抜けさせてもらうから。」
そう言うと、クルルは走り去った。
リョーは頬をさすりながら、部屋へと戻った。
ベッドには丸くなった虎丸が寝ていた。
リョーも仰向けでベッドに倒れ込み、天井を見つめた。
「主、あんな言い方したら誰でも怒るよ。でも、主がやりたい様にやればいいよ。主は間違ってないよ。」
急に大人になった虎丸の優しい言葉にウルッとなりながら、リョーは何も言葉を発さなかった。

翌日、闘技場に姿を見せたルドラはリョーに頭を下げた。
「力不足でこんな結果になってしまうとは。弁明の余地もございません。」
リョーはルドラに顔を上げさせ。
「ルドラは頑張ってくれたよ。悪いのはオレだから、アタマなんて下げなくていい。」
その時だった、急に金文字先生が目の前に現れた。
〈………強くなる為に悪魔でもと言ったのにな。貸したモノは返してもらわないとな。〉
貸したモノ?リョーには身に覚えがなかったが。
〈袂を分かつなら、あの兎人に魔法の才を返却してもらわないと。〉
リョーは慌てた。
「そんな事は望んでない。」
〈全て奪う訳ではない。初期の回復魔法くらいは使えるくらいには才を伸ばしただろ。今の過剰な才は袂を分てば、逆に身を蝕み、滅ぼす結果にしかならん。それは虎丸が身をもって感じたはずだ。供給が絶たれる事については。〉
その言葉に虎丸を見ると、虎丸は物凄く寂しそうな表情を浮かべていた。
「………主、言う通りにしよう。」
全く納得出来ないが、それを受け入れるしかないのかと金文字先生に任せた。
リョーの手には白い珠ともう一つの球が戻ってきた。
白い珠は以前より一回り大きくなっていた。
〈利息だよ。〉
悪びれる素振りもなく、そう表示した。
リョーは何か言おうとした瞬間、突然リョーの身体を何かが襲ってきた…正しくはそんな感覚に襲われた。
リョーはその場に倒れ込んだ。
しばらくし、気が付くとそこには心配そうにリョーの顔を覗き込む虎丸のドアップが。
「主、急に倒れたから心配したんだよ。」
〈ごめん………返済させた反動だわ、これ。〉
返済させた反動って何?
〈以前より上位な回復魔法が使える様になってるだろ?〉
そう言われて、回復魔法を頭に浮かべると………確かに見た事も無い魔法の種類があった。
〈それが譲与したモノを返却してもらった際のメリットだから。〉
リョーはクルルの事が少し心配になったが、金文字先生は。
〈剣技とか自力で身に付いたモノには影響ないから。そっちの珠については今回は覚醒しなかったな。じゃあ、またな。〉
そう告げると、金文字先生は消えた。
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