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武者修行
虎丸、苦悩
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そんなふたりの会話を聞きながら、虎丸は少し安堵した。
何もしなくても助かりそうな雰囲気だが、取引が不調に終わった時はどうなるのかと考えてみた。
利用価値がなくなったら………処分されちゃうんだろうな。
リョーは忙しそうにしてたし、他に頼れる人間なんて知らない。
2人くらいなら、簡単に勝てる自信はあったが、それだけでは済まないのは虎丸も分かっていた。
とりあえず息を潜めて、監視する事にした。
だが、直ぐに事態は急変した。
薬で眠らされてた少年が目を覚ましたのだ。
目を覚ました少年はしばらく状況を把握出来ずに居たが、後ろ手で縛られてるのを受け入れると、火がついた様に泣き出した。
ただでさえイラついてた盗賊の1人が躊躇なしに少年の頬を殴り。
「ビービー泣くんじゃねぇ。大人しくしてろよ。」
「あんま手荒な事すんなって。」
ヤレヤレという顔でなだめたが、強く止める気はないらしい。
少年は殴られて、余計に泣き出したが、数度殴られると、必死に声を押し殺そうとし始めた。
薄ら口から鮮血が垂れていた。
虎丸は今にも飛び出したい欲求に耐えながら、監視を続けた。
「まだなのか?こいつのオヤジからの返事は?」
「あぁ、なかなかこっちになびかない様だ。だが、反対派の切り崩しも進めてるから。明日までには何とかなるだろうって。」
その言葉を聞きながら、ダルそうに少年を見下ろしていた。
少年は泣き疲れたのか、床に横たわり、眠っていた。
虎丸はその様子を見ながらも闘っていた。
そう、空腹と。
虎丸は先ほど、少年から貰った肉以外口にしていない。
虎丸のエネルギー効率はとにかく悪い。
成長に使ってるといえば、そうなんだろうが……今の大きさなら自分の何倍も食べてるんであろう。
何より今日はいつも以上にお腹が空くのを感じていた。
体を小さくしてるせいなのかもしれない。
この場を離れる訳にもいかず、必死で空腹に耐えていたが、もう限界は目の前に近付いてきていた。
そんな虎丸の闘いの最中、少年は目を覚ました。
少年も腹を空かせている様で、盗賊の食べてるものを羨ましそうに見ていた。
そんな少年の視線に気付いたのか、盗賊は食っていた鶏を床に放り投げ。
「ほら、床に這いつくばって食え。」
少年は一瞬、躊躇したが、食わなかったら、また暴力を振るわれるのを察し、床の鶏を喰らった。
その様を盗賊は可笑しそうに笑った。
「貴族のお坊ちゃまが床に落ちたモノ、食ってるよ。」
虎丸は空腹と怒りで盗賊に飛びかかっていた。
虎丸の足元には喉を噛み切られた骸が横たわっていた。
少年はそんな惨劇を目の当たりにし、嘔吐した。
少年の目は恐怖で怯えていた。
その瞬間、部屋のトビラが開き。
「ようやく折れたぞ…………。」
入ってきた盗賊の仲間は状況を一瞬、把握出来ずにいた。
ようやく飲み込め、虎丸に向かってこようとしたが、足が震えてるのか、その場から動けずにいた。
虎丸は怯えた少年の目から逃げる様に男に体当たりをして、部屋を出ていった。
それから虎丸は何処をどうやって歩いたのか、何をしたのかさえ覚えていない。
気付いた時は街の片隅でただ座り込んでいた。
何もしなくても助かりそうな雰囲気だが、取引が不調に終わった時はどうなるのかと考えてみた。
利用価値がなくなったら………処分されちゃうんだろうな。
リョーは忙しそうにしてたし、他に頼れる人間なんて知らない。
2人くらいなら、簡単に勝てる自信はあったが、それだけでは済まないのは虎丸も分かっていた。
とりあえず息を潜めて、監視する事にした。
だが、直ぐに事態は急変した。
薬で眠らされてた少年が目を覚ましたのだ。
目を覚ました少年はしばらく状況を把握出来ずに居たが、後ろ手で縛られてるのを受け入れると、火がついた様に泣き出した。
ただでさえイラついてた盗賊の1人が躊躇なしに少年の頬を殴り。
「ビービー泣くんじゃねぇ。大人しくしてろよ。」
「あんま手荒な事すんなって。」
ヤレヤレという顔でなだめたが、強く止める気はないらしい。
少年は殴られて、余計に泣き出したが、数度殴られると、必死に声を押し殺そうとし始めた。
薄ら口から鮮血が垂れていた。
虎丸は今にも飛び出したい欲求に耐えながら、監視を続けた。
「まだなのか?こいつのオヤジからの返事は?」
「あぁ、なかなかこっちになびかない様だ。だが、反対派の切り崩しも進めてるから。明日までには何とかなるだろうって。」
その言葉を聞きながら、ダルそうに少年を見下ろしていた。
少年は泣き疲れたのか、床に横たわり、眠っていた。
虎丸はその様子を見ながらも闘っていた。
そう、空腹と。
虎丸は先ほど、少年から貰った肉以外口にしていない。
虎丸のエネルギー効率はとにかく悪い。
成長に使ってるといえば、そうなんだろうが……今の大きさなら自分の何倍も食べてるんであろう。
何より今日はいつも以上にお腹が空くのを感じていた。
体を小さくしてるせいなのかもしれない。
この場を離れる訳にもいかず、必死で空腹に耐えていたが、もう限界は目の前に近付いてきていた。
そんな虎丸の闘いの最中、少年は目を覚ました。
少年も腹を空かせている様で、盗賊の食べてるものを羨ましそうに見ていた。
そんな少年の視線に気付いたのか、盗賊は食っていた鶏を床に放り投げ。
「ほら、床に這いつくばって食え。」
少年は一瞬、躊躇したが、食わなかったら、また暴力を振るわれるのを察し、床の鶏を喰らった。
その様を盗賊は可笑しそうに笑った。
「貴族のお坊ちゃまが床に落ちたモノ、食ってるよ。」
虎丸は空腹と怒りで盗賊に飛びかかっていた。
虎丸の足元には喉を噛み切られた骸が横たわっていた。
少年はそんな惨劇を目の当たりにし、嘔吐した。
少年の目は恐怖で怯えていた。
その瞬間、部屋のトビラが開き。
「ようやく折れたぞ…………。」
入ってきた盗賊の仲間は状況を一瞬、把握出来ずにいた。
ようやく飲み込め、虎丸に向かってこようとしたが、足が震えてるのか、その場から動けずにいた。
虎丸は怯えた少年の目から逃げる様に男に体当たりをして、部屋を出ていった。
それから虎丸は何処をどうやって歩いたのか、何をしたのかさえ覚えていない。
気付いた時は街の片隅でただ座り込んでいた。
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