転生したら、HEROになれるはず

緋咲 ツバメ

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越国

再び街へ

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リザードマン達が立ち去った後、湖沿いを歩きながら、再び街を目指すことにした。
虎丸は湖を離れながら、ぽつりと漏らした。
「殺さなくても良いのにね。そんなにプライドって必要なのかな。」
確かに彼らには彼らの考えがあるのだろうが、命を奪う程の事であったのか分からない。
それに極論を言えば、処罰に来たはずのあの戦士が負けて、生き恥を晒すのは彼の誇りが
許すのだなって。
そう思ってると…虎丸はチラッとこっちを向き。
「主ってさ…この先もシングルで旅するの?」
突然の問いかけに戸惑い…更に虎丸から主って呼ばれた事に対して、その呼び方になるのかって思った。
さっきのリザードマンの軍団に囲まれた時も思ったのだが、やはり一人ではこの先、辛いのかなって。
虎丸は一応、使役獣って立ち位置なので、世間的にはシングルって事になる。
「組みたいとは思うんだけど、なかなかこれって言う相手がね…。虎丸はパーティを組んでほしいの??」
「ん~?女っ気ないじゃん、主って。やっぱり居た方が旅、楽しいじゃん。」
つまり女の同行者が欲しいって事なのか…。
虎丸もやはり雄なんだな。
とりあえず次の街で探してみるか…一緒に旅する相手。
そんな話をしながら、進んでると、鬱蒼とした森が目の前に広がっていた。
ここならそれなりにモンスターも出てくるだろう。
森に入ると、背中の柄がにやけてるように見える小型犬くらいの大きさのカエルが団体で現れた。
嘲う蛙スリールラーナはこっちに気づくと、一斉に鳴き始めた。
だが、その声を聴くと、頭がクラクラしてきた。
そういう効果があるらしく、虎丸の方を見ると、虎丸にもその効果を影響してるらしい。
急いで剣で倒そうとしたが、1・2匹倒すと、皮膚の表面が油で覆われてきた。
しかも、剣にも斬った際、カエルの体液で刃も覆われてしまった。
虎丸は足元を少しふらつかせながら、なんとか倒していくが…やはりカエルの体液は何やら効果があるらしく、顔を歪めていた。
剣を一旦収め、ナイフで捌きながら、布でふき取りながら、倒していく。
予想以上に時間がかかってしまったが、何とか追い払う事に成功した。
虎丸はしゃがみ込み、疲労困憊の表情を浮かべた。
カエルの体液には麻痺の効果があるらしく、その影響もあったらしい…
が、虎丸が疲労困憊になった一番の原因は違った。
さっきの湖で食った魚にかなりの遅延性の毒素が含まれてたらしい。
しばらく横になった後、虎丸はケロッとした表情で。
「一瞬、危なかった。でも、大丈夫…あの毒の耐性付いたから。結果オッケーだよね。」
無防備に寝転んでた虎丸の周りで虎丸を狙うモンスターを追い払うのは意外としんどかった。
それがこの森での一番の危機だったね。
何とか森を抜け、街道に戻り、少し予定より早いが休むことにした。
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