転生したら、HEROになれるはず

緋咲 ツバメ

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理由<ワケ>

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引き受けた依頼をこなし、ギルドに報告し、宿を決め、夕食の為に街中をぶらついていた。
虎丸はいい匂いにフラフラしながら、前を歩いていた。
そして、虎丸の足が止まったのは………この前、レーラが連れて来てくれた店であった。
この前とは違い、店内はやけに混んでいた。
店の中は賑やかであったが、こちらに向けられる視線は何か異質なモノを感じた。
席に座ると、マスターは普段とは違い、小さな声で。
「レーラ、言ってなかったのか……。この店は夜になると、特定のグランの溜まり場になる。だから、あんま他の冒険者は近付かない方が良い。今日は早く帰りな。」
だが、マスターの気遣いも虚しく、明らかに飲み過ぎた男がリョーに近付いてきた。
「お前、誰だよ?よそ者のくせに、ここに来るなんて勇気があるな。」
リョーは作り笑顔でその場を乗り切ろうと頑張った。
「なんだ、何が可笑しいんだ?」
多分、円満にこの場を乗り切るとかは不可能なんだろうな。
「止めとけ。そんなのイジメて、情けなくないのか?」
リョーと大して歳も違わなさそうな少年が制した。

リョーは少しムッと来たが、この場を乗り切れるなら、我慢する事にした。

リョーは虎丸を連れて、店を後にした。
店の外にはぼんやり月を見上げてる少女がいた。
その表情は何か寂しげであった。
なんて声を掛けていいか、分からずに素通りしようとすると、視線は月に向けたまま。
「流石にウチと揉めるほど馬鹿じゃないんだね。」
その言葉を無視して立ち去ろうとしたが、虎丸はレーラの前で座り込んだ。
「なぁ、ご主人様……。余計な事に首突っ込もうよ。」
仕方なく、レーラの前に戻り、隣に座った。
「何、勝手に座ってんの?」
「何でこの街を離れないの?」
月を見ながら、聞いてみた。
「聞いたんなら、知ってるでしょう?うちのグランマスターが決めた事だから、仕方ないじゃない。」
本当に……何も知らないので聞いたので、何を言っていいか分からずに戸惑ってると、レーラは更に続けた。

レーラの話をまとめると、グランマスターがこの街の近隣以外に行く事を禁じているらしい。
理由はグランマスターが数年前に自分以外のパーティーを失った事が原因らしい。
その依頼自体も情報が少なく、下調べをしっかりしていくべきであったが、メンバーの一人が強行案を提案し、マスターも過信してたのか乗ってしまった。

それ以来、マスターはメンバーの依頼にまで口を出すようになったらしい。
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