転生したら、HEROになれるはず

緋咲 ツバメ

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鍛錬

本気

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今朝、あんな事を言われて、レーラは大人しく、身体を休めてる訳はなかった。
だが、疲れてるレーラに二人を追いかける程の余力はなかった。
そんなレーラの前に少し……かなりダルそうな表情をしたリザードマンが近付いてきた。
「はぁ……、やる気になっちゃったの?」
レーラは無視して行こうとしたが、腕を掴まれた。
レーラは投げてやろうとその手を掴んだが、全く動く気配がなかった。
「……もし、鍛錬しそうなら、手伝ってやれって。アンタ、無茶しちゃうタイプだし、ただ闇雲にやるつもりだろ?」
腕を離し、レーラにこう告げた。
「明日は殆ど馬車移動だろうから、強くなりたいなら村の北にある草原に来な。………そこで見てるアンタも。」
レーラが振り返ると樽の影でこちらの様子を伺っているテッドの姿が。
テッドは偶然、通りかかった風を装っていたが、敢えてそれには誰も触れなかった。
だが、負けず嫌いのレーラが草原で一悶着あったのだが、それにも触れないでおこう。
ただテッドがかなり落ちこんでしまった事だけは記しておこう。
そんな事になるかもと思いながら、リョーは虎丸と………男児と三人で森を探索していた。
何度も男児を置いていこうとしたのだが、知らない間に虎丸の背中やリョーの側にいる。
一つだけハッキリしてる事は……この男児、只者ではないということだ。
虎丸の背中に乗ってる際、背後から襲ってきた盗賊くずれを手にしてた木の棒で瞬殺した。
それに虎丸がどんなに走っても落ちない。
だから…邪魔にならないから、連れてけば良いかと言う考えに落ち着いた。
森を歩いてると、虎丸は不意に聞いてきた。
「主、ちゃんとした契約って、どうやるの?」
突然の問いに驚きながら、同時に絶望感に襲われた。
正式な契約って、虎丸の意志で結べるんやないの?正しい契約の方法なんて知らないから。
その様子を見てた男児が急に口を挟んできた。
「魔物使いなのに、知らないの?でも、正式な契約が必要なんだ、虎たんって。」
背中にぶら下がりながら、男児は聞いてきた。
普通、何度も契約する事などない。一度、主従関係を結べば、どちらかが死ぬか主が解除しない限り、有効である。
使い魔にする格が高い場合は必要であると言う伝承で聞くほどのレベルであった。
「心配しなくても、他人には言わないから。それにちゃんとした契約はその時が来たら、確認されるから。」
何者なのか、この男児。 更に謎が深まってしまった。
その言葉に虎丸は納得した。
それ程、強い敵も出てこず、数はそれなりにこなして、その日の日課は終えた。
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