転生したら、HEROになれるはず

ギルドに所属しました

昇格試験

言われるまま、西の荒野に向かった。
だが、荒野って広くて、そんなに簡単に見つかるはずもない。
アテもなく、歩き回ってると、向こうの方から悲鳴が。
そちらに向かうと、一台の馬車を襲う一団が。
慌てて、向かい、今にもサーベルで斬りかかろうとする男の前に立ちふさがった。
｢小僧、何のつもりだ。｣
髭面の男が鼻息荒く。
｢アンタ、もしかしてサガン？｣
男は鼻で笑うように。
｢だったら、どうするんだ？まさかお前みたいな小僧が倒すとか言うなよ。｣
あぁ、やっぱりコイツなんだ。
仕方なしに剣を抜き、構えると。
｢そんなに死にたいなら、殺してやるよ。｣
手にしてたサーベルで斬りかかってきた。
抜いた剣で払おうとしたら………。
折れちゃった………相手のサーベルが。
男は折れたサーベルを放り投げ、後ろに飛び退き。
｢おい、こっちに来てくれ。｣
周りにいた５人に囲まれることになってしまったが、不思議に落ち着いていた。
あの碁蟲の集団に囲まれた時に比べたら、不思議と怖くなかった。
振り降ろされるサーベルをかわしながら、なぎ払っていくと、男たちは脱兎の如く走り去った。
残された商人らしき男に。
｢助かりました。更に無理言いますが、街まで一緒に行ってもらえませんか？｣
逃してしまって、少し落ち込んでいたが、断る理由もなかったので、フェルメールへ一緒に行く事にした。
街へ入ると、その商人はお礼だと言い、二枚の銀貨を差し出してきた。
それを固辞しようとしたが。
｢商人のプライドにかけて、一度出したものは引っ込めれない。｣
その気迫に負けて、受け取った。
一応、討伐に失敗したので報告に行くと。
ミランはギルドの前に立っていた。
｢すいません。せっかくのチャンスを……。｣
一瞬、戸惑った表情を浮かべたが、ギルドの中へ入る様に告げた。
ギルドの中へ入ると、ミランはカウンターへ向かい、手招きしていた。
カウンターの前に進むと。
｢フェルメール支部長ミラン・べルードの名のもとに昇格を許可する。｣
えっ？支部長？この少女が？
この少女……少女に見えるが、実はＡランクの魔導師らしい。
年齢は不明らしい……年齢を聞く事は自殺行為らしい。
｢アンタのその腰の剣、オードの作品だろ。あのオードが剣を売るヤツがHランクなはずないし、アンタが追放された村からここに来るにはそれなりの腕がないと来れないからね。｣
｢ミラン様、だからと言って、Ｆランクの昇格試験を受けさせるなんて。｣
Ｆランク？
｢まぁ、こうして達成したんだから、良いんじゃない。あっ、アンタはまだＧランクだから。色々あって、ランク昇格に条件があるの。｣
とりあえずＧランクになれたらしい。

〈とりあえず、Ｇランクになれた記念にオレからプレゼントやるよ。中身は後々分かるから。〉

相変わらず文字は不親切なヤツだ。
とりあえず、適当に依頼を受け、違う街へ向かう事にした。
ここにいて、オードに会うと、気まずいので。

本日、何度目の門へ。
｢えっ？Ｇランク？何があったんだよ？｣
役人はプレートを見ながら、軽くパニックになっていた。

街の外へ出て、王都の方面に向かう事にした。
せっかくだから、一度くらい王都を見ておきたくなって。
王都はフェルメールから結構、離れていた。
とりあえず北に向かえば、行けるらしい。
王都への街道を歩き始めた。
依頼は素材集めがほとんどで、納品するのは何処のギルド（受注した国内）であれば良いらしい。

そう、さっき気付いたんだが、オードから貰った革袋の中に手紙が入っていた。
［色々、世話になったな。まぁ、代わりに鍛治教えてやったから、チャラだよな。このまま、鍛治の全てをお前に一志総伝ｲｯｼｿｳﾃﾞﾝしようかと思ったんだが、それ以上にお前に鍛えた剣を使ってもらいたいって、エゴが勝っちまった。この前、鍛えた剣はオマエの為に造った。オマエがあれを持つに値すると思った時、取りに来い。］
あれ、持つに値する様になれるのかな？
腰にあるオードの剣を見ながら。
【これでもランク不相応な剣だもんな。】