74 / 121
69.采配
しおりを挟む
キリカを取り戻す、アイツの『下らない』が気になるところだが。
気を抜いていると、二本の剣が飛行して僕に襲い掛かる。
目視で回避するには十分な速度だ、落ち着いて回避、前に出る、順調に距離を詰める。
「ほぉ、さすがここまでやってきた人間だ。自己紹介がまだだったな、我が名をクリア・エスタロッドレシア。イデアルの王だ」
「物騒な挨拶だな、オトメ……大した記憶の無い道化です」
「どうやってここまで来た?貴様からはさほど魔力を感じないが、結界をどうやって?」
「こっちには未来有望な魔術師がいるもんでねぇ。クリア王、殺すべき人間を間違えたな」
「冒険者風情が……」
今度は四本、先より速い!
一本ずつ斬りかかってくる、ほぼ突進。二本までは回避できたが、三本目が僕の回避先を読んだ。僕はエフェクトシールドを両手で前に突き出して防ぐ。
「うっ……!」
重量を感じる攻撃、全身の骨に響く衝撃、脳が揺れた、あと一つ力を入れていなければ潰されていただろう。
幸い剣が頑丈で傷はない、さすが神格を守りし剣。
だが安心は早い、もう一本がやってくる。
前方は白い剣が邪魔でほとんど見えない。
「来るなら……来い!」
白い剣の圧力は止まらない、僕は剣の角度を変えて威力を外側に逃がした。
勢いの止まらない白い剣は、地面に激突し、白い絨毯を引き裂いた。
すると動かなくなった。
「もう一方の……?」
あれ、目の前に白い剣が無い……どこに消えた?
「フッ……」
クリアの微笑が見える、策のある顔だ。
こういう時は考える。
白い剣は視界に無い、クリアは僕の盲点から刺しにくる。
多分。
「……後ろだ!」
僕は一撃にかけることにした。
相手が片腕の剣士なら、その右腕の扱いは劣化もの、近距離戦闘はヘタクソだろう。
音を聞く、ああ、後ろにいらっしゃるね、こちらに接近している。
視認せずにスキル『兜割り・天』を発動した。
高く、高く跳躍し、最高点到達時に、剣をイノセントに持ち替えて、目にクリアを捉える。
下の方では絨毯に白い剣が刺さっていた。
「完璧だな、もらっ……」
「!」
玉座に一直線に駆けるイノセントと僕、狙うはクリアの左腕、狙いがずれたら壁に激突か体を切り裂いてしまうだろう。
速い、クリアに体が引っ張られるように接近、空気を感じて浮遊感なんてない。
剣を振り下ろす。
「……スイカ割り!」
剣閃の後、僕は手ごたえを確認した。
相変わらず右腕が消えていた。
記憶を確認する。
「その必要はない」
「へ?」
僕は激痛を耐えて振り向き、状況を見る。
そこには白い剣が三本束になってクリアを守っていた。
僕が貫いたのは一本のみ、そこにイノセントと僕の腕が垂れていた。
「そう、その頭は必ず……」
「クッソ……!」
「粉々にする!」
距離を取ろうにも、バランスが悪い、ストレージから鎮痛薬を使ったが全て使い切る前に白い剣が突進してくる。
左手にエフェクトシールドを構えて防ぐが、力足らずその一撃を受ける。
「ゴッ……ふふふー、あっしぬ」
「頭にヒットだ!」
宙を舞って、色々考えた。
あのスキル、マジで使えねーなー。
揺れゆく視界の中で、やっと地面を感じたら、白い絨毯は赤くシミを作っていた。
まぁきっと僕の血だろうな。
「……あ、バカだな」
「理解が早くて結構、所詮は雑魚ピエロだったか」
「……訊いても……も、も、も、いいか?どうしてキリカを連れていったんだ?その理由すら僕らは知らない」
「?分かり切ったことを。貴様らはあのキリカを騙してここまで連れてきたのだろ?人間はいつもそうだ。差別、何かに付けて差別をしたがる。髪、種族、亜人、昔は肌でも……聞いたことがあるが」
「僕らは……そんなことは……してない!」
「嘘を……」
残りの力を振り絞って、ようやく両足で立って飛んで行ったエフェクトシールドの代わりにハンドガンを構えた。
「何にも知らねぇ野郎がよぉ!ゴタゴタと!何の王か知らねぇが!僕はここでは引かない!キリカはどんな理由があったとしても連れて帰る!僕らの……大切な仲間だ、だから……ここでお前の脳みそを晒してやる!」
「もはやここまでと考えるが、愚かな人間だ。そこまで戯言を並べるなら、四肢を切断した後に気持ちよくあの世に送ってやる」
「お願いしようか……言葉ばっかり!」
マガジンの中身は7発、薬室に一発予め入っているので8発。
外すな、外すな……当てろ。
「!」
「そんな玩具で」
白い剣が弾丸を防ぐ、発砲音をいくら鳴らしても彼女の白い身体に届かない。
硬すぎでは?
マガジンの弾丸がゼロになったところで、マガジンチェンジ、落としたマガジンはストレージへ、換えの新鮮なマガジンを呼び出して、太ももと銃身を叩きつけて装填、スライドを歯で動かしてロックを解除。
「届くまで、もしくは弾丸尽きるまで」
「はぁ……」
あと数秒で鎮痛効果が切れる、時間が無い。
白い剣が彼女を守っているうちは視界に僕は映らない、今なら接近できる。
前にでる同時に発砲。
ゴメン、外した。
後二十歩。
「ん?」
「あと少し!」
弾が切れた、僕は銃を上に放り投げてルーンナイフを装備して白い剣を蹴りつけた。
「なに!」
「ちゃんと前見ろ!」
敵は既に目の前一メートルだ。
心がもう少しだと、気を抜くな、しっかり殺れと言う。
奥の彼女の顔を見たい、さぁてどんな絶望を見せてくれるのだろう?
その時の僕の顔は笑っていただろう?
「捉えた!」
ようやく白い剣をよじ登って、確認、思いのほか動揺していた。
そこから飛びつき、ナイフを突きつける。
後30センチ。
「待って!」
聞き覚えのある声が後ろから聞こえる。
身体がナイフを止めた。
首はもしかしたらという気持ちで振り返る。
「キリカ……?」
白い貴族のような服を着て、息を切らして、ドアの前でこちらを不安そうな表情で見つめていたのは間違いなくキリカだった。
良かった、何もされてなさそうだ。
刀は無く、裸足だった。急いでいたのだろう。
「良かった、帰ろ……うっ!あ……」
「敵を間の前にして」
身体を貫いていく何か。
「背を向けるどころか」
より遠くへ行こうとするそれは、何となく白い剣。
「視線を逸らすとは」
次、左足に何かが過ぎった後、感覚が消えた。
「……ああああ!なぁ!」
「愚行……極……まったな!目前の敵に対する侮辱だな」
視界の端からやってくるアレ、ああそうか、剣か。
思考の最中に僕の右膝から先に無くなった。
バランスを崩した体は顔から地面に挨拶に向かう、時がスローに見える。
走馬灯ってこの後見れるの?
既に意識は失われたのか、痛覚が役にたたなくなった。
もう鎮痛効果は切れているだろうに。
着地完了。
白い絨毯、赤い僕が汚してしまった。
怒られるぞ。誰に?
いや、それどころではない、負けたのだ、僕は。
敗因は?
スキルのせいか?きっとそう。
落ち着いてアサルトライフルを発砲して愁と絶叫を使えばどうにか……できただろうか?
そういえばカエデはどうなった?
まさか彼女まで負けるなんて……ありえないよ。
死にたくない、死にたくない。
ここで死んだらキリカはどうなる?
僕はここまでの記憶が無くなるんだろ?
ふざけるな僕!
選択を間違えるなよ!
でもまぁやっちまったからなぁ。
すまん眠い。
ーーーーーー
プツンと音がした。誰かがそれを巻き戻そうとしている。
「諦めるなオトメ!それでも我々の最後の希望か!」
空耳も聞こえてきた、聞いたことない声だ。
無意識に反応して左手を天に上げていた。
目の前が爆発音と閃光、目を開けられなかったが左手に何かある。
その中身が僕に当たる。
ただダラダラと、身体に染み込むような愛を感じる。自然と生きる気持ちが湧いてくる。
「この感覚はそうか……前にも……」
そうして、全ては整った。
昔こうして包帯に手を掛けて取り外した記憶があるようなないような。
両足でしっかり立ち、右手で右目を隠す包帯に指をかけ、それを勢いのまま放り投げる。
「お久しぶりです、オトメ」
両目を力強く開く!
「あぁ、久しぶり」
「UIの復元完了、全ての能力を取り戻しました」
「反撃開始だ!」
オトメの目は赤色に輝いていた。
気を抜いていると、二本の剣が飛行して僕に襲い掛かる。
目視で回避するには十分な速度だ、落ち着いて回避、前に出る、順調に距離を詰める。
「ほぉ、さすがここまでやってきた人間だ。自己紹介がまだだったな、我が名をクリア・エスタロッドレシア。イデアルの王だ」
「物騒な挨拶だな、オトメ……大した記憶の無い道化です」
「どうやってここまで来た?貴様からはさほど魔力を感じないが、結界をどうやって?」
「こっちには未来有望な魔術師がいるもんでねぇ。クリア王、殺すべき人間を間違えたな」
「冒険者風情が……」
今度は四本、先より速い!
一本ずつ斬りかかってくる、ほぼ突進。二本までは回避できたが、三本目が僕の回避先を読んだ。僕はエフェクトシールドを両手で前に突き出して防ぐ。
「うっ……!」
重量を感じる攻撃、全身の骨に響く衝撃、脳が揺れた、あと一つ力を入れていなければ潰されていただろう。
幸い剣が頑丈で傷はない、さすが神格を守りし剣。
だが安心は早い、もう一本がやってくる。
前方は白い剣が邪魔でほとんど見えない。
「来るなら……来い!」
白い剣の圧力は止まらない、僕は剣の角度を変えて威力を外側に逃がした。
勢いの止まらない白い剣は、地面に激突し、白い絨毯を引き裂いた。
すると動かなくなった。
「もう一方の……?」
あれ、目の前に白い剣が無い……どこに消えた?
「フッ……」
クリアの微笑が見える、策のある顔だ。
こういう時は考える。
白い剣は視界に無い、クリアは僕の盲点から刺しにくる。
多分。
「……後ろだ!」
僕は一撃にかけることにした。
相手が片腕の剣士なら、その右腕の扱いは劣化もの、近距離戦闘はヘタクソだろう。
音を聞く、ああ、後ろにいらっしゃるね、こちらに接近している。
視認せずにスキル『兜割り・天』を発動した。
高く、高く跳躍し、最高点到達時に、剣をイノセントに持ち替えて、目にクリアを捉える。
下の方では絨毯に白い剣が刺さっていた。
「完璧だな、もらっ……」
「!」
玉座に一直線に駆けるイノセントと僕、狙うはクリアの左腕、狙いがずれたら壁に激突か体を切り裂いてしまうだろう。
速い、クリアに体が引っ張られるように接近、空気を感じて浮遊感なんてない。
剣を振り下ろす。
「……スイカ割り!」
剣閃の後、僕は手ごたえを確認した。
相変わらず右腕が消えていた。
記憶を確認する。
「その必要はない」
「へ?」
僕は激痛を耐えて振り向き、状況を見る。
そこには白い剣が三本束になってクリアを守っていた。
僕が貫いたのは一本のみ、そこにイノセントと僕の腕が垂れていた。
「そう、その頭は必ず……」
「クッソ……!」
「粉々にする!」
距離を取ろうにも、バランスが悪い、ストレージから鎮痛薬を使ったが全て使い切る前に白い剣が突進してくる。
左手にエフェクトシールドを構えて防ぐが、力足らずその一撃を受ける。
「ゴッ……ふふふー、あっしぬ」
「頭にヒットだ!」
宙を舞って、色々考えた。
あのスキル、マジで使えねーなー。
揺れゆく視界の中で、やっと地面を感じたら、白い絨毯は赤くシミを作っていた。
まぁきっと僕の血だろうな。
「……あ、バカだな」
「理解が早くて結構、所詮は雑魚ピエロだったか」
「……訊いても……も、も、も、いいか?どうしてキリカを連れていったんだ?その理由すら僕らは知らない」
「?分かり切ったことを。貴様らはあのキリカを騙してここまで連れてきたのだろ?人間はいつもそうだ。差別、何かに付けて差別をしたがる。髪、種族、亜人、昔は肌でも……聞いたことがあるが」
「僕らは……そんなことは……してない!」
「嘘を……」
残りの力を振り絞って、ようやく両足で立って飛んで行ったエフェクトシールドの代わりにハンドガンを構えた。
「何にも知らねぇ野郎がよぉ!ゴタゴタと!何の王か知らねぇが!僕はここでは引かない!キリカはどんな理由があったとしても連れて帰る!僕らの……大切な仲間だ、だから……ここでお前の脳みそを晒してやる!」
「もはやここまでと考えるが、愚かな人間だ。そこまで戯言を並べるなら、四肢を切断した後に気持ちよくあの世に送ってやる」
「お願いしようか……言葉ばっかり!」
マガジンの中身は7発、薬室に一発予め入っているので8発。
外すな、外すな……当てろ。
「!」
「そんな玩具で」
白い剣が弾丸を防ぐ、発砲音をいくら鳴らしても彼女の白い身体に届かない。
硬すぎでは?
マガジンの弾丸がゼロになったところで、マガジンチェンジ、落としたマガジンはストレージへ、換えの新鮮なマガジンを呼び出して、太ももと銃身を叩きつけて装填、スライドを歯で動かしてロックを解除。
「届くまで、もしくは弾丸尽きるまで」
「はぁ……」
あと数秒で鎮痛効果が切れる、時間が無い。
白い剣が彼女を守っているうちは視界に僕は映らない、今なら接近できる。
前にでる同時に発砲。
ゴメン、外した。
後二十歩。
「ん?」
「あと少し!」
弾が切れた、僕は銃を上に放り投げてルーンナイフを装備して白い剣を蹴りつけた。
「なに!」
「ちゃんと前見ろ!」
敵は既に目の前一メートルだ。
心がもう少しだと、気を抜くな、しっかり殺れと言う。
奥の彼女の顔を見たい、さぁてどんな絶望を見せてくれるのだろう?
その時の僕の顔は笑っていただろう?
「捉えた!」
ようやく白い剣をよじ登って、確認、思いのほか動揺していた。
そこから飛びつき、ナイフを突きつける。
後30センチ。
「待って!」
聞き覚えのある声が後ろから聞こえる。
身体がナイフを止めた。
首はもしかしたらという気持ちで振り返る。
「キリカ……?」
白い貴族のような服を着て、息を切らして、ドアの前でこちらを不安そうな表情で見つめていたのは間違いなくキリカだった。
良かった、何もされてなさそうだ。
刀は無く、裸足だった。急いでいたのだろう。
「良かった、帰ろ……うっ!あ……」
「敵を間の前にして」
身体を貫いていく何か。
「背を向けるどころか」
より遠くへ行こうとするそれは、何となく白い剣。
「視線を逸らすとは」
次、左足に何かが過ぎった後、感覚が消えた。
「……ああああ!なぁ!」
「愚行……極……まったな!目前の敵に対する侮辱だな」
視界の端からやってくるアレ、ああそうか、剣か。
思考の最中に僕の右膝から先に無くなった。
バランスを崩した体は顔から地面に挨拶に向かう、時がスローに見える。
走馬灯ってこの後見れるの?
既に意識は失われたのか、痛覚が役にたたなくなった。
もう鎮痛効果は切れているだろうに。
着地完了。
白い絨毯、赤い僕が汚してしまった。
怒られるぞ。誰に?
いや、それどころではない、負けたのだ、僕は。
敗因は?
スキルのせいか?きっとそう。
落ち着いてアサルトライフルを発砲して愁と絶叫を使えばどうにか……できただろうか?
そういえばカエデはどうなった?
まさか彼女まで負けるなんて……ありえないよ。
死にたくない、死にたくない。
ここで死んだらキリカはどうなる?
僕はここまでの記憶が無くなるんだろ?
ふざけるな僕!
選択を間違えるなよ!
でもまぁやっちまったからなぁ。
すまん眠い。
ーーーーーー
プツンと音がした。誰かがそれを巻き戻そうとしている。
「諦めるなオトメ!それでも我々の最後の希望か!」
空耳も聞こえてきた、聞いたことない声だ。
無意識に反応して左手を天に上げていた。
目の前が爆発音と閃光、目を開けられなかったが左手に何かある。
その中身が僕に当たる。
ただダラダラと、身体に染み込むような愛を感じる。自然と生きる気持ちが湧いてくる。
「この感覚はそうか……前にも……」
そうして、全ては整った。
昔こうして包帯に手を掛けて取り外した記憶があるようなないような。
両足でしっかり立ち、右手で右目を隠す包帯に指をかけ、それを勢いのまま放り投げる。
「お久しぶりです、オトメ」
両目を力強く開く!
「あぁ、久しぶり」
「UIの復元完了、全ての能力を取り戻しました」
「反撃開始だ!」
オトメの目は赤色に輝いていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います
こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!===
ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。
でも別に最強なんて目指さない。
それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。
フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。
これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~
エース皇命
ファンタジー
学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。
そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。
「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」
なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。
これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。
※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる