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 アルフォンス王子は、順調にヒロイン――リリアと言う名前だ――に攻略されていた、はずだった。
 神に選ばれた喪女であり乙女ゲーマーであるリリアは、原作知識をフル活用して攻略対象に近付き、見事に彼らの心を奪っていた。
 その作戦にアルフォンスも見事に引っかかり、まんまとリリアの逆ハー要員と化していたのだが――1つ、彼女にとっての想定外があった。

 それは、この世界が乙女ゲームそのものではなく、現実であるということ。現実に生きる攻略対象たちは、概ね、乙女ゲームと同じような人物として描かれていたが――色仕掛けに引っかかるような生身の男が、まったく性欲を持たないわけがなかったのだ。
 ヒロインの前では原作ゲームのように『性欲なんて感じさせない、女の子の理想の王子様』として振る舞っていても、どうしたって生理的反応は起きるのである。

 ……つまりは、好みの女に気がある素振りをされて、一時は舞い上がっていたアルフォンスたち攻略対象だが。次第にその状況は単なる生殺しへと変わり……しかしヒロインに幻滅されないためには性欲を表に出すわけにもいかず。
 本来性欲が薄い設定のはずの攻略対象ですらどうしようもないくらい、ムラムラしていた、というわけなのだ。

 無論、完璧な王子様を演じるアルフォンスが、そんなことを誰かに相談できるわけでもない。日に日に増えるオナニーの頻度にこれはマズイと思っていたある日、アルフォンスは、とある噂を聞いてしまう。
 それは、魔法学園の男子寮には、『性処理係』がいるという噂。性処理係は男だとの噂だが、それが逆に、『男同士の悪ふざけだから浮気にはならない』と婚約者や恋人がいる男子生徒からも人気らしい。
 おまけに、その存在は徹底的に秘匿されており、少なくとも女子生徒には知られていない。
 箱入りお坊ちゃんであるアルフォンスは、自分が性処理係を使うという発想にこそ至らなかったものの――その者は言わば、性のプロで、おまけに口も堅いのではないかと。つまりはこの悩みの相談相手にちょうどいいかも、と思い立ち、噂を信じて、『性処理係』と接触を果たすことにしたのである。



 件の『性処理係』と面識があり、なおかつ口の堅い生徒に仲介してもらい、アルフォンスは彼との約束を取り付けた。
 放課後、今は使われていない廃倉庫で待ち合わせた先にいたのが、見るからにガサツで屈強な庭師のオヤジであったことには驚いたが――話してみればこれがなかなか気のいい人物で、アルフォンスは、すっかり自分の悩みを話してしまった。

 性欲に惑わされるなど王子にあるまじきこと、ましてや片思い相手の前では優しく美しい完璧王子でいたいのに……と悩むアルフォンスへ、マークは、そのくらい仕方ないのだと慰める。

「お気になさるこたぁありませんぜ? 殿下くらいの歳の男ってのは、性欲強くて当たり前。だのに貴族の世間体ってのがあるから発散できねえ。……だからこそ、俺みてえなのが必要なんでさあ♡」
「だ、だが……僕は、この国の王子で……」
「お貴族様がどうかは知らねえが、平民なら、男同士でズリコキ合うっつーのもよくある話ですぜ! なにせどんだけエロいことしてもガキできる心配もねえからよ」
「えっ!? う、嘘だろう……!? まさかっ、僕が知らないだけで、そんな破廉恥なことが……!?」
「俺が受け入れられてんのが何よりの証拠でさぁ! ま、オナニーの延長だと思ってくだせえ♡ ほら、殿下はノンケ……女が好きなんでしょう? なら男にチンポしゃぶられたって浮気じゃねえよ♡ 誰にも疑われねえ、何しても許させる性処理相手♡ こーんな都合のいい穴、俺以外いませんぜ?」

 無論、マークの言い分は一般的なものではない。しかし品行方正すぎて性知識に疎いアルフォンスは、あまりに自信満々な態度に、そういうものなのかと思ってしまう。
 グイグイと言い寄られ、言葉巧みに言いくるめられそうになり、慌ててアルフォンスは抵抗した。

「ちょっと待て!! 僕はその、相談を……この性欲を消す方法を聞きたいだけで! せ、性処理係として、君を使うつもりは……!」
「性欲無くすには発散しちまうしかねえでしょう? 惚れたオンナの前で、童貞剥き出しにしてチンポビンビンにおっ勃てるつもりですかい?」
「っ……、そ、それは!!」
「こんなオヤジのツラ見えたら萎えちまうでしょう? 目ぇ閉じて、好きなオンナの顔でも思い浮かべといてくだせぇ♡♡」

 ただでさえ世間知らずのお坊ちゃんなうえ、慣れない発情で判断力が鈍っていたアルフォンスは、あっさりとマークの口車に載せられた。

 あれよあれよと言う間にチンポをしゃぶられ――その未知の快楽にのめり込むのはあっという間だった。

「あ゛ッ♡ だ、だめだぁ……っ♡ そんなとこ♡ 舐められたらぁ……♡」
 ざらざらとした舌がチンポにまとわりつけば、生暖かい粘膜のぬくもりに、たまらず体が震えてしまう。
 萎えていたはずのチンポが固くなるのはあっという間だった。

「ひんっ♡♡ なんだこれぇっ♡ こんなの知らないっ♡♡ こんな、きもちいいのぉ……っ♡♡」
 頬をすぼめて、口全体をオナホのように使ってぐっぽぐっぽ♡ とシゴかれれば、アルフォンスの腰が無意識にカクつく。
 オナニー経験すら浅い彼は、はじめて感じた強い快楽に耐えられなかった。金玉はパンパンに張り詰めて、精子がせり上がってくるのを止められない。

「ひぐぅっ♡♡ も、だめ……っ、果てる……っ!!」
 あまりにも早すぎる射精は、脳が焼け付くような快感をアルフォンスにもたらした。今までずっと『王族らしくあれ』と我慢し、欲望を抑えつけていた反動で、すっかり射精の快楽の虜になってしまったのだ。
(あぁ……ッ♡ いけない♡ こんなことしちゃ駄目なのにっ♡ 王族たる僕は、欲望に流されては駄目なのにぃ……っ♡♡ この、キモチイイの♡ 止められない……ッッ♡♡)

 肥大した性欲は一発出しただけでは収まらず、何度も何度も、マークの口マンコにザーメンをぶちまけた。
 一度知ってしまった快楽を忘れられるはずもなく、これ以降、アルフォンスはたびたびマークを呼び出しては『性処理係』として使うようになった。

 思惑通りにノンケ王子を虜にしたマークは、『男らしいセックスの練習だ』と称して、少しずつ、アルフォンスを自分好みに染めていくこととなる。


「いいですかい、殿下。男なら惚れた相手とヤりてえのは当たり前! 好きなヤツの顔を思い浮かべてセンズリぶっこくのは当然でさあ! 下手に我慢するから、なかなかスッキリできねえのかもしれやせんぜ?」
「なに!? そ、そう……なのか……?」
「そうそう♡ それと……男はちょいと強引なくらいがモテるんですぜ♡ とくにセックスの時は、男らしく、メスを屈服させて躾けてやる気概がねえと!!」

 元々が性に淡白、かつ、全年齢向け乙女ゲームをモデルにして作られたというこの世界の都合から、閨教育などもなかったせいで、アルフォンスは無知であった。
 よって、マークのデタラメな言葉を信じ込んでしまい――その言動は、少しずつだが『乙女ゲームの王子様』から遠ざかっていく。


 最初は、せいぜいマークに性処理としてチンポをしゃぶられることに抵抗がなくなるとか、その際に想い人であるヒロインを思い浮かべるようになったとか、オナニーのときも彼女をズリネタにするだとか、その程度の小さな変化だった。

「あっ♡♡ ああ……、リリアっ、リリア♡♡ お願い、僕の子種……っ、飲み干して……ッ♡♡」

 目を閉じて、愛する少女の痴態を思い浮かべつつ、王子は庭師のガチムチ親父の口マンコめがけて腰を振る。
 へこへこ♡ と情けなく腰振りする姿は王子失格だが、まだかろうじて、王子らしい口調を取り繕う余裕は残っていた。
 全年齢向け乙女ゲームの攻略対象としてはアウトだが、この世界が現実でいずれは子作りなどせねばならない以上、ギリギリセーフといったところか。

 どぴゅ~~っ♡♡ とマークの喉奥で射精した彼は、ハッと、我に返ってチンポを引き抜く。

「っ……と、すまない、マーク殿。僕としたことが、また、妄想に夢中になって……」
「謝るこたぁございやせん! 俺ぁ性処理係、あくまでオナニーの延長ですからね。普段のセンズリみてえにしてくだすっていいんですよ♡」
「……ほ、本当に? だが……それでは君が……」
「俺ぁ、自ら性処理係に立候補するような、チンポ大好きな変態ホモ野郎ですぜ♡ 殿下も遠慮しねえで、他の男みてえに雑に使って……俺でチンポトレーニングすりゃいいのに♡」
「す、すまない。その、ちんぽ……トレーニング? とはどのようなものだ?」
「おっと、説明してやせんでしたかね? 俺のケツマンコ使って、セックスの練習してる連中がいるんですよ♡ もちろん、本物のマンコじゃねえ、野郎のケツなんだからノーカン♡ 浮気にはなりやせん♡♡」
「ッ……♡ そ、そんなところに、挿入するのか……!?」
「……よかったら、殿下も試してみますかい?」

 アルフォンスの無知で素直な特性をよく理解していたマークは、彼を誘導し、雄のケツマンコで性処理することを覚えさせた。おまけに『モテる男のセックスの仕方だ』と言い張り、下品な淫語や汚い喘ぎ声、粗野な態度を取るよう教え込みはじめたのだ……。
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