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第一章 EXスキル本との出会い
第8話 【炎の剣使い】+【アイス】+【サンダー】
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三週間かけて集めた【知識】のスキル本は、全部で7冊。 この【知識】のスキル本、ベリーベリー村周辺では滅多にお目にかかれない、貴重な代物だ。
【知識】のスキル本は、学者や医者、弁護士などから特に人気が高い。昔の俺なら、とっくに売り払って娼館代にしていただろうが...。
まあ、そんな話は置いといて...。
そんな非常にレアな【知識】のスキル本を、三週間で7冊も集めてしまうなんて...。驚異的なペースだと言える。
【知識】のスキル本を、死に物狂いで何とか7冊集めた。
ただ...本当に大変だった。
寝ている最中、マゼールに叩き起こされ、夜中に問答無用で寝衣のままダンジョンに駆け込んだこともあった。
ダンジョンの門番ジョーダンが、怪訝そうな表情を浮かべていたっけ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
そんな努力の甲斐もあって、【知識】のスキル本は残り3冊、【治療】のスキル本は残り1冊となった。【先端医療】をランクCにするためには、【回復】、【治療】、【知識】のスキル本をそれぞれ50冊、40冊、10冊必要だ。あと少しで揃うのだが...。
特に【知識】のスキル本は、この3日間まったく姿を現さない。 マゼールの力を借りても、状況は改善せず、どうにも足止めを食らっている。
ただ、【先端医療】の停滞とは裏腹に、【炎の剣使い】のランクCスキルは、俺の身体や攻撃スタイルにすっかり馴染み、戦闘でその真価を発揮している。
右腕の状態に変化はないものの、以前よりも素早く、的確に相手の急所を狙えるようになった。
さらに【炎の剣使い】の効果で、刃が触れた瞬間に与える”炎の追加ダメージ”に加え、時間をかけて敵を弱らせる”延焼”の継続ダメージも発生し、その力を存分に発揮している。
この【炎の剣使い】スキルのおかげで、俺はダンジョンの5階層まで安全に到達できるようになった。
マゼールは【知識】のスキル本が出ないからといって、『デニットさん、身体を休めて下さいね♡』なんて甘い言葉をかけることはない。他のスキル本、【サンダー】や【アイス】、【拡張】など、とれるものを俺に片っ端から集めさせた。
中には【言葉攻め】や【振動】、【夜の帝王】なども手に入れたが、今の俺に...必要なのか?
マゼールに尋ねると、『い、いつか、必要になる時があるかもしれ@k!△%s--!!」と、言葉を濁された。
そんなマゼールが俺に『デニットさん!【炎の剣使い】ランクCのスキル本を更に強化するために...混ぜ混ぜしませんか?』と提案してきた。
【炎の剣使い】を混ぜる...だって⁉
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
困惑している俺に畳みかけるようにマゼールは、『ランクCの【炎の剣使い】と、【アイス】、それに【サンダー】の各ランクDのスキル本を混ぜるんです!すると...』と言ってきた。
「すると...どうなるんだ、マゼール⁉」と俺が聞くとマゼールは『はい、デニットさん!【炎の剣使い】とは比べ物にならない、超強力なスキルになりますよ!私のお勧めです!』とワクワクした声で俺に伝えてきた。
そして、『ランクCの【炎の剣使い】と、【アイス】、それに【サンダー】の各ランクDのスキル本をすべて混ぜ混ぜしちゃいますか⁉混ぜると、危険なことになりますよ~!それでも混ぜますか?』と念を押した。
この聞き方は、やっぱり変わらないんだな...。
「マゼール、君のお勧めなら、もちろんスキルを混ぜるよ」と俺は告げた。
『そ、そうですか。も、もちろん私のお勧めですよ!では、混ぜ混ぜしちゃいますよ~!危険ですよ~!』
マゼールは明らかに嬉しそうな声を響かせながら、軽快にスキルを混ぜ合わせていく。
すると、愛用のズタ袋から【アイス】と【サンダー】のスキル本が飛び出してきた。そのページは勝手に開き、文字が俺の頭の中に流れ込んでくる。
さあ、ここからだ。どんなスキルに変化するんだ?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
『EXスキル【混ぜるな危険!】の効果によって、ランクCのスキル本【炎の剣使い】1冊と、ランクDの【アイス】のスキル本7冊、更にランクDの【サンダー】のスキル本6冊が混ざり合い、ランクC-のスキル本、【雷炎氷刃士】となりました!』
完成を待ち望んでいた俺の脳内に、マゼールの飛び切り弾んだ声が響き渡った。
ちなみに今回のC-の”-”は、足りていないスキル本があることを示している様だ。
ランクCのスキル本、【雷炎氷刃士】を完成させるには、【アイス】のランクDスキル本があと43冊、そして【サンダー】のランクDスキル本が44冊必要になるらしい。
もっとも、これらはさほど難しくはない。【アイス】や【サンダー】も、【ファイア】や【剣術】ほどではないが、ランクDレベルなら比較的手に入りやすいスキル本だ。
それに...。
やだ!【雷炎氷刃士】!格好いい!
「私、ランクCの【雷炎氷刃士】です!」って、いつか堂々と名乗りたい!
俺が一人ニヤニヤしていると、『ほらほら、ニヤニヤしていないで下さい。ぼやぼやしていると、橈骨動脈に血栓を作りますよ?もっともっと高みを目指しますよ!』と、えらいやる気だ。鬼コーチみたい。
そんな鬼コーチから、『バラモンの酒場でご飯を食べたら、またダンジョンに向かいますよ』と、30分間の休憩が与えられた。
う~ん、なかなかシビアだ。まあ、何はともあれ休憩だ。バラモンの酒場に向かうとしますか。
【知識】のスキル本は、学者や医者、弁護士などから特に人気が高い。昔の俺なら、とっくに売り払って娼館代にしていただろうが...。
まあ、そんな話は置いといて...。
そんな非常にレアな【知識】のスキル本を、三週間で7冊も集めてしまうなんて...。驚異的なペースだと言える。
【知識】のスキル本を、死に物狂いで何とか7冊集めた。
ただ...本当に大変だった。
寝ている最中、マゼールに叩き起こされ、夜中に問答無用で寝衣のままダンジョンに駆け込んだこともあった。
ダンジョンの門番ジョーダンが、怪訝そうな表情を浮かべていたっけ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
そんな努力の甲斐もあって、【知識】のスキル本は残り3冊、【治療】のスキル本は残り1冊となった。【先端医療】をランクCにするためには、【回復】、【治療】、【知識】のスキル本をそれぞれ50冊、40冊、10冊必要だ。あと少しで揃うのだが...。
特に【知識】のスキル本は、この3日間まったく姿を現さない。 マゼールの力を借りても、状況は改善せず、どうにも足止めを食らっている。
ただ、【先端医療】の停滞とは裏腹に、【炎の剣使い】のランクCスキルは、俺の身体や攻撃スタイルにすっかり馴染み、戦闘でその真価を発揮している。
右腕の状態に変化はないものの、以前よりも素早く、的確に相手の急所を狙えるようになった。
さらに【炎の剣使い】の効果で、刃が触れた瞬間に与える”炎の追加ダメージ”に加え、時間をかけて敵を弱らせる”延焼”の継続ダメージも発生し、その力を存分に発揮している。
この【炎の剣使い】スキルのおかげで、俺はダンジョンの5階層まで安全に到達できるようになった。
マゼールは【知識】のスキル本が出ないからといって、『デニットさん、身体を休めて下さいね♡』なんて甘い言葉をかけることはない。他のスキル本、【サンダー】や【アイス】、【拡張】など、とれるものを俺に片っ端から集めさせた。
中には【言葉攻め】や【振動】、【夜の帝王】なども手に入れたが、今の俺に...必要なのか?
マゼールに尋ねると、『い、いつか、必要になる時があるかもしれ@k!△%s--!!」と、言葉を濁された。
そんなマゼールが俺に『デニットさん!【炎の剣使い】ランクCのスキル本を更に強化するために...混ぜ混ぜしませんか?』と提案してきた。
【炎の剣使い】を混ぜる...だって⁉
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
困惑している俺に畳みかけるようにマゼールは、『ランクCの【炎の剣使い】と、【アイス】、それに【サンダー】の各ランクDのスキル本を混ぜるんです!すると...』と言ってきた。
「すると...どうなるんだ、マゼール⁉」と俺が聞くとマゼールは『はい、デニットさん!【炎の剣使い】とは比べ物にならない、超強力なスキルになりますよ!私のお勧めです!』とワクワクした声で俺に伝えてきた。
そして、『ランクCの【炎の剣使い】と、【アイス】、それに【サンダー】の各ランクDのスキル本をすべて混ぜ混ぜしちゃいますか⁉混ぜると、危険なことになりますよ~!それでも混ぜますか?』と念を押した。
この聞き方は、やっぱり変わらないんだな...。
「マゼール、君のお勧めなら、もちろんスキルを混ぜるよ」と俺は告げた。
『そ、そうですか。も、もちろん私のお勧めですよ!では、混ぜ混ぜしちゃいますよ~!危険ですよ~!』
マゼールは明らかに嬉しそうな声を響かせながら、軽快にスキルを混ぜ合わせていく。
すると、愛用のズタ袋から【アイス】と【サンダー】のスキル本が飛び出してきた。そのページは勝手に開き、文字が俺の頭の中に流れ込んでくる。
さあ、ここからだ。どんなスキルに変化するんだ?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
『EXスキル【混ぜるな危険!】の効果によって、ランクCのスキル本【炎の剣使い】1冊と、ランクDの【アイス】のスキル本7冊、更にランクDの【サンダー】のスキル本6冊が混ざり合い、ランクC-のスキル本、【雷炎氷刃士】となりました!』
完成を待ち望んでいた俺の脳内に、マゼールの飛び切り弾んだ声が響き渡った。
ちなみに今回のC-の”-”は、足りていないスキル本があることを示している様だ。
ランクCのスキル本、【雷炎氷刃士】を完成させるには、【アイス】のランクDスキル本があと43冊、そして【サンダー】のランクDスキル本が44冊必要になるらしい。
もっとも、これらはさほど難しくはない。【アイス】や【サンダー】も、【ファイア】や【剣術】ほどではないが、ランクDレベルなら比較的手に入りやすいスキル本だ。
それに...。
やだ!【雷炎氷刃士】!格好いい!
「私、ランクCの【雷炎氷刃士】です!」って、いつか堂々と名乗りたい!
俺が一人ニヤニヤしていると、『ほらほら、ニヤニヤしていないで下さい。ぼやぼやしていると、橈骨動脈に血栓を作りますよ?もっともっと高みを目指しますよ!』と、えらいやる気だ。鬼コーチみたい。
そんな鬼コーチから、『バラモンの酒場でご飯を食べたら、またダンジョンに向かいますよ』と、30分間の休憩が与えられた。
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