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第二章 アーレントと友三爺さん
第18話 友三との約束
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俺がこことは違う場所、つまり異世界から来たことを、サイモンさんは何となく察していた様だ。
というのもサイモンさんの祖父、アーレントさんと俺の爺さんである友三さんとの出会いも、今回の俺たちのような出会い方だったらしい。だから、もしかしたら...と思ったようだ。
だけど面と向かって、「貴方はサーマレント人じゃないですよね?」と、B級の名探偵のセリフなんて言えないよね。聞けないよね。だからサイモンさんは、こちらの世界では流通していないボールペンを使って、俺が異世界人かどうかを試したようだ。頭が切れる人の様だな、サイモンさんは...。
それに比べて、簡単に作戦に乗ってしまった俺って...。
そんなサイモンさんに対して、俺は友三爺さんの孫であることを打ち明けた。打ち明けた時のサイモンさんの喜びようは凄まじかった。
「私たちの出会いは、友三さんと祖父アーレントの導きに違いない!!これは奇跡です!!神のお導きです!!」
サイモンさんは凄く興奮している。神のお導きって...。さすがに大げさじゃない?余りのサイモンさんのはっちゃけぶりに、”飲みつぶ“のメンバーや源さんも近寄って来た。
源さんも“飲みつぶ”のメンバーと打ち解けた様で、楽しそうに話している。こらこら源さん、本来なら話しちゃダメなんだよ。守れない様ならこっちの世界で暮らしてもらうよ?それか、人との会話を制限するような魔法をかけてしまうよ?
ジト目で源さんを見つめるが、当の源さんは「皆んないい人たちだわん!大丈夫だわん、ご主人様!他の人の前では話さないわん!!」と、元気いっぱいに尻尾を振り振りしながら俺を見つめる。
このつぶらな瞳で見つめられるとな...。俺は源さんの頭をなでなでしながら「そうだね、源さん。気を付けようね」と告げた。
「はいだわん!!ベレッタもご主人様と同じことを言っているわん!!気を付けるわん!!」と源さんは、嬉しそうに目を細めながらお腹を差し出した。次はお腹も撫でてという事らしい。
源さんは獣人であるベレッタと仲がいいようだ。何か惹かれ合うところがあるのかな?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「私の祖父、アーレントも私と同じような体験をしたそうです...」とサイモンさんは、近くの岩に寄りかかりながら語り始めた。源さんは俺の胡坐をした中心部分にすっぽりと入り込んで寝てしまった。元気にはしゃいでいても、まだ生後2ヶ月。眠くなるよね。
話がそれてしまったが、サイモンさんの話に戻そう。
サイモンさんによると、アーレント商会初代会長のアーレントは商人の修業を終わらせ、イースカンダスで商会を立ち上げた。まだ駆け出しであったため従業員はおろか、行商時の護衛を雇うお金も無く、すべて一人で行っていたそうだ。
いつものように、イースカンダスからペラス村まで馬車を走らせていた所、馬車道に数匹の魔物が現れアーレントの馬車めがけて襲ってきた。
アーレントは死を覚悟したらしい。すごく大きな叫び声をあげて自分を追い詰めてくる魔物たち。愛馬のシューホンに懸命に急ぐように鞭を打っても限度がある。
アーレント自身、商談や商品の目利きには自信があっても、争いごとに関しては自分と同じくらいからっきしダメだったようでと、サイモンさんは自虐的なギャグも交えて教えてくれた。
アーレントの乗る馬車がどんどん魔物に差を詰められ、もう駄目だと死を覚悟した瞬間、どこからかともなく現れた同年代の男性が、次々と魔物を倒していった。そう、俺の爺さんである、友三さんその人であった。
しかも驚いたことに友三爺さんは、武器はおろか防具すらつけておらず、非常に動きやすそうな恰好をして現れた。そう、今回の俺のように。
そして、魔物との戦闘は尋常ではなかった様だ。
一人で魔物をパンチやキック一撃で倒してしまったようだ。 友三爺さんは目の前の魔物をすべて倒すと、「おい、大丈夫か?武術や剣を嗜んでいない者が、一人でこのような場所をうろつくと、早死にするぞ。どれ、今回はわしが目的地まで付いて行ってやろう」と、アーレントに声をかけた。
誰にでも優しい、友三爺さんらしい言動だな。
友三爺さんは、ベラズ村まで無料で付き添ったそうだ。ベラズ村まで行く最中、二度ほど魔物に襲われかかったが、友三爺さんが瞬時に蹴散らしたそうだ。
そしてこの出来事こそ、地球とサーマレントという、まったく結びつくはずの無かった二人が、結びつくきっかけとなる出来事であった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
アーレントによると、友三爺さんは強いだけではなく、優しさも持ち合わせており、悪徳貴族、違法な奴隷商人、盗賊などには厳しく、逆に困っている者や貧民、孤児には手を差しのべる心の優しい男であったようだ。もちろん対価を求めることは無かった。友三爺さん自らが進んで魔物と悪人を始末していったそうだ。
アーレントは友三爺さんの強さと優しさに惹かれ、よく合うようになり、酒を飲み交わす仲となった。
二人は更に親交を深め、友三爺さんはアーレントに、この地の者ではなく“地球”という異国の地に住んでおり、そこに嫁や息子がいると伝えた。
また、アーレントは地球の文化や教養、治安など、様々なことを友三爺さんから聞いた。地球は魔物や魔法が存在しない、争いも一部の地域のみであると。そして、魔法が使えない代わりに、科学や文化が発達していると。
アーレントは友三爺さんから、ねじの部分をこすると、火が付く“ライター”という品物を見せてもらったと、自慢げに息子のダイスさんに言っていた様だ。
そして、友三爺さんがサーマレントに訪れる理由として、私たちと同じ様に商いを営んでおり、魔物肉の調達の為に来ているのだと教えてもらったと、アーレントは息子に話していた様だ。さらに...。
「サーマレントと地球を結ぶ扉の中に入れるのは、今のところ自分だけの様じゃ。他の者、わしの子供たちがこちらの世界に行き来できる扉の前に立っても、何の変化も示さない。残念じゃがこちらの世界には、今のところわししかこれ無いみたいじゃ...」
そう、友三爺さんはお酒が入る度に、少し寂しそうに呟いていたそうだ。
アーレント商会の業績が伸び悩んでいることを知った友三爺さんは、地球では安価で売られている真っ白な紙や手鏡、ガラス製のグラス、ボールペンなどを販売用としてアーセンと商会へと持って行った。そして、サーマレントの常識では考え付かないほどの安価な価格で、アーレントに提供した。
同じ商いを行うもの同士、放っておけなかったのだろう。だが一つ、友三爺さんはアーレント商会に条件を付けた。
友三爺さんはアーレント商会が地球上の商品をサーマレントで売る代わりに、サーマレント各地にある孤児院孤児院や貧民層を救う団体に、全売り上げの20%を寄付するようにと告げた。
初代アーレントや二代目ダイスは、友三爺さんの言いつけをしっかりと守った。約束を守りながらも莫大な利益を得た。アーレント商会は急成長を成し遂げ、現在サーマレント共和国全土に広がる一流の商店となった。
「以上が、友三様と祖父アーレント、そしてアーレント商会の軌跡です。我が祖父も10年以上前に亡くなりました」
サイモンさんは、寄りかかっていた岩から背を離した。そして...胸にしまっていたポケットからまた、あのボールペンを俺の目の前に差し出した。そして...。
「我が祖父が亡くなる直前に、友三様から頂いたボールペンの1つを私に渡し、「このボールペンが私と友三様の代わりだと思いなさい。いつもサイモンを見守っている。悪しき心に負けることなく、正しき商人としての道を貫きなさい!」と言い残して、亡くなりました。私は勿論、会長である私の父ダイスも、祖父と友三様の教えはしっかりと守っております!」
「ええ話だわん!ええ話だわん!」
俺以上に感動して、また泣いている子犬がいる。俺のズボンで器用に鼻水を拭きながら...。源さん、いつの間にか起きていたのね...。
そしてサイモンさんは急に俺の前で土下座をして、俺を見上げながら、「太郎さん!是非、私の父ダイスに会って下さい!そして先ほどのバロンやムーグに唱えた、奇跡の神聖魔法を父にも唱えて下さい!!」と訴えてきた。
更にサイモンさんは、「これは、友三様と祖父のお導きではないかと思います。私の父親は1年ほど前から、原因不明の病に倒れ、床に臥せたままなんです!」と言って下を向いた。その身体は小刻みに震えていた...。
というのもサイモンさんの祖父、アーレントさんと俺の爺さんである友三さんとの出会いも、今回の俺たちのような出会い方だったらしい。だから、もしかしたら...と思ったようだ。
だけど面と向かって、「貴方はサーマレント人じゃないですよね?」と、B級の名探偵のセリフなんて言えないよね。聞けないよね。だからサイモンさんは、こちらの世界では流通していないボールペンを使って、俺が異世界人かどうかを試したようだ。頭が切れる人の様だな、サイモンさんは...。
それに比べて、簡単に作戦に乗ってしまった俺って...。
そんなサイモンさんに対して、俺は友三爺さんの孫であることを打ち明けた。打ち明けた時のサイモンさんの喜びようは凄まじかった。
「私たちの出会いは、友三さんと祖父アーレントの導きに違いない!!これは奇跡です!!神のお導きです!!」
サイモンさんは凄く興奮している。神のお導きって...。さすがに大げさじゃない?余りのサイモンさんのはっちゃけぶりに、”飲みつぶ“のメンバーや源さんも近寄って来た。
源さんも“飲みつぶ”のメンバーと打ち解けた様で、楽しそうに話している。こらこら源さん、本来なら話しちゃダメなんだよ。守れない様ならこっちの世界で暮らしてもらうよ?それか、人との会話を制限するような魔法をかけてしまうよ?
ジト目で源さんを見つめるが、当の源さんは「皆んないい人たちだわん!大丈夫だわん、ご主人様!他の人の前では話さないわん!!」と、元気いっぱいに尻尾を振り振りしながら俺を見つめる。
このつぶらな瞳で見つめられるとな...。俺は源さんの頭をなでなでしながら「そうだね、源さん。気を付けようね」と告げた。
「はいだわん!!ベレッタもご主人様と同じことを言っているわん!!気を付けるわん!!」と源さんは、嬉しそうに目を細めながらお腹を差し出した。次はお腹も撫でてという事らしい。
源さんは獣人であるベレッタと仲がいいようだ。何か惹かれ合うところがあるのかな?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「私の祖父、アーレントも私と同じような体験をしたそうです...」とサイモンさんは、近くの岩に寄りかかりながら語り始めた。源さんは俺の胡坐をした中心部分にすっぽりと入り込んで寝てしまった。元気にはしゃいでいても、まだ生後2ヶ月。眠くなるよね。
話がそれてしまったが、サイモンさんの話に戻そう。
サイモンさんによると、アーレント商会初代会長のアーレントは商人の修業を終わらせ、イースカンダスで商会を立ち上げた。まだ駆け出しであったため従業員はおろか、行商時の護衛を雇うお金も無く、すべて一人で行っていたそうだ。
いつものように、イースカンダスからペラス村まで馬車を走らせていた所、馬車道に数匹の魔物が現れアーレントの馬車めがけて襲ってきた。
アーレントは死を覚悟したらしい。すごく大きな叫び声をあげて自分を追い詰めてくる魔物たち。愛馬のシューホンに懸命に急ぐように鞭を打っても限度がある。
アーレント自身、商談や商品の目利きには自信があっても、争いごとに関しては自分と同じくらいからっきしダメだったようでと、サイモンさんは自虐的なギャグも交えて教えてくれた。
アーレントの乗る馬車がどんどん魔物に差を詰められ、もう駄目だと死を覚悟した瞬間、どこからかともなく現れた同年代の男性が、次々と魔物を倒していった。そう、俺の爺さんである、友三さんその人であった。
しかも驚いたことに友三爺さんは、武器はおろか防具すらつけておらず、非常に動きやすそうな恰好をして現れた。そう、今回の俺のように。
そして、魔物との戦闘は尋常ではなかった様だ。
一人で魔物をパンチやキック一撃で倒してしまったようだ。 友三爺さんは目の前の魔物をすべて倒すと、「おい、大丈夫か?武術や剣を嗜んでいない者が、一人でこのような場所をうろつくと、早死にするぞ。どれ、今回はわしが目的地まで付いて行ってやろう」と、アーレントに声をかけた。
誰にでも優しい、友三爺さんらしい言動だな。
友三爺さんは、ベラズ村まで無料で付き添ったそうだ。ベラズ村まで行く最中、二度ほど魔物に襲われかかったが、友三爺さんが瞬時に蹴散らしたそうだ。
そしてこの出来事こそ、地球とサーマレントという、まったく結びつくはずの無かった二人が、結びつくきっかけとなる出来事であった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
アーレントによると、友三爺さんは強いだけではなく、優しさも持ち合わせており、悪徳貴族、違法な奴隷商人、盗賊などには厳しく、逆に困っている者や貧民、孤児には手を差しのべる心の優しい男であったようだ。もちろん対価を求めることは無かった。友三爺さん自らが進んで魔物と悪人を始末していったそうだ。
アーレントは友三爺さんの強さと優しさに惹かれ、よく合うようになり、酒を飲み交わす仲となった。
二人は更に親交を深め、友三爺さんはアーレントに、この地の者ではなく“地球”という異国の地に住んでおり、そこに嫁や息子がいると伝えた。
また、アーレントは地球の文化や教養、治安など、様々なことを友三爺さんから聞いた。地球は魔物や魔法が存在しない、争いも一部の地域のみであると。そして、魔法が使えない代わりに、科学や文化が発達していると。
アーレントは友三爺さんから、ねじの部分をこすると、火が付く“ライター”という品物を見せてもらったと、自慢げに息子のダイスさんに言っていた様だ。
そして、友三爺さんがサーマレントに訪れる理由として、私たちと同じ様に商いを営んでおり、魔物肉の調達の為に来ているのだと教えてもらったと、アーレントは息子に話していた様だ。さらに...。
「サーマレントと地球を結ぶ扉の中に入れるのは、今のところ自分だけの様じゃ。他の者、わしの子供たちがこちらの世界に行き来できる扉の前に立っても、何の変化も示さない。残念じゃがこちらの世界には、今のところわししかこれ無いみたいじゃ...」
そう、友三爺さんはお酒が入る度に、少し寂しそうに呟いていたそうだ。
アーレント商会の業績が伸び悩んでいることを知った友三爺さんは、地球では安価で売られている真っ白な紙や手鏡、ガラス製のグラス、ボールペンなどを販売用としてアーセンと商会へと持って行った。そして、サーマレントの常識では考え付かないほどの安価な価格で、アーレントに提供した。
同じ商いを行うもの同士、放っておけなかったのだろう。だが一つ、友三爺さんはアーレント商会に条件を付けた。
友三爺さんはアーレント商会が地球上の商品をサーマレントで売る代わりに、サーマレント各地にある孤児院孤児院や貧民層を救う団体に、全売り上げの20%を寄付するようにと告げた。
初代アーレントや二代目ダイスは、友三爺さんの言いつけをしっかりと守った。約束を守りながらも莫大な利益を得た。アーレント商会は急成長を成し遂げ、現在サーマレント共和国全土に広がる一流の商店となった。
「以上が、友三様と祖父アーレント、そしてアーレント商会の軌跡です。我が祖父も10年以上前に亡くなりました」
サイモンさんは、寄りかかっていた岩から背を離した。そして...胸にしまっていたポケットからまた、あのボールペンを俺の目の前に差し出した。そして...。
「我が祖父が亡くなる直前に、友三様から頂いたボールペンの1つを私に渡し、「このボールペンが私と友三様の代わりだと思いなさい。いつもサイモンを見守っている。悪しき心に負けることなく、正しき商人としての道を貫きなさい!」と言い残して、亡くなりました。私は勿論、会長である私の父ダイスも、祖父と友三様の教えはしっかりと守っております!」
「ええ話だわん!ええ話だわん!」
俺以上に感動して、また泣いている子犬がいる。俺のズボンで器用に鼻水を拭きながら...。源さん、いつの間にか起きていたのね...。
そしてサイモンさんは急に俺の前で土下座をして、俺を見上げながら、「太郎さん!是非、私の父ダイスに会って下さい!そして先ほどのバロンやムーグに唱えた、奇跡の神聖魔法を父にも唱えて下さい!!」と訴えてきた。
更にサイモンさんは、「これは、友三様と祖父のお導きではないかと思います。私の父親は1年ほど前から、原因不明の病に倒れ、床に臥せたままなんです!」と言って下を向いた。その身体は小刻みに震えていた...。
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