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第一章
4.謎のメモ
しおりを挟む4時間目の体育の授業が終わって下駄箱に戻って靴を引き出すと、小さく畳まれた四つ折りの白い紙がはらりと足元に落ちた。
すかさず拾い上げて開くと……。
『運命変えてみない?』
たったひとことだけ書かれた名無しのメモ。
書体だけじゃ誰が書いたものか判らない。
一体誰が……?
キョロキョロと辺りを見回してみるが、誰かが様子を見ている訳ではない。
ぼっちが物珍しいのか、それとも反応を見たいだけなのか。
残念ながら、殻に閉じこもっている時間が長いだけに人を疑う事しか考えられない。
きっとからかわれたんだと思ってメモをくしゃりと握りしめてポケットに突っ込んだ。
お昼はお弁当袋を持って屋上へ。
手で日差しを遮りながら階段の壁裏の日陰に腰を落とす。
ここが私の特等席で心が開放的になれる場所。
ポケットからスマホを取り出してドキ王を立ち上げてから床に置く。
今日もランチのお相手は彼だ。
お弁当袋を開いて中身を取り出してひざに置き、箸を両手に持って「いただきます」と言って箸で卵焼きをつまみ上げると。
「ねぇ、その卵焼きちょうだい」
頭上から男子の声が降り注いだ。
そのまま目線を上げて屋根の方を見ると、そこには同じクラスの黒髪メガネマスク男子が頬杖をつきながら顔を覗かせている。
彼の名前は阿久津日向。
メガネの上部まで差し掛かってる黒くて長い前髪に、鼻の付け根まで覆っている白いマスク。
近寄りがたい風貌に誰ともコミュニケーションを図らない一匹狼タイプだ。
授業が終われば伏せ寝をしているし、体育はほとんど参加しないし、人に話しかける声を聞いたのは今日が初めて。
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